グアテマラ在来種
(Churro, Criollo)

 

 一般にChurro(チューロ)とか、Criollo(クリオーヨ)と呼ばれる(クリオーヨとはスペイン語で、「現地産」と言う意味)。
そもそも新大陸にはめん羊・山羊は存在しておらず、これらの家畜は16世紀にスペイン人の手によって持ち込まれた。
 成体重(未改良種なのでばらばら、またきちんとした統計も無い)は40ポンド〜80ポンド程度。低緯度地方で日照差がないこともあり、通年繁殖可能。平均産子率はほぼ1.00(いままで双子なんて2組しか見た事が無い)。
毛色はばらばら。というより適当。白・灰・黒・茶等、いろいろいる。毛量は3ポンド/年とれるかとれないか。毛質は非常に悪い。短くて弱く、クリンプも少ない。また、大量のヘアーが混入している。
 肉質は悪い。そもそも羊肉を食べる習慣がないから彼らには関係ないらしいが・・・。
 はっきりいって、大して役に立たない。そもそも飼っている理由が「貯金」なんだそうな。急に現金が必要になったときに村の市で売りに出す。にしてもどこかに最終消費者がいるはずなんだが?いまだに謎だ。
 なんでも食べて、めったな事では死なないぐらいが利点か?(管理人註:原文ママ)

 顔の黒斑、不安定な下肢、貧相な肉付き、短くて質の悪そうな羊毛がいかにもChurro。いままで散々近親交配しましたといわんばかりの小さな耳がチャームポイント。
ケツアルテナンゴ県サンアントニオ・ブエナ・バフ村にて。
 親羊がチューロ。目の周りの斑点がいかにもです。仔羊がうちの種雄との仔なので、ほんの少しは改良されているはず。トトニカパン県サンバルトロ・アグアスカリエンテス郡パラシャ村にて。
 ウエウエテナンゴ県クチュマタネス高原で行われためん羊共進会のショット。これは在来種雌一歳以下の部。中ほどで羊を引っ張っている麦藁帽子をかぶった人の羊が2位だった(賞金200ケツアル。日本円で約4,000円)。
 ちなみにこの品評会にはきちんとした改良種や純血種部門もあって、100kg以上のコリデール雑種なども出展される。いくらなんでもこんなちっこい羊だけで品評会をする事はないのでご安心を。

 

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羊仕切り

最終更新日: 2000/01/18.
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