text by Seino


 皆様、一ヶ月遅れですが、あけましておめでとうございます。さる1月2日のニューイヤーパーティは70人を超えるお客様に来ていただいて(!)、ワインも空けまくりで2度の全員乾杯を含めつつ、いつもよりは若干短い時間ながらも、大盛況のうち無事終了いたしました。特に久しぶりにトリだった奥山代表の時の盛り上がりようといったら…今年はやっぱり「ガシガシ踊る」パーティの復権かぁ?とか思ったりもしつつ。とにかく、どこのパーティもなかなか人が集まりにくくなっている昨今にも関わらず、遠くまで足を運んでくださって、最後までバッコバコに踊り倒してくれたお客様の皆様には、もう本当に感謝感激としか言いようがありません。今年もすでにスペシャル第一弾決定済み&新しいチャレンジも計画しまくりでございます。是非是非、今年もハリウッドを御贔屓にお願い致します。えーこれ以上やると身内ボメになってしまうので、パーティー報告はこれにて終了させていただきます。

書くことがない…アレ書くか…。

 さて、そんなこんなでパーティも無事終わった冬休みでしたが、例年パーティ後のこの時期は一年で一番ヒマな時期なんですよね。次のパーティまでは長いし、かといって新譜のリリースも止まってるし。なので、例年この時期になると普段時間がなくてフォローしきれないような、安い中古盤を漁るのが習慣(去年はファンカラティーナのレコード買い漁ってた…)。そんで今年ハマってしまったのが泣く子も黙る元ビートルズのジョージ・ハリソンでして。いや、前から好きだったんですけど、驚異の映像リマスター「バングラデシュ」 DVD 化から(マジで自分の持ってるビデオがブートに見えるほど画質がクリア)、コンプリートしてなかったアナログ盤を買い揃えたのはまだ許せるとしてしも、遂には7インチシングルやブートのライヴにまで手を染めてしまい、74年の北米ツアーのブート音源なんか8公演分も揃ってしまった始末(ちなみにもしこれ読んで間違って手を出す人がいたら「Live In Washington」以外はヤメた方がイイです)。しかもこのツアー、演奏曲目がほとんど同じなので、いっつも「 haris on tour 」から始まって「 my sweet load 」で終わるんですけどね。なのにマジで冗談抜きで、この一ヶ月間、車の中でも家の中でも寝る時もずっとジョージのブートしか聞いてないオレ!(そして、それにつき合わされてる奥さん!)。

 じゃあ、いったいジョージのどこがそんなにイイのかって言われると何と答えればいいのか困るんですけど…そりゃまあ、ビートルズで好きな曲は? って聞かれたら普通にレノンやマッカートニーの曲を選ぶと思うしなぁ…とにかく、ソロになってからのジョージが好きなんですよね。これはたとえとして適切かどうかはわかりませんが、レノンやマッカトニーより、ル−・リードやニール・ヤングが好きな人って世の中にいっぱいいると思うんですよ。でも「何がニールヤングだ!レノンやマッカトニーに比べたらカスじゃねーか!才能ゼロじゃねーか!」とか比べる人なんて普通いないじゃないですか。でもジョージだって、たしかに元ビートルズだけど、別にバンドのメインソングライターだったわけじゃないんだから、「レノンやマッカートニーに比べ」てとかじゃなくてさ、単純にソロ聞いてもらってから好きか嫌いか判断してほしいなーと思うんですよね。まー、たんにジョージのソロに一貫してる「ファンキーな白さ」が一番聞いてて、スッと入ってくるってだけなんですけどね。とにかくオレはジョージのソロが一番好きです。無人島に持ってってもいいぐらい好き。それにジョージってどのアルバムもジャケのセンスもいいし、服とか帽子とかオシャレだなぁとか、そういうのもカッコ良くて(重要)。それではここでジョージの全アルバム解説を詳細に…といきたいところですが、圭一にぶっとばされること間違いナシなので、なるべく簡単に。お願いだから読んで。

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 まずいきなりですが、ビートルズ存命中のシタール爆発実験作「不思議の壁」とシンセ爆発実験作「電子音楽の世界」はトバします!(このコラムってビートルズヲタの人が読んだら殺されそう…)とにかく、「ビートルズのジョージ」ではなく、「ジョージ・ハリソン」になった時代はまず 3 枚組「 all things must pass 」から始まるわけです(@)。まだ無名時代のデレク&ドミノスをバックにフィルスペクターをプロデューサーに迎えたこのアルバムはなんと全米1位!ジョージ入門編といえばまずコレが定番。とにかくビートルズ時代に書き溜めた(そしてボツになった)イイ曲ばっか。これは一昨年すごく良いリマスターCDが出てるので聞いたことない人は是非一聴を。でもね、ボクもこれ大好きなんですけど、せっかくの南部スワンプロック代表のメンバー従えてんのに、フィル・スペクターにプロデュースさせちゃって、真っ白にしちゃうこの感覚がジョージなんですよねぇ。黒人音楽を背骨としながらも、けっして「モロ黒人音楽」に聞こえない、いろんな要素を混ぜまくってパッと見「タダのポップス」にしちゃうジョージのセンスを「粋」ととるか「物足りない」ととるかが評価の分かれ道なのかなとも思ったりします。その分かれ道というかジョージが好きか嫌いかで評価が真っ二つに分かれるのが次作「リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」で(A)。是非ジョージ第二弾としてこのアルバムを試してはいかかでしょうか。 ジョージ唯一の必殺技であるモゲたような音色のスライドギターが滑りまくる南部 R&B 臭満載のスワンプロック(でもジョージの甲高い声と変なコード進行のせいで真っ白)なこの作品。確かにボクもB面はちょっとタルいかなーと思ったりしますが、いよいよもってビートルズ・ファンおいてけぼりの「ジョージ道」まっしぐらのアルバム。このアルバムが好きになったら、もうポール・マッカートニー&ウイングスなんて聞けません!(絶対殺されるな…)さらにこれも全米1位!そうです、ビートルズ解散後に一番人気だったのはなんとジョージだったのです!(今では信じられないけど…)。そしてジョージはビートルズ解散後、ボロボロな経営のアップル・レーベルに別れを告げ、自らのレーベル「ダークホース」を立ち上げます。この自虐的なネーミング・センスにシビレますね(お願い誰でもいいからシビレて)。そこでジョージはニューアルバムその名も「ダークホース」を発表し(B)、ついに北米ツアー(49日で47公演!)に出るわけです。

 だが、しかし、好事魔多し。元々それほど多作でないジョージの曲のストックは尽き、当時のリリースペースには間に合わず、なんとツアー終盤になって、やっとこのアルバムは発表されます。つまりハードな日程のツアーの最中に録音です。精神的肉体的ストレスでジョージの声はなんちゃってボブ・ディランのようなガラガラ声になり、自分の書いたメロディーも満足に歌えない状態のジョージのツアーは大酷評され、アルバムもコケて、傷つきやすい魚座のジョージは(ボクも魚座ですヨロシク)「二度とツアーはしない」と宣言します(次にツアーしたのは17年後の東京ドームですから)。そんなこんなでジョージファンの中でも比較的「ガラガラ声が聞いてて痛い」「とりあえず作った散漫な作品」と評価されがちな「ダークホース」ですが、これこそ「ジョージ史上最もファンキーな作品」として、もっともっと再評価されていいと思います。ソウル・レビューのような「 haris on tour 」に元スライ&ファミリーストーンのアンディ・ニューマークのドラムも冴え渡る男泣きソウル「far east man」…確かにもうちょっと時間があれば。もっと凄い名盤だったのになぁっていうバタバタ感は否めませんが…でもなぁ、いい曲がなぁ、いっぱいいっぱい入ってるんだなぁ。これが。

 あぁ、こんだけ書いても、まだアルバム3枚しか紹介できてない!オリジナル・アルバムだけでもあと7枚もあるのに…しかも今思ったんだけど、こんなの読んでも誰も面白くねーよなー、ゴメンなさい。でも DJ の人達でも、フロアでは使えないんだけど、ひっそりと好んで聞いてるものって誰であると思うんですよね(そもそも音楽好きなんだから当たり前なんだけど)。須永さんの oi パンク好きは有名ですが、ウチの圭一だってジェームス・イハ好きだし。奥山さんの家にもハイ・ラマズあったし。王子は aiko 好きだし(笑)一回著名なDJの人達の「恥ずかしいけど実は家ではこんなのも聞いてます」特集みたいなのってないかなぁ。面白そうだけどなぁ。まぁ、いろんなスポーツができる人の方が絶対楽しいのと同じで、音楽の聴き方もいろいろあったほうが絶対面白いと思いますよ…と、もっともらしくシメてみましたが、勿論オタクの言い訳です。とりあえず新年ユルコラムということでお許しを。今年もよろしくお願いします!!(続編を希望の人、「もっとジョージを知りたい」という人、是非お知らせください。一票でもある限り続けるぞ!今年こそジョージだ!)

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