VOL.1〜「男は誰でも女好き」

 …スイマセン。今月いくらなんでも自分書きすぎですね…でも、これ去年からずっとやりたくてしょうがなかったんです。去年「UKニュー・レイヴ」と「USヒップホップ」がハズレなし!っていうのはプレイチューンにも書きましたが、それと同じくらいハズレなし!だったのが、ガールズ系のインディーポップ・バンドで。これをどうしても取り上げたかったもんで。

 毎月ラウンジでかけながら、お願いだから早く日本発売してくれ!!と星に祈りを捧げ続けている我がアイドル「THE PIPEETS」(最高!最高!最高!)を筆頭に、ニューイヤーパーティーでもかけた「THE LONG BLONDES」に「LADYFUZZ」に「LOVE IS ALL」のガーリィー・ポスト・パンク御三家。他にもラウンジでよくかけている「THEORETICAL GIRL」に「CLENT」に「LUCKY SOUL」に「BLACK BLACK」…とまあ書ききれないんですが、ブリットポップ全盛時にはエラスティカやスリーパーが出たように、そして平安時代には清少納言と紫式部が台頭したように(笑)「いいシーンが育てば女の子が活躍する」という法則(by俺)を裏切ることなく、ここに出たバンドは、どれもこれもハンパじゃなくクオリティーめちゃ高いんですよ。

 だが、しかーし!毎月 2曲というお約束のプレイチューンではとうてい紹介しきれず、去年紹介できたのもアニーとリリー・アレンと、UFFIEぐらいなもの。ああ、もっと紹介したい!という想いで悶々としながら、あれ?オレってば、そもそも女の子が歌ってれば全てオッケーなのかも、という基本的な疑問にぶつかり、そういえば、高校の時からザ・スミスよりフェアグラウンド・アトラクションのほうが実は好きだったな、フリッパーズよりピチカートが好きだったし、DJやる前から60年代のガールズ・ポップの7インチとか無条件に買いまくってたよな…そもそもカーペンターズとかヴァネッサ・カールトンとかポップスが大好きだしなぁ、などと考えてるうちに、これら全部を無理やり「ガーリィ・ポップ」と総称して好きなだけ紹介できないか、そしたらプレイ・チューンにも余裕ができるし…という「テメーでホムペ作れよ」っていうぐらいの動機なんですが、少なくともTHE PIPEETS(最高!最高!最高!)が日本盤になるまでをメドに、不定期にでも、普段紹介しきれない「ガーリィ・ポップ」を好きなだけ紹介したい、そして「男性にとって女性とはなんぞや?」という根源的な問題に肉迫していきたい(これは今思いついただけ)という大変重要かつ、意義深い連載として、今後も続くであろう長きハリウッドの歴史に名をとどめようと(汚名かもしんないけど)…実際にハリウッドホムペを作ってる山本圭一君には完全に無許可でこの連載を立ち上げることを勝手に決意した次第です。パチパチ。ありがとう!!

 …さて、誰も望んでない連載の決意表明はこれぐらいにして、そもそもねー、プレイチューンにも書いたけど、なんでこのへんのバンドって日本盤出ないの?ユーロの高騰なのかどうか知らないけど、メジャーレーベルから出てるものは安いけど、amazonやHMVでも扱われてないインディー系のCDは高すぎる!マジで2790円とかさ、送料含めたら邦楽のCDと変わんないじゃん、解説はともかく対訳もないのに(そういえば、みんな歌詞とか対訳とかって、あんま読まないのかな?俺はいまだにすっごい読むんだけど。高校生の時とかレンタルしても歌詞と対訳だけは全部コピーしてたし。英語の成績あがるし)しかもリリースが遅い!!とにかく遅すぎる!!が、しかーし!そんな苦境の中でもラフトレード・ジャパンはやってくれましたよ!パチパチ。THE LONG BLONDESのデビューアルバムが、ほぼ一ヶ月程度の本国差でここ日本でもめでたく発売されました!!なんでもウチのスタッフでCDショップを経営する奥山さんが言うことにはラフトレード・ジャパンで独自にリリース配給をガンガン決められるらしく、さ−すがだねっ我が青春のレーベル、ラフトレード!!この調子でHALF COUSINとか完全限定アナログものもガンガンCD化しちゃえ!!いえーい!(飲んでますけど何か?)

 しかし、この連載始めるのにはまさにうってつけですね、 THE LONG BLONDES。さっき言ったポスト・パンク御三家の中でも一番ポップ・ポテンシャルが高い。ジャキジャキにカッティングするギターはまさにポストパンク!だけど、曲はめちゃくちゃポップ!なかには「これってアバじゃん!」っていうコテコテの転調もアリ。全曲マジで捨て曲なしの超ポップ。そんでもって歌詞!!もう先行シングルM2なんてボロッボロのモータウン・ビートに超ポップなメロディーを乗っけて「君は19歳、まだ19歳なんだよ/ボーイフレンドなんていらないじゃないか/キッチンのシンクで手を切ることなんてないんだよ/彼が君にしたことと/君が彼にしてあげたことよく考えてごらんよ」って、もう…36歳のジジイを泣かすんぢゃねーよバガヤロ!!こういう「お姉さん目線」のバンドで救われる女の子って向こうにはいっぱいいるんだろうなぁ。THE LONG BLONDESのデビューアルバム、完全に「買い」です。


  …ところで「救われる」ってことで連想してしまったけど、日本だといまだに椎名林檎に救われてる子っていっぱいいるんだろうなって思いますね。そりゃーいつ聴いてもモロにJ−POPで耳障りな亀田誠治のプロデユースに言いたいことは山ほどあるぜよ!けどさ、こうやって毎回出すたびにヒット・チャートに名を連ねてるってことは、日本中であんま音楽興味ない子でも椎名林檎は耳にしてるわけでしょ。そんでヘッドホンつけて大音量で聞いて気持が解放されて、今日を頑張る子っていっぱいいると思うですよ。授業でリクエストしてても、毎年各クラスに必ず熱狂的なファンっているし。そんで、リクエストって無記名なんだけど、どの子が椎名林檎がリクエストしてるのか、一発でわかるのね(この商売長いもんで…)特徴はとにかく頑張ってる子。暗くはないんだけど、なんか自分の全てを学校生活では放出しきれてない感じ。なんかを内に秘めてる感じはして、それでも周りを傷つけたりしないで頑張ってる感じの子、に多い(偏見じゃなくて本当にそうなんだって)。どっちかというと椎名林檎が好きっていうより、「椎名林檎が好きな子」が好きなのかもしれないオレ(とか言いながら椎名林檎ほとんど買ってるんですけどね)。

 …でも、あれだけ洋楽聴き倒して、地位も金もある人がナイジェル・ゴドリッチやデイヴ・フリッドマンとかにプロデュース頼むのなんて簡単じゃないですか。それをあえてやらないでJ−POPの土俵で結果出してるのって、彼女なりの「決意」だよなって感じがして。あと、最近減ったけどクレジットに「声ヴォイスと激怒ピアノ」とか「惨劇プログラミング」とかさ、今回のシングルの歌詞でも「然様なら」で「さようなら」とか…ぶっちゃけ「ちょっとイタい」じゃないですか。でも倖田來未とかもそうだけど、カリスマって多かれ少なかれ「ちょっとイタい」んじゃないかなって。そういう引き受け方って潔いよなって。本人がテレビに出てインタビュー答えたりすると、すごい気ぃ遣って明るくしゃべってんのがありありと見えて、いまだにハラハラしちゃうんですけど(結局はファンなんです…)。

 …なんか褒めてんのか貶めてんのかわからなくなってきましたが、このニューシングルは本当にひさびさ…東京事変「遭難/ダイナマイト」シングル以来の素晴らしさです。1曲目の「この世の限り」はいっさいディストーション・ギターも変妙なアレンジもなし、ディズニーランドでかかりそうなくらい超ビッグバンド・アレンジのジャズ。2曲目の「錯乱」にいたってはまるで LECI BRANDAOのようなジャズ・サンバ。双方のファンに怒られることを承知でいえば、1曲目がクボタタケシさん、2曲目を須永さんがかけてもおかしくないほどの出来映えです。このシングルも完全に「買い」です。


 さぁ、この勢いで aikoもいっちゃおうかなー!今まで言わなかったけど(言う必要もないけど)好きなんだよaiko。声も顔も服装も好き。そりゃーモロにJ−POPで耳障りな島田昌典のプロデユースに言いたいことは山ほどあるぜよ!(こればっか)。特にアップテンポな曲でのギターの音色はかなりキッツい!!…けどね、ギターが鳴ってない、ほとんどピアノ弾き語りで録った曲は全部名曲だから。有名どころだと「カブトムシ」でしょ(これは日本歌謡史に残る大名曲!)…あと去年出たアルバム「彼女」に入ってる「瞳」もaikoファンには有名なエピソード付きで(aikoの友達に赤ちゃんが生まれたときに捧げた曲。その子の名前も「瞳」になったっていう…エエ話や!)これもまた個人的にオザケン「天使たちのシーン」と肩を並べる祈り系の名曲。いやーこの前の「彼女」っていいアルバムなんだよ…そりゃDJではかけないけどさ、家ではね、一時期毎日聞いてて。「がんばっていきまっしょい」で流れた「キラキラ」も入ってるし、「ひとりよがり」と「あられ」の必殺のバラードも入ってるしさぁ…とか、もうこのへんでパーティー来てくれてるお客さんはすでにドン引きしてると思うので、最後に個人的にaikoの一番の名曲を!!これは本当にいい!とにかく聴いて!シングル「あなたと握手」のカップリングの「水玉シャツ」!!いつもよりキー低めで歌うaikoの声も最高なら、このまるで50年代のロッカ・バラードのようなコード進行も最高!!くわえて歌詞が…(号泣)というわけで、どうしてもギターが気になるのでアップテンポの曲が好きじゃない(ギター鳴ってないアップテンポ「POWER OF LOVE」は好きだけど)=どうしてもダウンテンポの曲にかたよる=どうしても失恋ソングが多くなってしまうという推し方になってしまいましたが、「aikoが好きな子」も僕は大好きです。これも商売柄ですがaikoが好きな子は共通して、優しくおっとりした子が多い(ので男子の人気も高い)。まぁどっちのファンでもオッサンはいいんだけどね。フッフッフッ(バカ)。

 というわけで、まだまだ紹介し足りないガーリィ・ポップ!!次回は最高のセカンドアルバムを出した「ガーリィー」ならぬ「カーリィー」!!の野本かりあの新譜などを紹介しつつ、「そもそも男があこがれるガーリィとは?」という話まで(これは今思いついただけ)展開したいと。とにかく THE PIPEETS(最高!最高!最高!)が日本盤になるまで、ガーリィー普及活動を続けますから。パチパチ。ありがとう!!そしたら圭一、このページ確保しといてね。


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