感想文2004年の1

◆タイムリミット(劇団緑青)

旗揚げ公演。

死んでしまった男女が、選択の扉の前で再生するかココにとどまるかの選択を迫られる。
ところが女がココに来たのは実は手違いで、生き返るという選択があらたに増える。
生き返る1つの枠をめぐって男と女のやりとりが繰り広げられる…。
でまあ、結局は男に励まされ
「私、生きていく」と何事にも消極的だった女が前向きになる訳ですが
なんでそうなるのか、が説明足らないよー(笑)。
会ってからそんなに満足に会話してるとも思えないのに、いきなり下の名前で呼ぶかあ?
と思ったら「あなたに会えてよかった。」とか「あなたのおかげで」とか。
そんなに感謝されるよなコト今してましたっけ?
それでいて半タメ口な状態になったかと思えば
「これから、どうなさるおつもり?」 おつもりて(苦笑)。
「オレ、蝶になる。蝶になって君に会いにいく。」
いやいやキミを心配してる幼なじみとか、キミが恋してたオンナノコの立場はー!

てなツッコミ書きましたが、それ以前の問題満載。全編初々しさ爆発。
どこでそのマニュアルを手に入れた!っていうような
次のセリフをしゃべる前に2拍開ける、とか、驚いて後ろに倒れる、とか
なんかもう「演じてますっ。」全開でした。型通り。うーん不必要(苦笑)。

まあ、まだ旗揚げだし、そのやる気はかいたい…。
お芝居が見たい。お芝居を見せてください。
そのためには自分達も芝居をもっと見て欲しいと思う。
演じるということ。舞台をやるということ。観客に見せるということ。
色んなのいっぱい見て、聞いて、学んで、経験値あげてってほしいと思いますです。

 


浜崎あゆみ アリーナツアー2003〜2004 A

会場は総合体育センターということで、野球とかもできちゃう広いトコ。
客層は本当ーに老若男女といった感じで、
家族連れとか赤ちゃんおぶってる人とかスーツ姿のサラリーなおじさまとか、お年寄りとか。
「似てるって言われる芸能人は浜崎あゆみ」なオンナノコも多数(笑)。

セットは、上下2段になってて上、横に巨大モニター。
オープニングはレザー生地の衣装着て上から吊られてご登場。
で歌ったり踊ったり衣装着替えたり(ザッパ・笑)。
浜崎さん1人しかいないので(笑)
衣装替えとかイロイロでどうしてもつながなきゃなコトがあるけれど
そのあたりもダンサーズやバックバンドの演奏やモニターでの映像で
ただお待たせはしません感。

衣装もいろいろ。
ところどころで大掛かりな衣装あり。
うわーっとひろがってって、ぴかぴかしたり。小林幸子ばり(笑)。
カフェの従業員さん?的なピンクの衣装のキュート&セクシーさが本っっ当かわいかった〜〜!
「か、かわいい…」て立ちくらんじゃいましたよ(笑)。
で、それ着てる時は、その前のきりっとした感じから一転、ホントにかわいい〜て感じで。
衣装&歌によって、同じ人?て思うくらい表情も表現力も変化してて、歌手だなーって思った。

曲としては12月に出た最新アルバムの曲中心で昔の曲もちらほら。
皆で歌うとか皆で踊る曲ってのがあったり。「Who…」でしめるとか定番のスタイルがあるみたい。
歌う時はモニターに歌詞が出て、踊る時はayupanがモニターで振り付け。
(でもアニメだとわかりづらい・笑。ダンサーズとかあゆとか見てるほうが分かり易いなあと思った。)
「Trauma」という曲のサビ部分で踊るんですが、この曲出だしがいきなりサビ部分(笑)。
ああ予習が必要…と思いました。

けっこう歌ったあとMC。
あゆ1人できりもりしてかなきゃ状態な中、とても頼もしい存在なのがギターのよっちゃん(笑)。
いやーよっちゃんステキ(笑)。
バンドメンバーが映像で紹介される時も、なぜか義男の時だけ異常に盛上がる客席(笑)。
いいです。多分あゆのライヴ行く人は、義男好きになれます。

ふたたび歌とか踊りとかで「Who…」でシメ。
メンバー紹介などをして、最後にあゆ1人残って、ちょっとご挨拶。
最後の最後に盛上がった客席をしーっというポーズで静かにさせてから
「どうもありがとー」
とマイクも何も使わずに。
いやーそのナマゴエに感動!広いひろーいドームにちゃんと響いてましたもの。
単純に声が聞こえたってんじゃなくて、なんていうかばちっと心に響く声でした。
ドーム内のお客さんがざわざわざわっとしたのも
多分同じように「すげー」と思ったからじゃないのかなあ。
1人のナマゴエが何万のお客さんの心をとらえるってすごいコトだと思う。
ものすごい数のお客さん相手に
バンドやダンサーズがいるとしても1人で応じてる訳で、
それはやっぱものすごいエネルギーがいるなあと思う。
それをやってのける、それだけの力や意識を持ち合わせてるんだなあとそんなコトを感じました。
やはり並大抵じゃないと思うですよ。


◆燃えよ剣

新選組のお話。

全部やったら年末時代劇なみの長さになってしまうでしょうが(苦笑)
それでも話の展開の早さにちょっと戸惑い。
新選組の駆け抜けた感とか、時代の流れの速さ感はありましたが。
たとえば1幕冒頭で沖田が「私はまだ人を斬ったことがありませんから」
と言ったのに気づけば早人を斬る隊士に成長してんの。
となると、うーん、そのセリフを残した意味は何だったのだろう?って。
ポイントとなる部分、セリフは残してても
そこに至るまでが端折ったことで、ちょとそれを共に感じられにくかったかなっと。

や、でも、全般すごく楽しんでました。面白かったです。
面白くて切なくて、なんかあっという間でした。


舞台の構図がうおーかっこいいーって感じでした。隊士が勢揃いするとことか。


役者さんとしては、渡辺哲さん。ステキでした〜。戦死の場面がすっっごい切なかった。
山内さん、大食い&甘いもの好きには思えなかったけど(笑)
豪快でおおらかな佐之助って感じがにじみでてました。
京ちゃんは殺陣の時の瞳がカッコよかったなあ。
五本締めの時のニコニコっとした笑顔が印象的でした。
相変らず若き青年がなんでいまだにこんなに似合うかなあ(笑)。ピーターパンだ!(笑)
朝倉さんは色んな役でご出演でした。いろーんな朝倉さんが見られて嬉しかったです。
松木良順役の、優しく新選組を思う口調にほろりときました。
朝倉さんのこういうあったかさがなんとも魅力です。

 


◆明日に向かって〜タガタメニ〜(劇団アウトローズ)

ある自衛隊駐屯地の班。
隊員達は、それぞれに過去の傷や現在の悩みや不満や将来の野望を抱えながらも、何でもないようなフリをしながら、時に冗談を言ったりふざけあったりしながら、日々訓練に励む。
そこへ下されたイラク派遣の命令。
平穏無事であったハズの地盤が揺らぎ、不安から、それぞれの本音が噴出する…という感じのお話。

うーん、難しい題材に挑んだなあという感。
自衛隊とかイラク派遣について、カンタンに賛成・反対とは言えないって想いなのだろうけどスタンスが曖昧になっちゃったことで、主軸がちょっとぼやけてしまったかなっと。

それぞれの同期が2人1組になっていて、その組み合わせが交錯しながら1つの団体となる。
そのカタチが面白いなあと思いました。
全般、わりとはっきりと言葉にせず、観てる人に察してもらうようにしてる感じなのですが、見てる人それぞれの空想ができる楽しさと、消化不良になる危さが 隣り合わせだあと思いました。
想像力の足がかりになる説明がもちょっと欲しいなあと思うことも。
新人組は最後どういう決断を下したの〜っ。気になる〜。


笑いの部分は以前観たときより凄味が増した感じがしました。
各々が夢を語る場面は、多少唐突&強引ながら、もう面白いからOKという感じ。
ライオンキングがズルいー。
ラクダって。田村さん、ラクダって(笑)。
操る方って、ふどーさん、操る方って(笑)。
もう私は普通のライオンキングを正面から受け止められません(笑)。
一瀬はオレのモノだーっな極端に布地が少ない人達がご登場な夢(笑)も忘れられないインパクトでやんした。

田村さんと濱本さんが両サイドで突っ込むカタチがすごくいい。
フツーに会話的につっこんでるだけなんだけど、巧いなあと思う。
芝居全体の構図もそうなんだけど、この2人がすごくバランスとして良いのです。
色でいうと赤と青。冷静と情熱の間(笑)。

その日、メールに届いた姪っ子の画像見た直後だったもので、最後のコドモ話はもうホロリホロリでした。

でも実は一番泣き入ったのは怪談な場面だったり。怖かったっっ、マジ怖かったのっっ。
その分オチには脱力&爆笑でした。


不動さん。
アウトローズでの不動さんは、やんちゃな弟な印象。
濱本さん田村さんの赤鬼青鬼コンビ(笑)の間で自由に動いてる一寸法師って感じ。
(え、それって絵的に?笑)
もとなりさんの方のたむらさん(笑)。こーゆう骨太なたむらさんを観るのは初かも。新鮮。
おなかが6つに割れてた濱本さん。表層的なイイヒトから感情をむき出しにする、あのテンションの上がり下がりは今回もスゴイなあと思いました。
濱本さんは、なーんか気になると思わせてくれる人です。
「どした?」とか言うときの、あの独特のアクセント、ちょっと歌うよなセリフ回しは技なのかな。ワザとなのかな。あれがアウトローズ濱本流なら、ちょっと面白いなあ、と思います。


◆喀血!!銀玉高校応援団

銀玉高校応援団に所属する薫は、元は高校球児だが、病気によりその夢を諦め、応援団の一員となる。
応援団は、ほかに団長、先輩の千葉(ツッパリ)、白鳥(一見マジメ、実はエロ大王)、高円寺ミッチェル(国籍不明の外国人)、の5名。
彼らの応援する野球部は、強豪と呼ばれていたのも今は昔。連敗続きの弱小チームで、チーム自体にも覇気がなく、応援に対しての生徒の関心も薄かった。
ある日生徒会長関ヶ原から廃部の通告を受ける野球部。
存続させようと張りきる野球部を盛り立てようと奮起する応援団。
そんな中、薫の体に異変がおこる。
生死を彷徨った薫は死の世界で、伝説の応援団員・羅生門先輩と出会い、次に応援をしたら死ぬと忠告される。
様々な妨害をかいくぐりながら、野球部存続に向け予選大会を力の限り闘う野球部、そしてそれを支えようと懸命な応援団。
はたして試合の行方は。そして、薫の命は…そんな感じのお話。

楽しかった〜!予想以上に楽しかったです。
役者としては見ていた八鍬さんが描く芝居はどんなだろうって興味津々でしたが、こんな感じなのか〜。うふふふふ。
少年マンガ好きにはたまらない感じの作品でした。男の世界の魅力満開。

マンガチックなキャラクター設定もよかったし、それに見事にはまってる役者の皆様もお見事で、魅力を相乗効果で増し増ししてました。
「BE MY BABY」にのせたダンスが、絶句モノ(笑)。
あの振り付け、あのぴったりレオタード…夢に出てきそうな強烈インパクトでいまだにアタマっから離れませなんだ。
(上に書いてるアウトローズと同日観劇だったので、もうセクシー&セクシー。セクシーのはしごですよ。)

団長。オトコマエです。

きりりとしてる時と、くしゃっと笑う時のギャップがたまらなくよいです。
お客さんにアピールしてる時の目線が絶妙。女子メロメロです。
白鳥先輩。実はけっこうオトコマエさんだと思うのですが、それを感じさせない変態っぷりがイカしてます。
アタクシは貴方の「色気だ。」の言いかたが好きです。

関ヶ原生徒会長。めんどーしゅーたろーだーと思いました。
そんなビジュアルで一見クールなのに、つらっとパンツかぶっちゃったりするずるさがニクイ(笑)。
八鍬さん、悪役似合います。冷酷が似合います。色気がある。
ミッチェルをぼっこぼこに蹴る時の表情の色っぽさったら。

ミサちゃん。小悪魔キャラ(笑)。

「残り飲んで良いよ。」「うん、捨てとくね。」
の可愛い斬り捨てごめんっぷりが好き好き。
西さん、もーばりばりOKっす。セーラー服。全然アリです。

羅生門先輩。声はするけど姿は見えず…なのですが好き〜。
外伝てカタチで羅生門先輩中心のお話、見てみたいなぁ。
(そのときは声だけご出演だった貴方に羅生門先輩役を熱烈希望・笑)

段差1段つけて、応援スタンドとマウンドの両方を魅せる構図が良いなあと思いました。
ピッチャーと団長の笑顔のエールにぐっときました。

ちゃんと起承転結があって、ストーリーになってて、それでいて面白さが盛り込まれてたり、さらっといいセリフが書かれてたり、すごいなあと思います。
「下向いてたって夏は来る。」
なにげなく使われてたセリフなのですが、すごくツボでした。
下向いてたって…じゃあ、上向いてたら?なんて思って上を向いたら、下向いてるときより視界が明るくて、ああ、私下ばかり向いてた気がするって思いました。よだん。


◆奪うこと−やさしいワル巧みが、はじまる−


病気のお姉さんのためにメキシコにあるという「いい水」を手に入れるため、銀行強盗まで企てちゃう大人達の話。

冒頭の沈黙にびっくり。
はじめちょっと戸惑ったんですが、こんだけの間をもたせる空気を作れるってすごいなあと、しょっぱなからオトナ達の貫禄に感服。

いやああ私、朝倉さんが一番若い舞台って、初めて観たんじゃ…。
逆に、医大受験の娘がいるくらいのお父さんも初めてな気がします。
いろいろと新鮮な気持ち(笑)。
妹のダンナ役なのですが、他の人に比べて、お姉さんとの歴史がない分、第三者的というか空気が読めないというか(笑)でした。
そういうポジションのキャラ演じさせたら日本一かも、朝倉さん。

塩野谷さん&中西さん、ナイスコンビ。
オトナなんだけど、少年っぽいかわいさがありました。
中西さんがきちっと敷いた座布団を、塩野谷さんは何とも思わずななめにして座っちゃうとことか、なにげに性格の違いが出てるあたりの、その押し付けがましくなさが好感。
中西さんの「まだ出会って4×年しか経ってない…」にぐっときましたです。
河西さん、ひょうひょうとした感じ良いなあ。すてきすてき。

それから和太鼓。
経験者ばかりじゃないだろう状態で、あれだけ叩けるのってスゴイ!と思いつつも、明らかにリズムが崩れてたり、ばちが客席に飛んだりで初見の段階では正直ドキドキハラjハラ(苦笑)。
でも日をおいて見に行ってみると、多少のミスはあってもグラつきがなくなってて、短期間でのまとまり感とか、そこに至る集中力がすごいなああと思いました。

落ち着いてるんだけど、おちゃめでクスクス笑わせてくれて、それでいてじわーと泣かせてくれるすてきなオトナ達でした。


MONOMANIA《偏執狂》

「ではお話させていただきます」
ではじまるおなじみのネタのほか、エアロビ・パントマイム・映像を使ったネタ・コント…色々とチャレンジしてました。
わりとお芝居形式寄り。
うーん、チャレンジしてたに留まっちゃってるかな、まだ、という気持ち。
せっかくダンスとかマイムとか技術はあるのに活かしきれてない感。
勿体ないな〜と、フキコシとか見ちゃってる者としては思うのでした。

自分のしてみたかったことと、お客さんの望んでいたことに温度差があったようにも思うけど、方向性をしっかり見せられれば、お客さんは「これも長井だ。」と思うのではと思う。これからこれから。


◆だるま夜話・耳なし芳一・八郎太郎物語(劇団みんわ座)


影絵人形劇。

「だるま夜話」はテンポがよくてコミカル。
ちっちゃい子とか好きそうだなーって感じ。楽しかったです。

「耳なし芳一」は琵琶奏者による弾き語りとのこらぼれーしょん。
<語り>が魅力的だと、ぐぐぐと話に入っててゆくなあと実感。
小さな子どももけっこういたのですが、しーんとして見入ってました。すごい。

「八郎太郎物語」は、前にも見てるんですが、やっぱり話としてなんでだよーって感じひしひし。

話としては、年老いた両親を養ってる若者が仲間と木を切りに行って、夕食当番の時にイワナを釣ってくるんだけど、なかなか帰ってこない仲間を待ちきれずイワナを食べたところ、あまりの美味しさに仲間の分も食べちゃったら龍になっちゃう。
でもって、滝壺を広げて住処にしたら、それを快く思わない神様に追い出されそうにされて、威嚇して追い払ったら、その神様がニンゲンに悪い龍がいるぞと入れ知恵して、ニンゲンたちが龍をやっつけようとするので、反撃したら、えらい法力をもつ坊主にやっつけられる…というのが前半戦のエピソードなのだけど…なーんか理不尽。

しかもその坊主も、厳しい修行を積んでたとこに不動明王から鉄の草鞋をさずかって「その草鞋が切れたところにオマエの使命が待ってる。困ってる民を救うのだ。」みたいなことを言われて、やったことが龍退治。
ていうか、お告げするくらいなんだから、そもそもの原因は龍じゃないって、不動明王はお見通しなんじゃないの?だとしたら解決法が違くない?
…と、そういったとこが理不尽な気がしてもやもやするです。

影絵としては、すごいなあと思います。色んな仕掛けや色を駆使して、かつ、それを魅せる技術もすごくて。
ただ、声の部分が録って流してる感じなのが、私的にはあまり好きではないなぁ。
技術はすごいのだけど、声もうまいのだけど、なんか響いてこない感。好みの問題だろうけど。


◆ハレルヤ

だんなの会社が倒産して12億の借金抱えて逃亡して、残された妻は、ショックで精神的にまいってしまった姑と身を隠しながら暮らして、夫の友人を名乗るヤクザにだまされて水商売に手を染めて風俗に手を染めてそれを知った姑になじられて、昔アル中だった過去から抜け出したのに、またアルコールに溺れてしかもそのヤクザを好きになっちゃって…って、救われなーいっ、めっちゃ救われなーいっっ。
っもーう、転落していく様があれよあれよで痛々しい。
また田中美里さんは、「黒い家」でもそうだったけど、追いつめられる役が似合う似合う。
(余談ですがスタイルむちゃくちゃいいなぁ。惚れ惚れでした。)

うーむ前へ進むってことは、進化でも退化でも転落でも上昇でも、それまでを過去にすることなんだなあって思いました。
「過ぎて去っていったもの」にしちゃうことで、二度とは手に入んないものにしちゃうから、幸せだった事実を奪う残酷さも持ち、辛かった事実を和らげる優しさも持つ。
だから去っていった夫が戻ってきました〜ったって、状況がすでに過去のあの時でないからヒズミが生じる。幸せなはずなのに、イマサラ感が際立ち、ひどく苦い。
その幸せはもはやハレルヤになりえず、むしろともに前進してる中でのヤクザの純愛とか(ったってまあ、風俗では働かすんですが・苦笑。)お母さんと分かり合えたこととか、そういうなにげない光がハレルヤなのなあ、と。

妻が今の自分過去の自分のダメさをさらけ出してさらけ出して叫んで泣いた時、姑が言ってくれた

「女って、辛いね。」
号泣でした。お義母さんが、お母さんになった瞬間でした。すごい暖かかった。

親子の情愛がくるまれてる舞台かなっと思いました。
お義母さんが、精神的に弱った時、描いた妄執は息子だったり、主人公も実母に対してどこか負い目があったり。
お義兄さんの子供と生きて行ければいいって気持ちとかも。

朝倉さんは、そのお義兄さん役。
死んだ実姉のダンナさんで、身を隠すトコを提供し、2人の面倒を見てくれるイイヒト。
妹が追いつめられて、兄の財産にまで手を出そうって時もいいよと言えてしまうイイヒト。
んもうイイヒトすぎですよ!ってくらいイイヒト。
どっかでなんかやらかすだろう、って、うがった見方をしてごめんなさいってほどのイイヒトでした。
でも、それも子供と生きて行ければそれでいいって気持ちがあるからなのかなあって。
これ、ほんのり共感。
いやさ、子持ちの経験はありませんけど(笑)。
でも奥さんを亡くした時、自分に残されたものは子どもで、その子を育てて支えて支えられて生きてきた。
だから、子供が唯一最大の財産で、それ以外は(自分も含めて)二の次にできるのかなーなんて。
逆に、子供になにか災いが降りかかる時は、この人はどんなタブーも犯せちゃうかもしれないなあとも。


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