マイクロライトプレーン(ULP)の世界
超軽量動力機、又はウルトラライトプレーン(ULP)とも言います。
「超軽量」というだけあって機体の重量はセスナ(軽飛行機)等と比べ非常に軽く、100〜230kg程度しかありません。
日本では約20年ほど前から本格的に活動が始まりました。
この期間に全国で数多くのフライヤーが誕生しており、飛行クラ
ブも100団体以上が登録されています。
航空界にとってこの普及率は異例であり、軽飛行機に比べ手軽に始めることができ、かつ費用も1/3程度でできることが
この普及率につながったと言えるでしょう。
マイクロライトプレーンを始めるには
マイクロライトプレーンを操縦する場合、一般にいう「ライセンス」を必要としません。
国土交通省航空局に必要な申請を行い許可書が発行されると飛行することができます。
つまりマイクロライトプレーンの飛行はすべて許可制となっているため、国家試験の「ライセンス」を取る必要がないのです。
しかし、まったく訓練も受けずに飛ばすことはできませんし、許可申請の際に知識・技量に関する実績を証明するものが
必要となります。
各クラブやスクールの操縦指導者から指導を受け、飛行に必要な知識と技量が
身に付いたと操縦指導者が判断し、申請を航空局に行うシステムになっています。
このほか、機体と飛行させる場所についても許可を受けなければなりません。
これらの手続を最初から個人で行うには大変手間と時間がかかります。
多くのクラブやスクールでは入会すると自動的にこれら手続を代行してくれる筈なので、これら団体に所属することをお勧めします。
飛行できる範囲
マイクロライトプレーンは一般の航空機(セスナなど)より様々な面で手軽に飛行させることができます。
しかし、その手軽さの代償として安全を確保するためにいくつかの制限が設けられています。
その中で代表的なのが飛行空域の制限があります。
飛行できる範囲は現在のところ原則として半径3km、地理的条件及び管理体制の良い所で最大9kmとなっています。
多くのマイクロライトプレーンには安全に長距離を飛行する機能並びに装備が備えら
れていません。
基本的にマイクロライトプレーンは、飛行そのものを楽しむことを主体としていますので飛ぶために最低必要な機能・装備になっているのです。
従って訓練内容も飛行に必要な知識と技量の習得に限られ、航法や航空管制業務の知識までは基本訓練に含まれておりません。
一般の航空機より安く、かつ短い時間の訓練で飛行できるのは飛ぶ事に限られた目的だからなのです。
マイクロライトプレーンの種類
一言に「マイクロライトプレーン」と言ってもさまざまな種類があります。
大別すると舵面操縦型・体重移動型・パラシュート型に分けられます。
これらは各々操縦方法が異なっており、「資格」も各型式別に設けられてい
ます。
更に操縦席がキャビンタイプ(密閉型)をクラスU・オープンタイプ(非密閉型)をクラスTと言います。
全般にクラスUの機体は運動性能も高く速度も早い為、一般の航空機と同じぐらいの技量と知識を必要とします。
●舵面操縦型
普通の航空機と同じく操縦桿とペダルを使って操縦します。
エレベーター(昇降舵)とラダー(方向舵)そしてエルロン(補助翼)の三
つの舵を操作する「三舵式」、エレベーターとラダーの二つだけの
舵を操作する「二舵式」があります。
現在全国で飛行している舵面操縦型は殆どが「三舵式」です。
●体重移動型(トライク)
ハンググライダーに座席とエンジンを装備したタイプです。
従って操縦はハンググライダーと同じく両手で支えた三角のバーを移動させて操縦します。
欧州のマイクロライトではこのタイプがポピュラーで、簡易グライダーの曳航に使用しているモデルがあるほどです。
●パラシュート型
パラグライダーのパラシュートに座席とエンジンを装備したタイプです。
パラシュート型はパラシュートの左右のワイヤーを引くことによって起こるパラシュートのねじりや傾きを利用して上昇や方向を変えたりします。
これらワイヤーは操縦桿によって操作されます。