チュンチュン・・・

かえで「ううん・・・」

どうやら、朝のようです
昨日は来ヶ谷さんとおそくまで話してしまい・・・

かえで「ん?」

なぜでしょう、体が動きません

かえで「んーっ」

身をよじってみても全く動きません

く、苦しい・・・
それに、何かに顔が埋まっています
何かこう、柔らかい・・・なんでしょう・・・

とりあえず、このままだと窒息しかねないので
多少無理をして顔だけでも抜け出しました

そこで見たのは・・・

リトルバスターズ
Another miracle

悪戯とイモムシと喧嘩

かえで「なんで、来ヶ谷さんが私のベッドにいるのでしょうか・・・」

私と来ヶ谷さんは向かい合って抱きつくような状態になっていました
正確には来ヶ谷さんが一方的に私に抱きついているのですが・・・

あれ?
ええと、そうなると、先程、私が埋まっていたのは

来ヶ谷さんの・・・む・・・

ぼむっ!

か、顔が熱いです・・・


えっと・・・
うん、落ち着きましょう

とりあえず、来ヶ谷さんを起こしましょう

かえで「来ヶ谷さん、起きてください」

抱きつかれているので、体を揺すってみますが一向に起きる気配がありません

むぅ・・・

かえで「来ヶ谷さん!、来ヶ谷さん!!」

少し、声を大きくして起こしてみますが、駄目でした

さて、どうしたものでしょうか・・・
このままだと、遅刻してしまいそうですし
朝ご飯を食べそびれるのもちょっと・・・

仕方ありません
強行手段です

無理矢理身をよじってそのまま私の体に巻き付いている腕から下に抜けようとしました
途中、来ヶ谷さんのむ・・・
恥ずかしがってる場合ではありません
胸の谷間を通ることになりますが仕方ありません

少しずつ、下へと抜けていき、顔が胸の谷間に来たときに・・・

ギュッ

かえで「!?」

あたまに腕が巻き付けられ締め付けられました

ちょ、これは・・・

先程より、強く締め付けられているせいで本気で息苦しくなってきました

かえで「んーー!」

唯湖「ふふ、雪村くんは先程から一生懸命で可愛いな」

!?

来ヶ谷さん、起きてたんですか!

でも、顔が埋まっている私はそれを伝える手段がありません

かえで「んー、んーーっ!」

唯湖「そうかそうか、そんなにうれしいか」

さらにギュッと抱きしめる来ヶ谷さん

そんな私はほとんど呼吸ができず、頭が朦朧としてきていました

目の前が真っ暗になっていきます

来ヶ谷さん・・・

ちょっと・・・

やり・・・すぎ・・・ですよ・・・・














私は、来ヶ谷さんと一緒に朝食を取っていました

唯湖「だから、すまなかったと謝っているではないか」

かえで「気を失った程度ですんだから良いですけど、そうじゃなかったらどうする気だったんですか」

すこし、むすっとした顔をして来ヶ谷さんを戒めていました

かえで「ふぅ、それにしても、来ヶ谷さん、どうして私の部屋にいたんですか?」

唯湖「夜這いだ」

かえで「ぶっ!」

思わず吹き出してしまいました
朝から、この人は何を言い出すのでしょうか
本気でこの人と会うときは警戒しないといけないのでしょうか

かえで「ん? あ、あの・・・来ヶ谷さん。私が寝ている間に何も・・・してませんよね?」

ふと、とんでもないことを想像してしまいました

唯湖「さぁ、どうだったかな?」

かえで「ちょ・・・、私、なにか大切なものを奪われたんでしょうか・・・」

さらに色々想像して、顔が真っ赤になってしまいました

唯湖「ふっ、冗談だ」

かえで「来ヶ谷さんの言うことは冗談に聞こえませんよ・・・」

なんか、朝から来ヶ谷さんに弄ばれてしまいました








朝のHR終了後の教室

席に座って、ぼんやりしていると
教室のドアが開いて
三枝さんが入ってきました

葉留佳「やーおはよう、おはよー」

元気に挨拶しながら、直枝くんの所に向かっていきました

遠巻きに聞いていると、三枝さんはどうやら、一時限目をサボるみたいでした

当然のように言い放つ三枝さんに少し、お節介を焼こうと私は直枝くんの方に

かえで「駄目ですよ、ちゃんと授業に出ないと」

葉留佳「あー、かえちん、おはよう」

かえで「はい、おはようござい・・・って誰がかえちんですか」

葉留佳「かえちんはかえちん。あれ?名前違った?」

かえで「いえ、違ってはいませんが・・・もう良いです」

怒る気が失せました

「全く成績のことを考えない恐ろしい女だぜ」
とか
「井ノ原並だな」
とか、周囲から聞こえてきました
それを聞いた二人はなぜか嬉しいそうです

葉留佳「ねね、私、誉められてる?誉められてる??」
真人「いやぁ、照れるぜ」

理樹「いや、ふたりともそれおかしいから」

まったく、この三人を見てると飽きません
ネガティブなんて言葉なんて無いんでしょうね

かえで「それで、三枝さん、何のご用ですか?」

葉留佳「うん、今朝、この教室はどうだったかなーって」

まさか、三枝さん。
なにかしましたね?

理樹「今朝の教室?なにかあったの?」

ふと、井ノ原くんの方を見ると、なにか怪訝な顔をしていました

かえで「井ノ原くん、なにか知っているんですか?」

真人「まさか、扉にゴムひもで黒板消しをくくりつけて、床に幾つも水の入ったバケツをおいたのはお前か!」

それ、なんのトラップですか・・・

葉留佳「いやー、そのー、ナンダ、えっとそれはワタシの仕業じゃありませんヨ?」

三枝さん、すっごい棒読み
その口調じゃごまかしてませんよ・・・
そして、本当にこの人は悪気がないんですね

かえで「それ、井ノ原くん引っかかったんですか?」

真人「いや、俺は濡れ衣を着せられただけだ」

かえで「誰に?」

井ノ原くんが目線を私から反らしました
その先には珍しい光景が

謙吾「お前か・・・」

制服姿の宮沢くんがいました

えっと・・・
なんていうか・・・

そっちのひと?

話によると宮沢くんは
三枝さんの仕掛けたトラップに引っかかり
朝から、剣道着を洗う羽目に

それを手伝わされた井ノ原くんが腹を立て、洗剤を宮沢くんの頭に

結果、着る服が制服しかなくなり今に至るとのことです

かえで「それで、なんでこんな仕掛けをしたのですか?」

葉留佳「実は・・・」


昨日の放課後、仕掛けの実験をしようと設置したのだけれど
誰も来ないのでそのままにして帰ってしまったとのこと

それを朝一番に来た、宮沢くんが運悪くかかってしまった

それが事の顛末のようです


そんなこんなしていると、またもやガラッと教室の扉が

「三枝葉留佳!バケツを寮長室から持ち出してそのままなのはあなたでしょう!」

大声を上げて、こちらに近づいてくる女生徒
どうやら、一年生のようですが、三枝さんに威圧的に言葉を投げつけてきます
ふと、腕の腕章を見ると赤地に白文字で『風紀委員会』の文字

ああ、なるほど

と、いつの間にか、三枝さんは直枝くんの後ろに隠れています
そんなことをしても無駄なんでしょうけども
案の定、お下げが見えているという理由であっさり見つかってしまいました

風紀委員「ほら、今日も清掃のペナルティがあったじゃないですか!」

葉留佳「えっと、ほら、私は色々と忙しいのですヨ」

ああだ、こうだと風紀委員さんと三枝さんが言い合っています
なんだか、ヒートアップして来ているので
双方の為にちょっと、戒めておきましょう

かえで「はいはい、ストップしてください」

三枝さんと風紀委員さんの間に入ります

風紀委員「なんですか、あなたは」

三枝さんと言い合っていた勢いで先輩であるはずの私に少々口調がきつくなっています

かえで「私は、雪村かえでです。少し落ち着いてください。ここはあなたと三枝さんしかいない訳じゃありません。そんなに大声で言い合っていては他の人に迷惑です。風紀委員ならばそういったところも考えて落ち着いて行動すべきです。あと、先輩に向かってそういった口の利き方はあまり誉められたものではありませんよ」

葉留佳「そーだそーだ」

三枝さんは、風紀委員さんが私に言われているのを見て虎の威を借る狐のようにそうはやし立てます

そんな三枝さんに私は

かえで「三枝さんもあまり人の迷惑になることをしちゃ駄目ですよ。皆が笑ってすましてもらえる程度のことならば構いませんけど、今回はちょっとやりすぎましたね。素直にペナルティを受けることを後々のことを考えるとお勧めします」

葉留佳「うー、かえちん、先生みたい・・・」

先生みたいな役割にさせたのは誰ですか、全く

かえで「そんなわけで、風紀委員さん。三枝さんをお願いしますね」

風紀委員「あ、はい。分かりました。それと、先程は失礼しました」

かえで「いえいえ、お仕事頑張ってください」

ペコッと頭を下げる風紀委員さん
どうやら、分かってくれたようです

三枝さんはその後、ずるずると風紀委員さんに連れられていきました
途中、「かえちんの裏切り者」〜って聞こえましたが・・・
・・・自業自得ですよ








授業の合間の休み時間

直枝くんがなにかきょろきょろしています
窓の外を見たり、何かをしようとしていました

そこで、思い出したことが・・・

かえで「課題・・・ですね」

昨日、直枝くんと棗さんが見ていた課題

『校門のイモムシ問題を解決せよ』

直枝くんはそれが気になっているのでしょう

そんな事を考えていると直枝くんは携帯をみると慌てて教室から出て行きました


真人「どうしたんだ、理樹のやつ・・・」

かえで「なにか、あったんですか?」

私はどうしても気になり、井ノ原くんに聞いてみました

真人「ああ、携帯のメールみたら、やたらとあわてて飛び出していってな」

かえで「どこへ行ったか分かりますか?」

真人「さぁ。でも、気になるからこれから追うところだ」

かえで「私も一緒に行きます」


井ノ原くんと一緒に教室をでた私は、井ノ原くんに校門に行ってみましょうと提案しました
課題の内容からすると、二人の行き先は校門で間違いないはずです

校門につくと、案の定、二人はそこにいました

真人「なんだ、理樹と鈴の対決じゃなかったのか」

理樹「そんなこと言ってないで真人も手伝ってよ。あと、雪村さんもお願いできるかな」

直枝くんの指さす木にイモムシが一杯いました

かえで「これは、また沢山いますねぇ・・・」

そこまで言って私はふと思い出します

『この課題を手伝ってはいけない』と

私は迷いました

手伝っても良いものかと
そもそも、手伝っていけないとは私が直感的にそう思っただけで従う理由はありません
でも、なぜか、手伝ってはいけない・・・
そう誰かが言っているように思うのです

しかし、この沢山のイモムシを3人で処理させるのは大変そうです

私は、こう考えてみました

手伝っていけないのは、主体的にであって
課題をこなすための方法を見つけた二人からの依頼であれば
問題ないのではないかと・・・

とりあえずは、この理由付けで自分を納得させました

かえで「分かりました。お手伝い、させてもらいますね」

真人「オーケー、俺に任せろ」

井ノ原くんはイモムシのいる木にタックルをしました
木の下に棗さんがいるのに・・・

案の定、イモムシは落ちてきました
棗さんに・・・

鈴「下に私がいるのに何してるんじゃぼけー!」

棗さんに蹴られている井ノ原くんがそこにはいました

かえで「周りを確認してからやりましょうね、井ノ原くん」

真人「はい、そうですね・・・」




しばらくそんなことをしていると
用務員のおじさんが段ボール箱と虫取り網を持ってきました

どうやら、私たちが来る前に直枝くんたちが手配していたようです

私たちは、休み時間をまたぎイモムシを捕りました
すべてのイモムシを取り終えたあと、それを裏山に放しに行きました

鈴「ばいばい」

棗さんが、イモムシに別れを告げていました


校門に戻ると、その木の下にすでに数名の女生徒がいました

タイミング的に考えて、きっとどこかで見ていたのでしょう
人に嫌なことをさせておいて、当然のようにそこに居座っているのを見ると少々気分が悪くなりますが
横にいる棗さんがなぜか嬉しそうにしているのを見るとそんな気分もどこかへ行ってしまいました

さて、あまりここに留まっていてはいけないようです
早々にこの二人から離れることにしましょう

かえで「では、私は一足先に戻りますね」

理樹「雪村さん、ありがとう。ほら、鈴もお礼言って」

鈴「・・・・ありがとう」

かえで「どういたしまして」

恥ずかしそうに俯いたままでしたがちゃんとお礼をいただきました
初めてあった時から比べると、少しずつ女の子っぽくなってきたようです
まぁ、リトルバスターズのメンバーにはいつものようですけども



次の休み時間、棗さんと、直枝くんがいつの間にか教室からいなくなっていました
どうやら、次の課題を確認に行ったようです
次の課題が一体どんな課題なのか
私には知るよしがありませんが、もしまた直枝くんたちから要請があるならばお手伝いすることにしましょう
それまでは、二人だけで頑張ってもらいましょう


その次の休み時間

棗さんが、机に向かって何かを作っていました
ちょっと盗み見してみると、なにか表らしきものでした

一体なんの表か皆目検討もつきませんでしたが
一生懸命作っている棗さんを見て、どうやら、課題のようです

かえで「頑張ってください。私の力が必要なときは言ってくださいね」

そうつぶやくと、私は次の授業の準備を始めました




かえで「ふぅ、昼休みですね」

自分に確認するように言ってから周りを見てみると

また、井ノ原くんと宮沢くんが喧嘩を始めようとしていました
それを直枝くんが一生懸命止めています

理樹「ふたりとも、喧嘩するなら恭介の決めたルールに則らないと」

ルール
先程、クラスの男子に聞いたのですが
直枝くん達の中・・・つまりリトルバスターズの中では棗くんが決めたルールに則って戦うのだそうです
詳しいルールは、よく分かりませんでしたが、つまるところ大きな怪我をしないようにという棗くんなりの配慮のように思えました

でも、今のこの二人にはルールなんてものは頭の中にないようでした

必死の直枝くんを尻目に一触即発の状態の二人

自分の手に負えないと判断した直枝くんは教室を出て行ってしまいました
どうやら、棗くんを探しに行ったというところでしょう

さて、私はこの二人が大けがをしないように見張ることにしましょうか

このまま、二人はここで喧嘩を始めてしまうのかと思いましたが
どうやら、体育館に移動するようです

野次馬に混じって私も体育館に移動しました

二人の周りを野次馬達が囲っていました
その中央で、井ノ原くんと宮沢くんはルールに則らずに喧嘩を始めようとしていました
ルールに則らないと言うことは、二人とも自分の得意な武器で戦うと言うことでした
井ノ原くんは素手
宮沢くんは竹刀

実力は伯仲と言ったところ
その証拠に、二人とも互いの攻撃がなかなかあたりません
そうなると、体力の差か、或いは互いに互いの予想を超えたものを出さなくては勝つことが出来ません
前者の場合はまず無いと思いました

それは、井ノ原くんはあの体格に、直枝くんから聞いた話だとほぼ毎日筋トレをこなしているとのこと
そして、宮沢くんも毎日、部活の剣道をしているとのこと
体力については二人とも拮抗していると言えるでしょう

そうなると、勝負を決するためのファクターは後者
しかし、それは予想し得ない危険を孕んでいるとも言えます
私は、それが起きないようにし、必要であれば間に入ろうと思っていました

しかし、それは取り越し苦労に終わることになりました
そう、棗兄妹が体育館に到着したからです

棗くんのリトルバスターズにおける影響力はかなりのものなのでしょう
言葉一つで、二人の喧嘩が終息してしまいました

野次馬達も三々五々体育館から去っていきます

ぐぅ〜

かえで「ん!?」

急におなかの虫が鳴りました
そういえば、お昼ご飯をまだ食べていませんでした
知らない間に緊張していたのか、その糸が緩んだとたんに体の欲求が現れました

かえで「食堂で何か買って食べましょう・・・」

私は、体育館を後にし、食堂へと向かいました

to be next scene