1.はじまり

初花組芝居は1995年「泉鏡花の夜叉ヶ池」。
開演前、パンフレットをぺらりぺらりとめくってた私の目に飛び込んできた劇団員紹介。
初花組で、まだ全然加納さんも桂さんも植本さんも、誰が誰やらさぁっぱりだったのに、
というか、まだ開演前で花組芝居が好きになるかも未定だったのに(笑)、
なぜかそこに載っていた研修生が気になってしまったのでした。

何だろう、この人が気になる…気になる…気になる…

数ヶ月後のグローブ座。ものの見事に花組にはまって、
「天変斯止嵐后晴」の客席に座ってる私がいました。でもその時の私は、
お百合さん(植本さん)や晃さん(水下さん)や白雪姫(加納さん)にメロメロメロメロで、
あの研修生のコトはどこへやら状態でした。

その芝居途中、キュートなアメリカ娘の植本さんの英訳つきの入座披露が始まりました。
私にとってはまだ2回目の花組で、こんな口上は初めての体験で、とっても新鮮で
ああ〜面白いな〜なんて思って観てました。
そこで、

「そうか、貴方もコレカラの人なんだ。私もコレカラなのですよ。
よしよし決めた、私、貴方の事を応援しましょう!一緒に大きくなっていきましょう。」
なんて、勝手に親近感を抱き、勝手に貴方は私の心の同期生と決めてしまいました。


それが、嶋倉雷象さんでした。


勝手な親近感だったハズの応援心。
気がついたら心の同士は、とても魅力的な役者さんになっていて、
いつのまにか、その魅力から目が離せなくなってる自分に気づきました。

そして私は、今こうして応援ホームページを作っています。


2.魅力

さて、私にとっての嶋倉さんの魅力とは何でしょう。
あげるとね、たくさんあるんです。
顔が好きです
(いきなりビジュアルかい(笑))。包容力のある声も好きです。
殺陣や踊りの時の姿勢(とくに背中)がセクシィです。
インドラやプトレマイオスの時に見せたキュートな表情や仕草でしょーう、
西鶴や海神別荘や天守の武士の時に見せた男らしさや色気でしょーう、
かぶき座や諏訪湖で見せた気高さでしょーう、
奥女中たちや怪誕身毒丸で見せた溢れるようなエンタテイメント精神でしょーう、
それから…とまぁ、本当に数え上げたらキリがないほどなんですが、

びしっと「コレぞ。」というのは実は無い気がします。

うーん何て言うか、語れないです。あらまるで、このコーナー全否定な(爆)。

でもホントに好きなトコ毎回違うし、
こと最近は、嶋倉さんて毎舞台違う嶋倉さんなんじゃないか(笑)と思う位
「これぞ嶋倉雷象。」なんて思うコトはほとんどないです。
私が表現できる術の範囲内におさまりきらない、そんな感じです。
おさまって欲しくない、というのもあるのかもしれない(笑)。


3.役を語ろう・幼児編

だいぶ期間があきました。
多分今後とも更新頻度の乏しいコーナーとは思いますが、密やかにひめやかに継続の予定です。

さて、今回は舞台の嶋倉さんを語ろう・幼児編。
編ってことは、これからつぎつぎ語られていくのか・・・あらら今軽い貧血が(笑)。


さてさて嶋倉さんの演じる幼児役は、
何かをする時の「全力な感じ」と「足らない感じ(拙さとか軽率さとか)」が絶妙と思います。
あと着眼点が鋭い。
一人でもいつも何かを楽しんでるとことか。何でもなく言うつぶやきとか。
コドモだったらそうするんじゃないか、という部分の部品が細かい。でもナチュラル。
そういうとこにセンスの良さを感じます。

そして、それを演じるだけの幼い可愛らしさが出せること。
その可愛らしさは、客の母性本能をくすぐりくすぐりたおす力があるよに思うのです。
ほっぺをぷうとふくらませる表情を、
あれだけ邪気無くキュートに魅せられる嶋倉さんは何なのだ、と
ハートをわしづかまれ薄れゆく意識の中で思うのです。


コドモっぽいと言われるらしい嶋倉さん。
インドラじゃなく雷象くんだよと言われたことがあるという嶋倉さん(笑)。
素は存じてませんけど、でも幼いから幼い役がハマルという訳ではないと思うのです。
オトナになると常に何かを考えて、色んなモノを手に入れたいと思い、色んな欲望を抱え、いつのまにか色々なモノを背負っている。
そんなオトナ部分も少なからず持っているだろうと思うのに、そういうコトを全く感じさせないコドモを魅せられる嶋倉さん。
それはやっぱり演技だと思うし、演技力だと思うのです。
もし本当に自己投影されてるのだとしても、それはそれで、そういうものを失わずにいるすばらしさよ(笑)。


そんな嶋倉さんに魅了されてるオトナの欲望としては(笑)
思いきって赤ん坊の役、なんてのも観たいなあと思います。
南北オペラでそんな感じのを一瞬(笑)観ましたが、もっと本気なやつが観たい。
コトバや動きというアイテムをほとんど使えない中で、愛らしさと生命力を感じさせるような
そんな演技をすることに一度挑んでみてほしいなぁ、と思うのでした。


 

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