魔法少女リリカルなのはA's ウインドウイング 
〜Prologue〜


「はぁ、随分と長くかかっちゃったわねぇ」

暗闇の中を緑色の光を放ちながら高速で飛行するもの
自身に不可視の魔法をかけているため他人に見られる心配はない
黒きローブに長い緑色の髪、そして片眼鏡(モノクル)の姿
この世界でいくつかある魔法使いを束ねる組織の一つ、ギルドと呼ばれる長であり
長でありながら自ら動きこの世界を守るもの

雪村瑞穂

それが、このものの名前
此度もギルドが感知した異常を解決に行った帰りであった
だが、ある町の上空を通りがかった際に瑞穂は違和感を覚える
そこに確かにあるはずなのだが、目視できない
だが、意識を集中しそこを探索すると・・・

「これは結界ね・・・。しかも中でなにか、しでかしているわね」

結界から漏れる微弱な魔力の残滓から異常を感知した
結界の境目に近づき、中にいるものに気づかれないように空間魔法を使う

「極矮小型結界発動、対象結界に割り込み、空間魔法スルーゲート!」

結界の境目にもう一つ球状結界を作り、その外側と内側を繋ぐゲートを作り出した
中に入り込むと同時にすぐに悟れないように結界を解く

「なによこれ・・・」

中に入って状況を確認して目を疑った
まだ、小さい女の子が3人、男の子が1人
女性が1人、そして、狼らしき犬型が2匹
これらが戦っていた
勢力関係をすぐに確認
怪我を負っているツインテールの女の子と黒い服装をしている同じくツインテールの女の子
マントを付けた男の子、緋色の毛並みをした狼のグループ
真っ赤なドレス状の服装をした女の子、白を基調とした剣を持つ女性
そして、蒼い毛並みをした狼のグループ
仮に前者を魔法をメインとした戦いをしているのでグループM
後者を武器を使用した戦いをしているのでグループWと区分した
戦況はグループWが優勢・・・というか
一方的な戦況となっている

「この場合、Mの方を救援必要と判断。Wの戦闘停止を開始」

状況は双方ともに一対一の情勢
瑞穂は状況が劣勢の所から救援に入った

「まずは、黒い女の子から!」






黒き雷の魔導師は苦戦していた

今も剣を持つ女性から攻撃を受けなんとか防御魔法で防いだが
吹き飛ばされてしまった
しばらく話しをしていたようだがすぐに打ち合いとなっている

「Nachladen!」

武器になにやら薬莢を入れている

「あれは、魔力弾倉?」

瑞穂の知っているもので薬莢に魔力を詰め込み打ち出す魔力銃というものがある
今のはそれによく似ていた
その間に状況が一変する

「スターライト・・・!!

いつの間にか魔力砲撃を準備していた怪我を負っている女の子の様子がおかしい
胸の辺りからどういう訳か手が伸びている
緊急事態を感じた瑞穂はすぐにそちらに急行する
今までかけていた不可視の魔法を解除し、移動に全力を傾ける
ものの数秒で、女の子に近づきすぐに対処の魔法を発動させた

「発動せし魔の構築を破壊せよ! キャンセル!」

まるではじき出されるように女の子の中から手が抜けていった
それと同時に女の子の持っている杖から凄まじい砲撃が放たれた

・・・ブレイカー!!」

天空へ打ち出されたそれは、周りを覆っていた結界を破壊して突き抜けていった
魔法を撃ちだし、力が抜けて倒れかかる女の子を瑞穂は咄嗟に支える
そこをチャンスと見たのか、紅の女の子が襲いかかってくる

「おぉりゃあああ、なんだお前はぁぁぁぁぁ!」

瑞穂は声の方向を向いて状況確認
ハンマー型武器による打撃攻撃と認識

「あぶない!」

叫びに似た声が上がる
攻撃が瑞穂にあたった・・・
と誰もが思った
その後、敵味方そのどちらもが瑞穂の行動を見て驚く
ハンマーによる打撃を指一本で抑えているのだ

「あ・・・」
「私を退かせたいならば、もっと攻撃の精度を上げなさい。直線的すぎる。高度な防御を持つ者には直線的な攻撃は効果的ではない。だが、それは絶対ではない。攻撃の精度を上げればいつか私に届く」
「くっ!」

紅の女の子は本来、よっぽどのことでなければ自ら引くことはしない気性であるだが
自分の自信のもった渾身に一撃がたった指一本で防がれたのだ
そして、今の一撃でまるで全てを見透かし、諭すような言葉
嫌でも、その実力差を本能的に思い知ったのであろう
そして、そのことは周りにいる味方達にも伝わっただろう
全員一斉に撤退行動に入った
瑞穂は周辺の安全を確認後、倒れた女の子の身体状況を確認する

「魔力生成力が低下、現状状態が継続されると生命活動に危機。体内部に補助的に集魔結界を形成」

応急手当をしているとまわりから女の子の仲間が集まってきた

「助けていただいてありがとうございます」

黒い衣装を纏った女の子が周りを代表して瑞穂に感謝を述べた
その後続けて瑞穂に対して質問が投げかけられた

「あなたは・・・誰なんですか」

「えっと・・・」

瑞穂が答えようとすると、空間になにやら、ディスプレイようなものが現れた

「詳しい話しはこちらにきてから話して貰えないかしら?」

ディスプレイの向こう側には瑞穂と同じ緑色の髪をもつ女性がいた

「状況からすると、あなたが責任者ですか?」

「はい、リンディ・ハラオウンです。結果的にこちらの事象に巻き込んでしまいました。情報を提供する代わりにあなたの事を教えて貰えませんか?」

一言会話を交わしただけなのだが、物腰、表情等々を見たところどうやら信用してもいいと判断した

「了解しました、では、道案内よろしくおねがいします」


To be continued...