text by Yamaguchi

 はじめましていつもどうも。スタッフの山口です。初めてのコラムです。頑張って書きます。

 今回はパーティの一日と題しましてPEACEがフロアーに変わるまでのパーティの準備の流れを追っていきたいと思います。PEACEはみなさんもご存知の通り、営業形態があくまで「バー」であって「クラブ」ではありません。なもんでパーティーをやるとなると、一夜限りの特設クラブをこしらえなければなりません。その作業は一般のイベントオーガナイザーの方達から見たらあまりに大掛かりで滑稽なものかもしれませんが、僕達と境遇が同じ日本全国の同士の方達がちょっとでも参考にしてくれたら嬉しく思います。

 当日は午後一時ぐらいにスタッフ全員がPEACEに集合(早っ!)。…のはずなんですが山本は仕事で、清野はなぜかフツーに遅れてくるので(笑)、最初は僕とPEACEマスターの前田さん二人っきりで作業を開始します。まず前田さんちの倉庫から必要な資材(ベニヤ板、布団、スポンジ、ブロック等)をむりやり一輪車に乗っけてフラフラしながら運んできます。普段あまりマスターと話す機会がない僕はこの時間が結構楽しかったりします(でもブロックが重いのでほんとは早く清野に来てほしいです)。

 清野(頼りない天使)が到着してからは、音響担当の加藤泰和さん宅に機材を借りにいきます。スピーカー6個に、アンプ、コンプレッサー、イコライザー等のPA機材を軽トラの荷台によいしょよいしょと積むのですが、僕と清野は非力なのでこの作業が一番きついです(ほんと早く山本に来てほしいです)。

 PEACEではこの間、マスターがフロアの床にベニヤ板を敷き詰めてくれています(図1)。なぜフロアにわざわざベニヤ板を敷くと言うと、このフロアは通常営業の際にはホテル「MAG. HOUSE」の食堂として利用しているスペースなのです(!)。食堂は土足厳禁です。しかしお客さんに靴脱いで踊ってもらうわけにはいかんだろう!ってことでベニヤ板を敷いてるんですよね。ちなみにHOLLYWOODにお呼びするゲストDJの方達は大抵MAG. HOUSEに泊まっていただくんですが、パーティーの翌朝、ついさっきまでDJをしていた場所で朝飯を食べる、というある意味シュールなシステムにみなさん驚かれます(笑)。

 
図1(左は通常営業時。右はパーティー時。これでいくらステップを踏んでも安心です)

 このあたりで山本がどの機材よりも重いレコードバッグ両手に到着します(一体何枚持ってきてるのでしょうね!?)。運んできたスピーカーを前に途方に暮れていた僕と清野の非力コンビは「待ってました漁師!」とばかりに、マスターと山本に体を預けながら(表情だけ思いきりつらそうにします。でも「そんなの関係ねー♪」)スピーカーを持ち上げ、組み立てます(図2)。


図2(現在はブース側にスピーカーが設置されています)

 次に機材の接続、音響チェック等のDJブース周りを山本が担当し(図3。山本以外はやり方がわかってません、笑)、追いやられた僕と清野は細かい作業(でもすごく重要なんです!!)に取り掛かります。清野は今夜のセットが決まってないせいか、ここらへんでいつも帰りたそうにしています(ほんとに落ち着きがないです)。んで、僕はと言いますと、ここからはすっかりマスターご指名のアシスタントになりまして、フロアからキッチンが見えないように目隠しの板を貼ったり(図4。マスターが板を固定するまでの間、みんなで並んで板を抑えている様はまるでCLASHの「白い暴動」!)、防音のために窓に布団を貼ったり(図5)、入り口にパーテーション代わりの布を吊り下げる手伝いをします(図6)。じつはこの細かい工夫はマスターの10年に及ぶ経験とセンスによるもので、毎回思考錯誤しながら、アイデアを出してくれます。最近では、ブース横にレコード立てを置いて、現在プレイしているレコードのジャケをディスプレイする事にしたんですが、いざDJ PLAYを始めると、みんなそれどころじゃなくなって、一番はじめに飾った『GO TEAM』の寅ジャケが最期まで乗っているという体たらくでした(図7)。マスターすみません。

 
図3(僕が適当に配線しようとすると山本に怒鳴られます、笑)
 
図4(この板を貼る事でフロアから丸見えの厨房を目隠しします。)
図5(黒い布で隠している後ろが窓。マットレスの花柄がうっすらと…、笑)
図6(僕がこの布を適当に張ろうとするとマスターに怒鳴られます、笑)

図7(パーティーの最中、じっ〜と鎮座していた虎)

 こんな感じで緊張と緩和の効いた準備をしています。 でいざパーティをオープンしているといった感じです。

 パーティ終了後には即、翌日の営業にむけて、夜間撤収が始まります。これが本当にツライ!でもこういう事こそキチンとやらなきゃダメなんだ!という意識が働いて、みんなテキパキ作業をこなします。今でこそ僕も当たり前にこなしていますが、スタッフに加えさせて頂いた当初は「みんなよくやるなぁ…」と感心したものでした。お客さんであるみなさんが手伝ってくれる事もしばしばで、いつも感謝しています!(普通、あり得ないですよね。ほんとありがとうございます!)

 マスターに至っては最後スタッフが撤収した後(AМ3:30ぐらい)も黙々と床掃除、窓拭きをやってくださいます(いつも遅くまでありがとうございます!)

 今でもたまに「あー準備めんどくせーなー」なんて思いますが、ただレコードを持っていくだけのパーティに参加させてもらうと、変に味気なさを感じてしまう自分もいます(笑)。「あーでもないこーでもない」言いながら、お互いの事をディスりながら(笑)、“D.I.Y”精神でみんなで楽しいことを作りあげるのは面白いなーと思う今日この頃です。

 あー考えてたら早くパーティやりたいですね!

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