COLUMN > 2009.1








みなさん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 世の不況は今年もまだまだ続きそうですが、こういう時こそパーティーなり音楽なりを夢中になって楽しみたいものですね。実際問題、不況だと夜に出歩く人が目に見えて減って…。

そんな逆境の中(笑)、正月2日はHOLLYWOOD新年パーティーなワケですが……お金ないのは分かるけどさ〜正月くらいは、夜遊びしましょうよ!!可愛らしいノベルティもありますんで。ついでに新井仁さんからついこの間頂いた日本酒も、せっかくだからこの際に振舞っちゃいましょう!(新井さんありがとうございました!)

さて、先月のコラムを担当したばかりの僕がなぜに今回も図々しく登場しているかというと、みなさんもご存知の通り、去る12月23日に別海町マルチメディア館でquasimodeのライブがありまして、そのレポートを、誰に頼まれるわけでもなく、僕自身が勝手に書きたいから書いてる、というわけです。

12月23日(水)。会場はマルチメディア館。 今まで僕はクリスマスに大した思い出なんて持ち合わせていませんでしたが、今年は一生忘れられない、最高のプレゼントを頂いたと思います。

本当にこの人口二万人足らずの別海でライブが観れるなんて、実際メンバーのみなさんの姿をを見るまで半信半疑だったんです。

午後2時半頃仕事から帰って来て、大急ぎで会場のマルチメディア館に到着すると、すでにリハーサルが始まっていました。

今までHOLLYWOODでゲストDJの方々を招聘したときも、初めて顔を合わせるときは、緊張して圧倒されましたが、それが大人数のバンドで束になってかかってこられると絶句してしまいました。うわ!マジで全員いる!(笑)みたいな。

リハーサルを見れるなんて貴重な機会なんですが、それを全て見てしまうと本番の楽しみが半減してしまう気がして、ホールを出たり入ったり…でもやっぱり見たい!なんてモジモジしていました。

ここでリハーサルの光景をお見せしながら、メンバー紹介をしておきます。




 
バンマスの平戸祐介さん。会う前はクールな方だと思っていたんですが、実際はとても気さくで熱い方でした。バンドリーダーだけあって兄貴的な雰囲気がありました。年明けに発売されるブルーノートのカヴァー集の話なんかをさせて頂きました♪ http://blog.livedoor.jp/unamas1/
  ベースの須長和広さん。なんと僕と同い年!見ての通りイケメンすぎて、変に緊張して喋れませんでした(笑、同性なのに)。マイルドで優しい雰囲気を持った方でした。ちなみに須永さんはaikoさんのベースも掛け持ちしていて、紅白にも出演するそうです(紅白って!)http://ameblo.jp/kazz66/


 
ドラムの奥津岳さん。終始穏やかでニコニコしている方で、何となく母性本能をくすぐられるというか、カ、カワイイ…(笑)。ちょっぴり天然な感じで(失礼!)メンバーの中では「愛すべきいじられキャラ」に見えました(笑)。本番の平戸さんのMCでもありましたが、最近インフルエンザから復帰したばかりで、他の地域のライブでは代打を頼んだくらいだったそうで…。   パーカッションの松岡"Matzz"高廣さん。メンバーの中でも輪をかけて気さくな方でした。唯一DJをやってらっしゃいます。ライブ終了後の打ち上げでは、製作秘話やDJの話、ジャズの話etc...なんかをたくさんして頂いて本当に嬉しかったです。今度HOLLYWOODにもDJで呼べたらなあ…。
http://matzz.blog104.fc2.com/


 
サポートホーンセクションの左からサックスのmotchさん( http://ameblo.jp/motch1017/page-2.html#main)と、トランペット佐々木さん。motchさんはこのツアー当初から参加されていて、佐々木さんはつい最近から加入したそうです。お二方とも親しみやすい上に、酒が強い!(笑)。ちなみに佐々木さんはこの前のMステにSuperflyのサポートとして出演していました(!)。

上記に掲載したみなさんのブログでは感動的な別海レポートが掲載されていますので読んでみてくださいね!



さて、そうこうしているうちに開場の18時になってしまっていて。実は今回、開演までの会場内BGMを僭越ながらも僕が担当させていただいていたのですが、CDのエラーか、音が飛びまくり使い物にならない感じで…。けっこう凝って作ったんですけど…。無念…。でもロビーではしっかり流れていたんで救われました。

お客さんがゾクゾク入場していますが、客層は小学生から年配の方まで、年の差60歳!?ってくらいで、まさに老若男女。本当に幅広い感じです。

僕はいざ、席についても全然落ち着かなくて無駄にキョロキョロして完全挙動不審(笑)。5分経つのが20分くらいに感じられました。

ライブ開始はまずピアノの平戸さんが登場し、『Take The New Frontier』を弾き始め、そこから次々にメンバーが登場し、音数が増えていくという何ともニクいオープニング演出。この時点で完全掴まれました…。

リハーサルとはうって変わって、全員スーツ着用。Matzzさんはグラサン着用でまるで映画『レザボア・ドッグス』の登場人物のよう(笑)。恐ろしくカッコイイ。ステージバックにはプロジェクターで映し出されたアルバムジャケット。メンバー全員が出揃った時のあの圧倒的にスタイリッシュなビジュアルにすでにやられてしまった人は多かったんじゃないでしょうか…。

この会場は全面にシートが備え付けられている、コンサートホール的な作りになっているので、最初は座って聴いていましたが、『oneself-LIKENESS』から『The Man From Nagpur』のDJでいう「鉄壁のつなぎ」を目の当たりにしたら、もうダンスしたくてウズウズしてしまって…。

そうしたら、友人のAちゃんとHちゃんが先陣をきって立ち上がってくれたので、僕もそれに乗っかってエイヤ!と立ち上がりダンスし始めました。あとでAちゃんに「圭一君が先陣切らないでどうするんですか!!」と怒られましたが、確かにその通りです…。

それを皮切りに他のお客さんも徐々に立ち上がりダンスし始めたのですが、これがクラブならともかく、さっきも言った通り、客層は下は7歳、上は70歳なんですよ?周りを見たらそんな人たちがquasimodeの演奏に合わせて手拍子をし、体を揺らし、狂喜乱舞しているんですよ?

僕の後ろに座っていた、HOLLYWOODスタッフの伊藤君なんかは、最初は「俺、ジャズって聴かないんだよな〜」なんて抜かしていましたが(笑)、蓋を開ければ「圭一君!これはマジでやばいっすよ!!うひゃ〜」なんつて一番はしゃいでいる始末。 『Young Black Horse』の時なんて完全にイッちゃってました(笑)。

あと、例えば僕の近くで恥ずかしそうながらも一生懸命踊っていた、年の頃中学生くらいの男の子。

今回のライブに使用した楽器のいくつかは、地元の中学校から借りてきたもので、そのため、その中学校の吹奏楽部の部員さん全員を無料招待していたのです。

その男の子がその中の一人だったかどうかは定かではありませんが、自分たちが普段使ってる楽器をプロのミュージシャンが使っていて、しかも目の前でこんなにもカッコいい演奏をしてるって、相当な衝撃だと思うし、自分もああなりたいとか間違いなく思ってるはずなんですよ。そういう風にジャズの洗礼を受けるってすごくないっすか!?

それに年配で熟練のジャズファンの方達もけっこう見受けられましたが、そういった方達にはクラブ・ジャズの「ジャズで踊る」っていう概念がなかなか受け入れられないのが現実で…。ゆえにそういう方達を納得させ、あろうことか躍らせるなんて、そう簡単なことではないんです。世代間には大きな隔たりがあるジャズ・シーンですが、今この瞬間は、年配の方達も僕みたいな若造ジャズファンと一緒に踊り、同じ楽しみを共有し、確かに繋がっている…。

こんな光景を目にしてしまったら、目頭が熱くならないほうがオカシイ。敢えて言いますが…だってジャズですよ?しかもインストの。

曲間のMCで平戸さんもMatzzさんも言っていましたが、ジャズと聴くと、どうしても敷居が高い、難解な音楽っていうイメージがあって、ジャズのコンサートに行く前にはそれなりのお勉強をしておかないといけない…みたいな感じがあると思うんですが。僕たちはそのイメージををどうにか壊したいと。

なんかいいメロディだな、とか、なんかノリがよくて体が動いちゃうな、とか、それだけで十分だと。

クラブ・ジャズ系のバンドにしてもDJにしても、みんなこういうことは一貫して言っていて。でもそれを真の意味で、今この場で実践してみせているquasimodeって本当にすごいと思うし、音楽の凄まじさを実感せずにはいられませんでした。

しかも、例えば「流行のJ-POPをジャズ風にアレンジしてみました」とか「時節柄、クリスマスソングもやってみましょうか」なんていうしょーもない“ウケ狙い”は一切なしで、自分たちのスタイルをただ貫いているだけっていうのもカッコイイ。だって「最もスタイリッシュで、最も挑発的」なんですから。要はお客さんに「迎合する」んじゃなくて、「接点を探す」ってやつですね。

メンバーのみなさんも終始気持ちよさそうにニコニコ演奏していて、お客さんとの距離も近い感じでした。

平戸さんの「別海は海産物がおいしいですね〜」なんていうMCに、最前列にいた坊やが「牛乳もあるよ〜」なんていう微笑ましい光景も見れたくらいにして。

その平戸さんのMCも滑らかでしたね〜(前に沖野修也さんのブログで平戸さんのMCについていろんな意味で絶賛(笑)されてはいましたが…http://ameblo.jp/shuya-okino/entry-10178337764.html

しかもこの日がツアーファイナルということで(僕も全く知りませんでした…)おそろしく気合いが入った、まさに熱演。

ライブも終わりに近づいてくると、120人近いお客さんが総立ちになっていました。本当ありえない…。

最後の曲で最新アルバムのリード・トラック『Finger Tip』(とんでもないグルーヴ!)がものすごい盛り上がりで終わっても、拍手はなりやまず、自然とアンコールへ突入。あー楽しい…。楽しすぎる…。

そこでプレイされた『The Land Of Freedom』のMatzzさんのCandidoばりのパーカッション・ソロはみんなの目を釘づけにしていたし、motchさんの爆裂ソロで見せてくれた熱〜いブロウもすごい歓声でしたね。

個人的にはこの時motchさんが一瞬『Dance Of The Little Children』のフレーズを挟んだ時ムチャクチャアガりました。motchさんは実はこの時サックスを吹きながら思わず泣いてしまったそうです…(!)。

そんな怒涛のライブが終了した後も、メンバーのみなさんはすぐさま物販ブースにかけつけ、即席のサイン会&握手会。こういう試みって本当リスペクトします。

そこにお客さんが興奮冷めやらない感じで、行列を作っていたことがこのライブの盛況さを物語っていたと思います。CDショップ「ぴっくあっぷ」の奥山さん曰く、用意したCDは完売だったそうで。

その列に並んでいた、ピアノを習っているという小学生の男の子はメンバーを目の前にして感激して泣いていましたからね〜。すばらしすぎる…。

今回、この企画を立ち上げ、見事大盛況のうちに終わらせた、奥山さん、前田さん、広島さん、加藤さん、マルチメディア館とオーレンスの職員の方々には、敬服せざるをえません。僕なんてほんのお手伝い程度の協力しかできなかったのに、リハーサルから打ち上げまでご同行させていただいて、たくさんいい思いをしてしまって…。本当に感謝です!こういったライブは初の試みで、開催までの苦労は計り知れないほどのものがあったと思いますが、是非来年もやりましょう!今回来て頂いたお客さんは来年も見たい!って絶対に思っているはずですから!

僕も今回、圧倒的なライブと、メンバーのみなさんの素晴らしいお人柄を目の当たりにして、これは生半可な気持ちじゃなくて、自分の全てを賭けてでもquasimodeをサポートしたいと思いました。こういうバンドが売れなきゃ日本の音楽シーンなんていつまでたってもダメっすよ!

今回残念ながら来れなかった人は来年、別海から遠く離れた町でこのHPを見てくれている人は、近くでライブがあれば、是非行ってみてくださいね!

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