text by Seino

パーティー翌日、待ち合わせのホテルで息を引き取った清野

 
 …皆さん、こんにちは。ハリウッド・スペシャル報告コラム担当の清野です。この間、結婚1周年でした。釧路プリンスホテルのレストランから1周年記念の招待券が送られてきたので、はりきって出かけてみたら、ただのバイキングでした。清野です。そんなことはどうでもいいですね。

 これをご覧になってる皆さん、特に先日のスペシャルに来ていただいたお客様は「いいから、早くあのパーティの追体験させろや!」って感じですよね…いや、すごくいいパーティだったと思います。須永さんもユウさんも、凄い上機嫌だったし、さも当たり前のように「来年はピースにそのまま泊まるから気ぃ遣わなくていいよ!」とすでに来年の確約までしていただいて…なのに、なのに、なんでこんなテンション低いのかというと……須永さんのDJが3曲しか聞けなかったからだよ!!あー先月のプレイチューンに書いたとおりになってしまった…お客さんとは立場が違うと、わかっちゃいるけど、なんで俺はスタッフなんだ…。

 というわけで、あのパーティを分かちあっていただいた皆様には大変に申し訳ないのですが、追体験はパーティ・ショットでしていただくとして、このコラムは、あのパーティの裏側で「へー、こんなことがあったんだ」っていう1粒で2度おいしいっていう感じで(く、苦しい…)お楽しみいただければと思います。

 さて、いつもどおり雨の降る(いっつも雨だ…)中標津空港に降り立ったゲストのお2人。相変わらず物凄いオーラで完全に周囲の乗客から浮きまくってます(笑)今回は雨ということで、観光はなし。今日の朝まで「レコード番長」で一睡もしてない須永さんの休養も考え(結局ホテルでも一睡もしなかったらしいが)、そのままホテルにチェック・イン…するはずが「確か近くにゲオがあったはずだ」という4年前に一度泊まっただけなのに驚異の記憶力でマンガを買いに行く須永さん(ちなみに「ギャラリーフェイク」シブい。)それにしても4年前から今まで泊まったホテルの設備から、飯食った場所からメニューから、観光スポットから逐一全部詳しく覚えてんだわ。これは本当にスゴイ。日本はもとより世界中を年中無休で駆け巡ってる人とは思えない(もしくは人だから、なのか)こんな土地の隅々まで、本っ当によく覚えてもらってる(ユウさんも実際よく覚えてた)、やっぱ2人ともプロフェッショナル・エンターテイナーなんだよなぁ…などとしみじみ。そしてこの2人の掛け合いが本当にハンパなくオモシロイ。言語に対する反射神経とサービス精神が尋常じゃない。学校の先生だったら間違いなく大人気だわ。なんかDJとMCのよしあしは「その人ありき」だということをまた再確認させられたなぁ…としみじみ。サウンドチェック(今回は全然無問題)終了後、いつもどおり居酒屋「ホームラン」で乾杯。ルームサービスが頼めなかったせいか、いつになく相当食べてました2人とも(笑)。特にサンマ刺身を大絶賛で、そのまま折り詰めにして持ち帰って、いよいよピース入り。

 最初はユウさん。自分はキャッシャーにいたので、音しか聞けてませんが、いやーすごい。最初スシ詰め状態ながら、どこか遠慮しがちだったお客さんを、まさしく日本一のMCで、揺すって、湧かせて、ホロっとさせて、そして一気に解放…この人、どんな業種でも絶対成功したんじゃないだろうか、といつもながら感心してしまう。

 次はいよいよ須永さん、最近の「BACK TO THE 90S TOUR」でもおなじみの、吉本新喜劇の出囃子から、Akiko「OLD DEVIL MOON」、そしたら次はパッパッパ・パーラーラできまり…と思いきや、いきなり出た!「UNTOLD STORY」の須永さんmix!アーンド、ブースに走ってきたユウさんの生ラップ!!死む。なんちゅう格好よさだ。須永さんファンもユウさんファンも一同に盛り上がる、まさしく最初のピーク。

 …だもんですけど、自分ですね、この後、楽屋裏でユウさんとずっとお話状態でして…いや、その話自体は、まさに天性のメッセンジャー、ユウさんならではの、金言格言の連打!ですから、相当気合入ったんですけど、す、須永さんが…。しかもうっすら聞こえてる音がメッチャクチャ格好いいんですけど…かなりテンション高いんですけど…全然聞きとれない…。

「MCっていうのは下手だと思わせても、上手いと思わせても駄目なんだよ。何言ってたのか内容をいちいち考えないでも自然に耳に入ってるぐらいでないと、お客さんは絶対盛り上がらねぇから」

「すげぇライムを書くラッパーはそれはそれでリスペクトしてるけど、それとMCってのはぜんぜん違うんだよ。MCっていうのがなんなのか、皆ちゃんと考えてないんだよ。だから辰緒さんは、いまだに俺を呼んでくれるんだと思う。」

「フレッシュ!って言葉は…一生考えてなきゃいけないほど、深いね。哲学だね。本当にそのときフレッシュ!って気持ちにならないとダメだし。緊張してビクビクしながら叫んだ声だと絶対お客さんに響いてこないから」

「俺のかけてる音楽は、とにかくマスであること、ボーダーレスであること、CDで手に入るもの、有名なものじゃなきゃ、意味ねぇと思ってる。ミーターズかけて口ずさんでるヘッズじゃなくて、そのあとにかけるエイメリーで全員がアッ!て喜んでほしいんだ、そいつらがダフト・パンクで踊ってるなんて最高じゃん、それを踊らすための接着剤としてMCはいるんだよ。」

 カッコイイー!!自分で文字に起こしといて、なんですけど、こうやって改めて文字にすると本当にカッコイイ。んですけど…須永さんが…もう2時間はやってるなぁ…。

 ユウさん2セット目に。おお、客がぜんぜんひけてない!!須永さんも上機嫌だ!!ああ、いったい何がこの間にあったんだ(泣)ユウさんの2セット目はまたもや抜群のMCで泣く子も黙る「証言」(バンザーイ!!)から、しまいには電気グルーヴとスチャダラの「トワィライト」まで…そんなんで踊らせる人なんてほかにいるか?そして2セット目の須永さんへ、ここでも、ワタクシ、ユウさんのお話し相手で、以下、楽屋裏の実況中継です…。

「俺も先生も同い年で、こうやって会うの2回目だけど、お互いやってることって同じだと思うんだよ。若い者にエデュケーションするために、パフォーマンスしてんじゃん。」

「俺さ、前も言ったけど、1時間目から6時間目まで各クラスでLHRやりたいんだよ!本当お願いだよ、もう、その代わりにライヴだったら体育館とかで2時間半以上絶対やるからさぁ、(はい、確かに聞きました!)」

「…だから、絶対最後はオザケンの「僕らが旅に出る理由」かけんだよ、いつも。それはこうやって離れた場所で頑張ってるじゃん、先生たち。俺と辰緒さん呼ぶパーティなんて、めったにないよ、でもそういうのすげー面白いじゃん、ヒップホップだけで呼んだり、ラウンジだけで呼ぶより、動いてる感じがして。俺はそういう頑張ってなんか始めてる方が地方の都市より全然面白いんだよね(本当にそう言ったんですって!)」

「(アルバムについて)「セル・アウト」っていう言葉に今ラッパーは凄い敏感になってるから、あえて使ったんだよ。それに「ノー」を突きつけてるっていう…だから、これは本当にすごい難しい問題なんだよ。「セル」は「アウト」じゃないんだよ、誰かが「セル」を「イン」させて世間にヒップホップが入らないと…だって他にいねぇじゃん!CM出てもディスられない奴じゃないと、出てく意味ないのよ!」

「それにしてもデヴラージと、MURO君と、フォース・オブ・ネイチャーが一緒のアルバム出てんだぜえ、俺、フィーチャリングって好きじゃないから、やり方としては結構凄いことしたのよ!なのに売れてないのよ!これが!」

 …えーとても書ききれないのでこの辺にしときますが、そんな舞台裏でいつの間にかパーティは、近所の苦情でストップしてまして…(本当にごめんなさい!)。須永さん悔しそうだったなぁ、「今日は絶対5時まではいける勢いだったのになぁ…」って。「だから俺は音小さくしようとしてたんだよ、ユウ!」「いや、返す言葉もありません…」「いや、いいよ返して。お前のやり方なんだから」ケンカ番長、梅宮辰夫かっていうほどの男気にしばし感動しながらも…ああ、ぜんぜん聞けなかった須永さん…それ以上に、まずフロアにいることがほとんどなかった…いいんだ、僕スタッフだもん(本当に表側の出来事をぜんぜん知らない)。

 ということで、「なんだこれが、パーティ報告か?」って思ったお客様、スイマセン!!でもスタッフってそれぐらいバタバタなんです!だから、あの最高の空間を味わった、もちろんその空間をそれぞれ構成してくれた、お客様、どうもありがとうございました!!そしてちょっと羨ましいのです…ハァ、遊びに行こう。

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