text by Seino

 ども。お久しぶりです。フジテレビのドキュメンタリー放送以来、全国津々浦々から養毛剤の広告が舞いこみ、外に出ると「焼きそばの先生ですよね!」と知らない人に話しかけられる日常にもすっかり慣れた、別海高校3年C組担任、清野俊也です。この前、回覧板渡しにきた子連れのお母さんから、「ほらー、この人が焼きそばの先生よ、握手して貰いなさい」と言われました。たいして興味のなさそうな男の子が、それでも手を差し出すので、精一杯の愛想をふりまいて握手しました。

 そんな町の名物オジサンとなってしまったこと以外で、僕のまわりで最近あった出来事といえば、それは勿論、別海高校最大の行事、学校祭です。他の地域に住んでいて、このHP見てる人達にとっては、信じられないかもしれませんが、ここ別海町はゲーセンもカラオケもファーストフードもない、娯楽に閉ざされた流星街のような場所でして、その反動もあってか、この別海高校の学校祭、娯楽に飢えた高校生のドーパミンが放出しまくり、シナプス開きっぱなしの常軌を逸したバカ祭りとなるわけです。

 当然、そういうノリである以上、学校祭は町をあげての行事となり、特に初日の仮装パレードと、そのテーマに沿った各クラスのパフォーマンスは年々熾烈を極めるわけです。僕なんてもう34歳ですから、生徒と同じ踊りをしようとしても体がついていきません。見たことない人には全然わからないと思うんですけど。本当にハードなんですよ、これが。


模擬店のメニュー。

 持ち時間2分の中で、まず複数の曲がミックスされるのは当たり前。多いときは5〜6曲がブチ込まれます。そのたんびに踊りや陣形が変わるんですから、たまったもんじゃありません。家の前の川上町公園で毎日夜中にひとりで練習しましたよ、僕は。

 さらに加えて、その曲を編集する役目が自分なわけです。「なぜ?」という疑問が湧きますが、「DJだから!」という非常に単純かつ間違った理由が別高生の明朗快活な気質を端的に表している気もします。だいたいCDJで一発録りするより、編集ソフト持ってる生徒にやらせた方がよっぽどいいと思うんですが…。結局今年も合計6クラスの曲を編集したわけですが、また「DJに不可能はない」とでも思ってるのか、無理難題をふっかけてくるわけですよ。BPMやキーが全然合ってないのなんて、朝飯前。1秒ピンポンつなぎを5回連続でとか、この曲の何秒目にジャーンって音を入れて終わらしてください、とか、ヒドいのになると「ここをシュワーッと」「ここでジャカジャカ早くなって」と音源もなしに、擬音と鼻歌だけで伝えてくる奴までいる始末。そんな「おい、一休。この屏風の虎を縛ってみよ」レベルの難題をポクポクと解決し、寝ないで曲を編集した僕を、誰でもいいからねぎらってください。特に担任の先生よぉ!よそのクラス手伝ってんだから、ありがとうぐらい言ってくれよぉぉぉ!!

 などと、ブツブツ言いながらも、やっぱ学校祭は楽しいですね。つーか、学校祭はね、相当入れ込んでやらないと面白くもなんともないから。シラフの状態でやっても全然面白くないから、あれぐらいでいいんですよ。今は不審者騒動で、学校のセキュリティーも相当厳しくなって、なかなか学校に一般の人は入りづらいから、是非とも学校祭の時に遊びに来てくださいね。ちなみに今年、僕は模擬店で見せ物として4時間半DJやらされました。もう全ネタ大放出です。生徒は喜んでましたが、年配の方が誰1人見事なほど店に入ってくれなかったのが強く印象に残ってます。お客さんのアンケートでは1位でしたが、校内評価は低く、後日のアンケートでは「教員の特技に生徒が頼るのは学校祭の目的として望ましくない」などと書かれておりました。ファーック!!

 あ、結局ウチのクラスが何位だったかですか?いいじゃないですか、そんなこと…。

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