こんなモノを見たり聞いたり<2004年>※ダラダラ書いてます。ネタばれもしてます。

 

◎ スゥイングガールズ <映画> 監督 :矢口史晴 

ああ、二匹目のどじょうさあ!
でも二匹目だって、いいどじょうだったら美味しいじゃん!
そんな映画。

私は好きでした。いいじゃん、正々堂々。面白かったし。
1作目を思いながら見れば、少女版はきっちり少女版してて
同じ悔しい時でも、少年は叫び、少女は涙する。
前作ボーイズの咆哮にもらい泣いたけど、今作もガールズの涙に思わずうなずきもらい泣き。
そうだよね。悔しいよね。泣ーいちゃーえ!なんて共感びしばし。

矢口監督。あいかわらずおばかさんなシーンのばかばかしさがステキです。
パンクな少女達にふられたバンドの兄弟がよかったなあ。
2人で組んだからってフォークデュオに方向変換するとか。そしてそれがはまってるとことか。
女々しい兄弟なのに、最後ちょっとだけかっこよかったりするのも、またよし。

(2004.10)


 

◎NIN×NIN 忍者ハットリくんTHE MOVIE <映画> 監督 : 鈴木雅之

正直そんなにそーんなに期待してなかったけど、思ったより楽しくてほろりと泣けて。
「にんにん」とか「…でござるよ」はやっぱちょっとハズカシい感はありましたが。
実写版というより「忍者ハットリくん」という名のベツモノと思ったほうがいい感じ。
マンガの面影を追ってしまえば、
どうしてもシシマルとかケムマキ氏とかにんー?となるしシンちゃんとか求めちゃうけど
マンガに拘らなければこれはこれで楽しい映画です。

敵方の升毅さんがむちゃくちゃかっこよかったぁぁぁ。
升さんと大杉蓮さんのナイスミドル対決がすてきでした。

色んな忍術が織り交ぜられてるスタッフロールが秀逸。
立ち上がって去っちゃうお客さんったら、見逃しちゃってもったいなーいっと思えるスタッフロールでした。

(2004.8)

 


 

◎ハーケンクロイツの翼 <映画> 監督 : 片嶋一貴

周囲の迷惑かえりみず、自分の欲望のの赴くままにやりたいことやるぞって映画?
うーん…正直あまり面白いとは思えませんでした、はい。
それ系のお話に対して否定的じゃないんだけど、
暴力や反逆やモラルの無さの描かれ方・演じ方が凡庸で退屈感。
殴ってれば、暴れていれば、破壊してれば刺激的ってもんじゃないのだなあ。
思うままに生きてるっぽいけど、自由に飛んでるようには見えませんでした。
オトナ達のが自由で魅力的に見えましたよ。
鈴木清順さんステキだー。ツダカンさんもいかしてました。
八代さんは押えがちなんだけど印象的。
主役側をかっこよく魅せるなら、彼らの行動を阻害しようとする側がイヤラシク映ればいい。
「ぼくは君を正しい方向へ導く役目なんだ」
「兄さんと思ってなんでも相談してくれ」的な正義感が
アチラ側から見れば絶妙にイイコぶりっ子というか偽善っぽく見えるよな感じ。グウ。

(2004.7)

 


 

◎海猿 <映画> 監督 : 羽生 英一郎

ふふっとほくそえむ加藤あい。
「おおい、待てよぉ。」と追いかける伊藤英明…イタっ、アイタタタタ。
いまどきこんな構図をギャグでなく見せられるとは!
原田泰造がやってるのでしか見たことないコレを、本気でやられるとは!
あーあーあーああーああああー(「勝手にしやがれ」byジュリー風に)。

男子裸体祭?的映画でもありました。
必要以上に脱いでると思う。さーびすしょっと?
うるるっと泣こうかなっと想うと尻が出てくる。涙ひっこむわ。

いやでも全体的には面白い映画でした。
ラスト、次回の布石的な予告編が流れるのですが
はじめ見た時、今まで頑張って資格取得まで辿り着いた伊藤英明がいざ現場に出てったら爆発に巻き込まれて終了!
って、うーわーブラックなオチやなあ、とか思ってました。違いました(笑)。
……本当にオチがそれであったなら「おおい、待てよぉ。」も許容範囲なのだけど(苦笑)。

(2004.7)

 


 

◎ハチミツとクローバー Vol.6 <マンガ> 羽海野チカ

みんなが少しづつ何かがうまくいかないもどかしさ。想いの一方通行。コンプレックス。
才能があっても無くても誰かを好きでも好かれてても。
ああなんて生きていくコトって先が見えないんだろう。
苦しいねえ。
苦しいけどそれでも時間は流れ流れて待ってはくれないねえ。

ハチクロを読むと、なんかもう本当に痛く切ないでがす。
だけど努力したら報われるとか、想ってれば心は届くとか
そんなドリーミィごとじゃまわっていかない部分を逃げること無く描く姿勢が好き。

(2004.7)

 


 

◎サプリ <マンガ> おかざき真里

あいかーらずオンナを描くのが巧いなあ。
髪整えて、化粧してるのが戦闘準備で、
支度が整ったら戦闘準備完了…なんてそうそうそうそうってうなずきまくり。

心身にびしばし刺さってくる言葉の、なんと痛いことよ。
けど、うしっとガンバル気持ちにもさせられる。
同士よお互いガンバロウぜと、
仕事も恋愛も人生もしんどいコトが多いけどガンバロウぜと、
エールを送られてる気持ちでもある。

(2004.7)

 


 

◎ニューベストオブフライングキッズ <CD> フライングキッズ

フライングキッズのベストアルバムです。
うーん今聞いてもイイ!やっぱりフライングキッズはイイ!

初回限定版でハマザキセレクトのボーナストラックがあるのですが
オイラこっちのが断然ベストだよと思う!(笑)
アルバムとかで「この歌が好きだああ」って思った歌ばっか入ってるのだもの。
ハマザキもそれをイイと思ってたのかなって思うと嬉しい。

アルバム本体はフライングキッズの名のごとく
飛んだりはねたりなポップな印象のフライングキッズ。
聞いてて楽しくて心が浮上してく感じ。
としたら、ボーナストラックは翼メンテナンス中(笑)。
折れたり、疲れたりしてる翼をよしよしと慰めて励ましてくれるそんな感じ。
次にまた飛ぶために、ちょっとだけ休みましょう、そんなフライングキッズ。


アルバム本体が、フライングキッズってこういうバンドがいたんだぜっというのを紹介してるとしたら
それを聞いて「あ、好きかも」と思ったヒトに、聞いてもらいたいのがボーナストラック。
でもってボーナストラック聞いて「うわっ、カッコイイ!」って
それでフライングキッズいいじゃん!と思った人の頭をなでたい(笑)。

(2004.4)

 


 

◎イノセンス <映画> 監督:押井 守

「攻殻機動隊」関係を、まったく見てなかったので、
ラスト近くでやっとぼんやりと、ああ、そういうコトかと。
それを踏まえてもっかい見たらいいのかなあという感じでした。

映像すごいなー。劇場で見る価値アリな迫力。
ドアが開くとかただ単純なそれだけのコトが放つ映像としてのパワーがすごい。
すごすぎて、ちょっと酔っちゃいました(苦笑)。
こういうの普段見ないモンには迫力がすぎて…うーん。

あとねあとね犬がすーごーい可愛かった!
ほっぺたむにーっとされるトコとか。
犬とバトーが戯れる瞬間に、触れて愛でるコトの暖かさを感じました。
少佐とバトーの離れててもつながってる、そんな絆も愛もあるけど
だけど感触によるつながり、の大切さみたいなのも私は失いたくないなあ、なんてね。


人間、人形、ペット、愛玩、電脳…
イレモノとナカミの考察はしてますが感想として書き難いので
犬カワイイーみたいなコトでお茶を濁します(笑)。

(2004.4)

 


 

◎ホテルビーナス <映画> 監督:タカハタ秀太

邦画っぽくない…てまあ、全編韓国語なわけですが。
モノクロでミュージッククリップっぽい映像なんかもあったりして
単館上映あたりで雨の日にでもゆっくり見たい、そんな映画。

それぞれに闇を抱えている人達がもどかしくも生きていく…
あらすじだけで抱いてたのは、そんな印象だったのですが
思ってたよりかはもどかしさも辛さもなく理不尽さもなく、という感じ。
香川さんのされてた役は、あれだけお酒に溺れてて
あんなに早く回復するのかしら?というのは余計なツッコミ?

でも、
静かな気持ちで何かを見たい
心がどうにもささくれだって、賑やかなモノ華やかなコトから逃げたい
そんな時に観ると、おだやかに優しく切なくさせられます。はい。

(2004.4)

 


 

◎回転銀河 A <マンガ> 海野つなみ

それぞれの星座に逸話があるように、人の数だけ恋愛模様がある。そんな本。
安易にラブラブしない、このちょっと押さえた静かな感じが好き。
あと文字の間のとりぐあいが好きだなあ。一文一文をゆっくり呑み込みたくなる間。


今回の中だと「黒騎士」が好き。
1巻ではウザイ感じの存在(笑)だった守口くんが
2巻ではそのウザさが逆にいとおしいとすら。
いやー傍から見てる分には楽しいわあ。なんだか元気になれる1作。

安易にドラマになったり映画になったりしちゃうのヤダぁ〜
とかいう私ですが、「銀河鉄道」は映像で見てみたいなあ。

単行本でしか読み進めてないので分からないですが
天野兄弟メインの話もこれから登場するのかなあ。

(2004.3)


 

◎発情 <CD> 浜崎貴司

ピンク。色にしたらまさにそんな作品。

春。桜。恋。ハート。ラブラブカップル。甘い生活。エッチ。肌の上気。体の火照り。あたたかさ。やわらかさ…
そんな様々なピンクで彩られた感のあるアルバム。
まさにタイトルのごとき「発情」的。
今、恋をしてる人。恋をしてない人。恋にやぶれた人。かつて恋をしてた人。
その人の恋状態で楽しくも苦しくもなる作品かも。


今回のアルバムは、なんとなく詞よりメロディが好きだなあ。
身を任せ漂わせ、ぼんやりと感じる音が、時に楽しく時に切なくなんとも心地良いのです。
「ダンス☆ナンバー」や「旅行に行きたい」のウキウキ感もいいし
「ココロランニング」のちょっと不思議なテンポの良さもいい。
「くちづけ」のラストの盛り上がりもいいなぁぁ。
夜空に手を伸ばしてるような、手を伸ばしてもつかめないものへの慟哭のような音。
…なんだその表現。ソムリエ気取りか(笑)。

もちろん詞もステキなのですがね。
もー要所要所できゅっと心をつまんでくるったらない。ニクイ男、ハマザキ(笑)。
「サンクチュアリ〜SEIなる2人」なんかもう深読みちゃんつままれまくり。
カワイくてエッチ。んでもって曲調もキュート。いやんこの小悪魔め!(笑)


「恋サクラビト」が好きでやんす。小泉今日子とハマザキ。
ハモリとかキレイとは私は思わんのです。むしろノイジー(ごごごめんなさい)。
でも互いを想い優しく歌う2人の声に、だけど完全には重ならない2人の声に
むしろ「恋をするふたり」感をすごく感じるのですよ。じわんとね。

(2004.3)

 


 

◎ゼブラーマン <映画> 監督:三池崇史

最高!

人生における大好きな映画の1本に出会いました。
哀川翔は最高の100本目を手に入れたと思う。すごく思う。
痛快で娯楽!しびれました。しびれっぱなしでした。
良い悪いなんてどーでもいい。雑味もある。でもそんなのはいい。大好き。私は大好き。
そう思える作品に出会えるのがどれだけ幸せか。ホント嬉しい。


平日レイトショー。
開演10分前に「え……貸切り?」状態だったのにドキドキし(そのあと無事何人かきましたが)
終演後は「なんで、○人しかここにいないんじゃー!」と。
そのくらい惚れ込んでしまいました。
もうねえ、おすぎになりたい。
おすぎになって「見なさい!」て言いたい。「見ない奴はバカよ!」って言いたい。


アカデミー賞な感動作もいい。フルCGな高度技術な名作もいい。×億円かけました!ってな超大作もいい。
だけど、そうじゃない。そして、そうじゃないとこがいい。
オイラの邦画の好きな部分がぎゅっとつまってる。それがいい。むしろこうじゃなきゃイヤ。
ヒーローものに対する愛もぎゅっと濃縮されて入ってる。
「むかし自分が好きで見てたヒーローもの」っていうものに対する想い。
ちょっとしょぼくって、なんかださくって、オモシロカッコイイ。
オイラは邦画にせよ特撮にせよ日本のこういう部分は日本のこういう部分として、伝統美として(笑)誇っていいと思う。
そしてこの映画はそれを誇って愛して作ってると思う。照れずに作ってる、それがいい。
批判的な人もいるだろうさ。好き嫌いはあるだろうさ。オイラだってベタベタのラブストーリー嫌いだし、ホラー苦手だし。
だけどコレが好きだって人もいる。こういうの欲してる人愛してる人だっている。
オイラはゼブラーマンを最高だと思う。大好きだ!


三池監督。はじめのほうの手ぶれ画面とか、構図とか面白い撮り方だなあと思いやした。
あとハジメのタイトルもいいけど、
最後のタイトル→ハイロウズの歌が流れてのスタッフロールまでの時間がむちゃくちゃカッコいい!
ハートわしづかみな余韻の残し方。
ラストシーンとか、終わり方で感動することはあるけれど
それからキャストが流れる間の空白とか芝居で言うとこの暗転みたいな
静寂の瞬間で感動できるってあまりない気がする。すげーかっこいい。


近藤公園くんがイイ味でした。
あとやっぱ鈴木京香さん!すてき!いかす!ナイスバディ!


コドモ2人もよかったなあ。あの2人のコントラストが効いてると思う。
主人公にとって、アサノさんは<アサノさん>でカズキくんは<カズキ>なんだなあって。
同士的であり尊敬する人的であるアサノさんと、我が子カズキ。
その存在のあり方、置かれ方、接され方が
脚本としてもきちんと書き分けられてたし、翔さんもきっちり演じ分けてたのが好感。白黒ついてた(笑)。

アサノさんはコスプレったときに「アサノさんに見せたい」(←大好き・笑)って相手で
カズキは、ヒーローであることを地球を守ることを「ゴメン」って謝る相手なんだなあって。
だからラストの「飛べー!」って言うのがアサノさんじゃなくカズキで
きっとカズキが言うから効くんだろうって…ああもう、そういうとこ1つとってもすごくいい。


なんでゼブラーマン?てなんとなく思ってたんですが、それもラストで氷解した気持ち。
これを魅せるならシマウマだったんだなーって。
…この設定、哀川翔さんの「翔」にもかかってるの?深読みすぎ?(笑)。


コドモの頃、ノートや机にヒーローもののラクガキをしてた人。
人という字を3つ並べたような筋肉をラクガキしてた人。
そういう人はぜひ見てみてほしいなあと思う映画です。

(2004.2)


 

◎星の速さで駆けてく <マンガ> 作者:谷川史子

クッキー増刊早春号に載ってた作品。
あまりの好きっぷりに単行本になるまで待つももどかしくご紹介。
元々この方の作品、めちゃくちゃ大好きなんですが、もーここ最近の作品に泣かされまくり。


自分の気持ちだけに囚われて溺れて酔いしれて
ただただ己の辛さ苦しさ寂しさばかり可愛がってしまうけれど
だけど、生きてきた中で、たしかに好きだと思えた人に出会えたコトとか
そのヒトを知って触れて交わって愛した時の暖かさとか
それは本当に本当に幸せな瞬間だったじゃないかって思い出させてくれる作品。
この世界に好きだと思った人が存在している幸せ。
貴方という時間を貴方という記憶をもらった幸せ。
コトバにすると恥かしいけれど、だけどそれをかみしめた作品でした。
報われないかもしれないけど叶わないかもしれないけど傷ついたりもするけど
会えて良かった、それはたしかに本当だなあって、じわーと暖かい気持ちになりやした。


うん、なんかこう明日進むための元気を少しだけわけてもらう
オイラにとって谷川作品ってそういう感じなのです。


<余談>
BEAT THE CLUBの「夜汽車」という歌がワタシ的にイメージぴったし。
この作品のためにこの歌が、この歌のためにこの作品があるんじゃって思うほどに。

(2004.2)


 

◎シービスケット <映画> 監督:ゲイリー・ロス

「半落ち」の涙がだばだばだーって感じだとしたら
「シービスケット」には、ほろほろっと泣かされました。

なんかね、登場人物がふわっと優しく描かれてて、とても暖かい気持ちになる映画でした。
馬主ハワードが調教師トムに言う「構わん。」の優しさとか
ハワードの奥様がラスト間際で彼を説得する時の優しさとか
騎手レッドと好敵手のやり取りとか
なんかこう全体が優しくてふわふわっとしたものに包まれてる感でした。

お馬さんのコトはよくわかりませんが、人を乗せてあの四つ足で走ってるのを見ると
なんだかハラハラドキドキしてしまう。
ので、レース部分は正直ハラハラのほうが勝ってしまったり(苦笑)。
これはあれかなあ、キャンディキャンディでアンソニーが落馬した、あのトラウマかなあ。
って、いやいや遠くのほうからツッコミが聞こえた気がしましたが、ありゃあ幼心に衝撃的でしたよ。

ハナシがそれました。
勝つことよりも、負けてしまい打ちのめされた人にそっと毛布をかけてくれる。
そんな映画でした。ふんわり。

(2004.2)


 

◎木更津キャッツアイ 日本シリーズ <映画> 監督:金子文紀

「半落ち」の感想にて
コトバにできないもっと別の答えがあるんじゃないか、と書きましたがね、
そのコトバにならないもっと別の答えは、こっちにあるような気がする
そんな気がする木更津の夏(笑)。

やーもうオープニングからとばすとばす(笑)。
オープニングの○年後のキャッツアイと、
この映画でモザイク処理が見られるとはっ!、な新太にいさんの2つだけで
もう見に来てよかったっと思わせていただきましたさ(笑)。

もとはドラマの映画化ですが
もしこの作品を映画でやる意味はなんですかと問われたら
大スクリーンの中で一緒になって円陣くんでるような気持ちになれる臨場感
オイラはそれだけで十分映画である価値ありと思った。
気持ちよかったもん。TVの予告編の時には感じなかったもん。

あと小日向さんいいなあ。
小日向さん自体もいいんだけど、この小日向さんはさらにすごくいい。すごく好き。

げらげら笑って、でもちょっとだけ「普通に生きること」が「今生きてること」が、なんか大事になる、そんな映画。
なんのために生きてるか
その問いを否定はしないけど、大事なのは「なんのため」でなく、「生きてるコト」だなあと。
半落ちは「命の尊さ」まで気持ちが結びついたかは自信ない私。
だけど、木更津では命を大事にしたい、そう思えたです。うん。

最後のぶっさんの笑顔はなんかすごい印象的で、それでちょっと泣きそうになりやした。

(2004.1)


 

◎半落ち<映画> 監督:佐々部清

今年はじめの映画はコレ。
原作は読んでなくて、宣伝の感じだけでは強い夫婦愛みたいな映画〜て感じだったけど
実際はもっと違う、もっと漠然とした「絆」みたいなものに泣けた映画でした。

なんか口ごもってしまうシーン満載で(笑)
でも口ごもる表情からくみ取るもどかしさや潜む気持ちを感じることができて
「映像だから得られるもの」が見られた気持ち。

話としては、なんだかさくさく進む感。
このへんは小説だともう少しゆっくりと詳細に描かれてるのかなあ。
ま、ゆっくりとは自分の読むペースもあるけど(苦笑)。

あとミステリー=謎解きかと思ってたんで、
誰かがこの事件を疑惑を追及しようと躍起になって真相究明はーすっきり!かと思ったら
皆あっさり力に負けてしまうのですな(笑)。
でもそういう周りの弱さ、かっこ悪さがあるから、
めきめきと被告の1本芯の通った強い意志が際だってきて、
最後まですっきりとした解決は得られないけど、それが不完全燃焼というよりは
ああ、この強さには、この弱いヒトたちではかなわない、と納得できてしまう。

その中で、唯一彼を動かすことができる、彼が守りたかったものが最後に彼を動かす。
その瞬間が、もう鳥肌もので号泣号泣。

うん、なんか誰もが少しづつ弱くて優しい映画でした。

守りたいものはなんですか?
なんのために生きてる?

「誰にも裁くことはできない」のコトバのように、
それは「誰にも正誤をつけることはできない」ことで、
劇中、その答えきっぱりと「自分のため」とコトバにしてた方もあったけれど、
それも、そのヒトにとって本当にそうなのか、私は見てて納得はできなかったっす。

逆にあの答えはコトバにしたことで、コトバにできないもっと別の答えがあるんじゃないか
…ってのは私の深読みかなあ。

(2004.1)



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