『歌える喜び』
SHUFFLE ネリネ ShortStory
by 神居天魔
今、自分は校舎の屋上の上に立っている
周りには学園中の生徒がいるんじゃないかと言うほどの人
でも、これだけの人が居るにも拘わらずそこはしんと静まりかえっている
ゆっくりと目を閉じ
思うがまま口を開く
言葉を旋律に乗せて
自分の隣にはあの子の大好きだった人
そして、自分が大好きな人がいる
この人のおかげで、今自分は心から歌を歌える
あの子の本当の気持ちを教えてくれた人
自分の隠した気持ちを見つけてくれた人
これからは、あの子の分も笑っていよう
あの人と一緒に笑っていよう
それが、あの子への償いと感謝になると思うから
自分の口から旋律がゆっくりと終わる
と同時にものすごい歓声が沸き起こる
その歓声の中、隣に立っている人の顔を見て思わず笑みが浮かぶ
その人は私の頭にそっと手を乗せ優しく撫でてくれる
「稟さま、私、幸せです。今、こうして歌えることが。そして、凜さまと一緒にいられることが……」
ああ、そうだなと彼も言ってくれます
リコリス、あなたのおかげで私はここにいます
あなたの思いはしっかりと私に受け継がれています
だから、一緒に…
三人一緒に、笑っていましょうね