午前7時
私は食堂に来ていました
券売機でサンドイッチセットを買って食堂のおばさんの所へ
「はい、サンドイッチセットね」
かえで「ありがとうございます」
適当に、座って食べ始めるとあることに気づきます
食堂の一角
そこが空いているのです
朝食を取る生徒で賑わっているのにもかかわらず
その疑問は、すぐに取り払われます
宮沢くんがくることによって・・・
リトルバスターズ
Another miracle
シークレットプレイス=ベストプレイス
5月15日(AMパート)
かえで「なるほど・・・」
宮沢謙吾くん
昨日、直枝くんが教えてくれた『リトルバスターズ』の一員
あれだけ、大騒ぎをしていれば目立ちます
たぶん、ほかの生徒は巻き込まれるのはごめんと距離をおいているのでしょう
でも
私はその人達と話をしたいと思っています
どんな人なのか
私は知りたいのです
数分もすると、すっかりいつものメンバーがあつまって食事をしていました
本当に仲がいいように見えます
たぶん、誰にも断ち切ることの出来ない絆があるのでしょう
かえで「さてと、私はお先に教室に向かいましょう」
一足さきに教室について、物思いにふけっていると
なにやら、外が騒がしい様子
かえで「なんでしょう・・・」
席を立ち、窓に向かうと
あのメンバーでした
ふと時計を見るともうそろそろ、HRの時間
どうみても間に合わなさそうです
しばらく見てると、なにやらこの教室の真下に集まり始めました
そして、宮沢くんと井ノ原くんが並び、棗さんが二人の組んだ腕の上に上がります
かえで「まさか・・・」
二人で棗さんを放り投げて、この教室に投げ込もうとしてるのでしょうか
なんて無茶な
止めようにもすでに放り投げる寸前
とりあえず、見守ることに
真人「せーの! いっくぜえぇぇぇーっ!」
謙吾「うぉらああぁぁぁ!」
ぶぅん!
棗さんが宙に放り出されます
かえで「ちょっとこれは・・・」
どうみても高すぎます
屋上を軽く越えていきました
このままでは、教室に入るどころかそのまま地面にたたきつけられます
かえで「全く、世話の焼ける!」
とっさに右手に力を込めます
その力を風に変えて棗さんを下から吹き上げます
真人「うおっ!?」
謙吾「なんだ?」
突然の突風に二人は驚きます
棗さんは風に乗り、落下速度が落ちたためうまく、この教室の窓枠を掴むことが出来ました
かえで「ふぅ、まったく危ないですねぇ」
「席に座れー、出席取るぞー」
棗さんが入ってくると同時に担任の先生が入ってきました
HRが終わるやいなや、棗さんは井ノ原くんを蹴っていました
鈴「思い切り過ぎじゃー!」
かえで「ほらほら、蹴らない蹴らない・・・」
なんだか、棗さんを止める役が板に付いてきました
次の休み時間
次の授業の準備をしていると
直枝くんと、井ノ原くんがなにやら不穏当な会話をしていました
話の内容から、井ノ原くんが直枝くんから辞書を借りていたとのこと
それを今返したと
でも、それが何故ビニール袋に入っているのでしょうか・・・
なにか気になります
かえで「直枝くん、それは一体?」
理樹「えっと、四文字熟語辞典だったもの」
はて、なぜ『だった』なのでしょうか?
かえで「なんで過去形なんです?」
真人「開けてみれば早いんじゃないか?」
理樹「ええーっ?これ、開けるの?」
なんだか、嫌なものの様に直枝くんが開けることに拒否をします
かえで「まぁ、確かめてみましょう」
私は、ビニール袋に入った辞典を開いてみました
・・・
パタン
ガサガザ・・・
かえで「見なかったことにしましょう」
なんだか、本の中が赤とか緑とか白とか・・・・
あぅぅぅ・・・・
理樹「そ、その方が良いね」
と、その時
がらっ、教室のドアが開きました
「やー、おはよう、おはよー」
見たこと無い人がこちらにやってきました
理樹「おはよう、三枝さん」
「真人くんもおはよう」
真人「おう、おはよう」
どうやら、二人とは顔見知りのようです
「んー? 見たこと無い人ですね」
一緒にいた私の方をまじまじと見ています
かえで「初めまして、雪村かえでと言います。先日、転校してきました」
「あー、あなたが噂の」
かえで「そ、そんなに噂になってるんですか・・・」
有名人ということでは、私もこのお二人と同じと言うことなのでしょうか・・・
「まぁ、いいや。私は三枝葉留佳(さいぐさはるか)。以後お見知りおきを・・・なんちゃってね」
かえで「はい、よろしくお願いします」
真人「あと、もうちょっとで予鈴がなるぞ?」
理樹「三枝さん、また遅刻?」
葉留佳「または、余計・・・かな?」
理樹「じゃあ、なんなのさ?」
葉留佳「今日も遅刻なのさっ」
ガクッ
三枝さんの言葉につい、リアクションしてしまいました
どうして、こう、当然のように言ってのけるのでしょうか
分かりません・・・
葉留佳「ところで理樹くん、四文字熟語辞典もってない?」
なんか、あまり思い出したくない言葉が出てきましたね
理樹「持ってると言えば持ってるけど」
葉留佳「じゃあ、貸してくれないかなぁ?」
ちょっと、直枝くん、もしかしてあれを貸すんですかっ?
理樹「そりゃ、構わないけど・・・」
構わないんですかっ!
葉留佳「ありがと、じゃねっ!」
三枝さんは、直枝くんの机の上に置いてあったビニール袋に包まれた四文字熟語辞典を持って行ってしまいました
理樹「なんだったんだろうね」
かえで「なんだったんだろうねじゃありません。どうするんですか」
真人「まぁ、どうしようもないだろ」
それはそうなんですけど・・・
「ほら、席に着け、出席とるぞ!」
次の時間の先生が入ってきました
仕方なく、自分の机に戻りました
三枝さん、ご愁傷様です・・・
お昼休み
今日はうどんにしましょう
席についてうどんを食べていると
また、あのメンバーは同じ場所で食べていました
ほかの生徒もいて賑わっているせいで全部の会話を聞き取ることが出来ませんでしたが
なにやら「メンバー集め」とか言っているようでした
メンバー集め
リトルバスターズに新しいメンバーを入れると言うことでしょうか
何を始めるつもりなのか気になるところでしたが
私には、彼らに割って入るほど絆はありません
もう少し、彼らの事を知ってからでも遅くはないと思いました
昼食を終えたあと
すこし、校舎内を見て回ることにしました
気の向くままぶらぶらと歩いていると
3階の階段付近で直枝くんを発見
ふむ・・・
付けてみましょう
どうやら、直枝くんも誰かの後を追っているみたいでした
4階にあがり、廊下に出るとすぐに戻ってきたので
あわてて、私は階段を飛び降り、直枝くんの死角へ
ゆっくりと角から顔を出すと、直枝くんは立ち入り禁止のバーを乗り越えていきました
しばらくして、私も同じ所へ
見ると、窓が開いていました
なるほど、ここから外へ行ったようです
私も行ってみることにしました
少々段差があったので飛び降りることに
直枝くんに感づかれるとあまりよくないので
着地の際、膝をつかって衝撃を吸収。着地音をあまり出さずに降りました
周りをみると、給水タンクに直枝くんを見つけました
その直枝くんは給水タンクの下の方をのぞき込んでいます
近づこうとしたとき
「わあああああっ、ごめんなさい!」
大声と謝罪の声
・・・あれ?どこかで聞いたような声ですね
かえで「直枝くん、どうかしたのですか?」
理樹「うわぁ!」
突然、後ろから声をかけられて驚いたようでした
かえで「ああ、ごめんなさい。ところでそこに誰かいるのですか?」
理樹「うん、神北さんが・・・」
やっぱり小毬ちゃんでしたか
かえで「小毬ちゃん、こんなところで何やってるんですか?」
小毬「はい?あれ? かえちゃんに・・・直枝君?」
理樹「そうだよ」
かえで「まぁ、とりあえず、小毬ちゃんそこから出てきた方がいいですよ」
小毬「あ、うん」
そういって、出てこようとした瞬間
ガンッ!
あ、やった・・・
小毬ちゃんはおもいっきり後頭部を給水タンクのパイプにぶつけていました
小毬「あぅぅぅ・・・また打った・・・」
また・・・ということは2回目以上?
かえで「小毬ちゃん、大丈夫?でれる?」
小毬「うん〜、ちょっと待って〜」
もぞもぞと給水タンクの下からはい出してくる小毬ちゃん
小毬「あれ?」
理樹「どうしたの?」
なんか、途中でもぞもぞしていました
かえで「?」
小毬「困りました、出られないです」
ふむ・・・
引っ張ってみましょうか
かえで「直枝くん、ちょっと小毬ちゃんを引っ張ってみてくれませんか?」
理樹「あ、うん」
よいしょと、直枝くんが両手をつかんで引っ張ってみました
しかし、出てきません
どうやら、どこかに引っかかっているようでした
直枝くんと、ふたりでのぞき込んでみると
・・・
かえで「直枝くん、見ちゃ駄目!」
あわてて、直枝くんの目をふさぎました
だって、小毬ちゃんのスカートが引っかかってたらしく、それがずり下がって下着が半分見えてました
かえで「こ、小毬ちゃん、スカートが引っかかってるんですよ」
小毬「あー、なるほどー」
小毬ちゃんが手をスカートの方に伸ばし、引っかかってる部分を直す
小毬「んー」
小毬ちゃんは少し考えて
小毬「直枝くん」
理樹「はい?」
小毬「アリクイ?」
理樹「あー、やっぱりアリクイだったんだ」
かえで「ちょ、直枝くん、何言って・・・」
小毬「うわあああん、みられたああああ!」
理樹「だ、大丈夫。半分しか見えてないから・・・・」
小毬「うえぇええん、半分も見られた・・・」
直枝くん、どんどん墓穴掘ってます
かえで「と、とりあえず、もう出られますよね?」
小毬「あうぅぅ・・・」
小毬ちゃんは半べそをかきながらずるずると出てきました
かえで「小毬ちゃん、怪我はありませんか?」
一応、見えてる部分だけ確認するが特に外傷は無いみたいでした
小毬「うん、大丈夫」
理樹「あの・・・神北さん?」
小毬ちゃんはそのまま直枝くんを見つめたままフリーズ
数秒後
小毬「ふえぇぇぇん、もう、お嫁もらえない〜」
小毬ちゃん、逆です・・・
かえで「小毬ちゃん、もらえないじゃなくて行けないの間違いです・・・」
理樹「あのさ・・・、そこまで気にしなくても良いんじゃないかな」
かえで「あなたが言わないでください。見えたにしても見えない振りをしておくものです」
理樹「はい、すみません・・・」
かえで「まぁ、怪我もなくてよかったです」
小毬「じゃあ、見なかったことにしよう」
小毬ちゃんは直枝くんに指さし確認
小毬「見られなかったことにしよう」
今度は自分に指さし確認
小毬「これで万事解決だね」
まぁ、なんと言いますか
ポジティブな人ですね
本人がそれで良いというのですから、良いことにしましょう
小毬「あー、でも直枝君、なんでこんなところにきたの?」
理樹「いや、特に用は・・・」
小毬「それにかえちゃんも」
かえで「私は、そこの下着フェチを追いかけてきたのですよ?」
理樹「なっ? 雪村さん、人聞きの悪いこと言わないでください!」
かえで「冗談です。たまたま、直枝くんを見かけてなにやら誰かを追いかけているようだったので私も追いかけてきたのです」
小毬「そっかー、直枝君って変わった人なんだね」
そういわれて、直枝くんがちょっと落ち込んだ・・・ように見えました
かえで「あ、小毬ちゃん、どうして給水タンクの下なんかに潜ったの?」
小毬「先生か誰かが来たのかと思ったんだよ。それで慌てて潜ったの」
どうやら、ここに来ることが悪いことというのは認識しているみたいでした
小毬「直枝君、好きな場所ある?」
理樹「好きな場所?」
ああ、小毬ちゃんの言いたいこと分かりました
かえで「小毬ちゃん、ここが好きなんですね?」
だから、ここにいる
そう、それは別に変わった事じゃなくて
好きだからここに来る
小毬ちゃんにとってはそれが普通なんでしょう
理樹「僕は・・・、友達のいる場所・・・かな」
小毬「いいな、そういうの。羨ましいな」
あれ?
今、一瞬、小毬ちゃんが悲しげな顔になったような気がしました
気のせいでしょうか?
かえで「でも、ここは立ち入り禁止なんですよね?」
小毬「うん、だから、直枝君もかえちゃんも共犯者」
理樹「いや、随分物騒だね」
小毬「ここ、怒られちゃうからね」
立ち入り禁止の場所に入れば怒られるのは当たり前
だけど、それを告げ口する気にはなれませんでした
だって・・・
本当に小毬ちゃんがこの場所を気に入っている様でしたから
それを奪ってしまうのは無粋というものです
かえで「じゃあ、三人の内緒。ということでいいですか?」
小毬「おっけーだよ。・・・あ、でも一人で出るときはドライバーが無いと入れないよ?」
かえで「ドライバー?」
理樹「さっき、ここに入るときに窓の桟にドライバーあったんだよ」
ああ、そういえば、窓を通るときに見かけたような気がしました
記憶を辿ってみます
窓・・・桟・・・木ねじ・・・ドライバー・・・
なるほど
木ねじは窓を開かないようにしていたもの
その木ねじを外すためにドライバーが必要なのでしょう
かえで「私は、小毬ちゃんがいるときに来ることにしましょう。それなら、ここ開いてますよね」
小毬「うん」
理樹「!」
直枝くんが急に片耳を押さえます
今まで気づきませんでしたが、耳からコードが伸びてます
イヤホン?
理樹「あ、次は・・・最上階〜最上階〜」
急に変な事まで言い始めました
まるで、駅の車掌さんのような口調でした
また、例のメンバーの遊び・・・なのでしょうか?
かえで「・・・」
小毬「・・・」
二人で直枝くんを見つめた後
小毬「やっぱり直枝君って変な人なんだね」
小毬ちゃん、直球を投げなくても・・・
あぁ、直枝くんがへこんでます
小毬「よいしょっと」
小毬ちゃんが先程の給水タンクの段差に腰掛けました
そして、近くにおいてあった袋からお菓子を取り出します
小毬「せっかく来たんだから、二人ともお菓子をどうぞ〜」
そういって、直枝くんにはポテトチップス
私にはチョコパイをくれました
小毬「お茶もどうぞ〜」
紙コップにお茶をついでくれました
小毬ちゃんはワッフルを頬張ってました
直枝くんは小毬ちゃんから大量のお菓子を持って困っていました
私は、そんな二人を見ながらお菓子をごちそうになりました
屋上は、春の陽気にさわやかな風
悪いことをしているはずなのにちっともそんな気にならなくて
友達ってそういう気分にさせてくれるのかなって少し思いました
to be next scene