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青坂信司氏の「文を長く書かせる指導」(参考文献 日本教育技術体系第1巻 小学1年生の教え方大辞典)を追試しました。子どもたちは熱中して取り組み、何度も挑戦してきました。青坂信司氏の「文を長く書かせる指導」 1117023
■「これから先生のやることを、できるだけ長い文にしなさい。」
といって教室を出た。
子どもたちは「静かに!!」と言いながら、教室で興味津々まっている。
しばらくしてから教室の戸をあけ、黙って電気のスイッチをつけ、ゆっくりと机の前にたつ。
そして全体を見てから、ノートをバンと机において座った。
「ここまでです。今先生がしたことをできるだけ長い文にしてもらいます。」
書かせる前に次のように板書した。
D→ほいくえん。C→1年生。B→2.3年生。A→4.5.6年生。AA→中学生。AAA→先生以上
「はい、書きなさい」と指示した。
子どもたちは「よーし」という感じで一斉に書き始めた。
今目の前で起きたことなので、どの子も書ける。
2分くらいたって、最初の子がノートを持ってきた。
「せんせいがきて、でんきをつけて、すわりました。」というような文を書いてきた。
私は黙って文に丸をつけ、そしてその横に「C」とつけた。
その子は「え?」という表情をして戻っていった。
「何度でも挑戦していいですよ。」と話した。
2人目もやはり「C」をつけた。
3人目、「すばらしい!!」といって、「B」をつけた。子どもたちの「おおー」というどよめき。
その子は「やったー」とガッツポーズをした。
そして、「ちょっと、みんなきいて。」と言って、その子の作文を全体の前で読んだ
「先生が教室に入ってきて、電気をパチパチとつけました。・・・・」
「この作文のいいところはね、耳で聞いたことを書いているところです。」
といって黒板に耳の絵を書いた。
すると、今度は「ドンドン」「カチカチ」などの音を入れてくる子が増えた。
そのうち、「先生が偉そうに歩いてきました。」という文を書いてきた子がいた。
「これもすばらしい。」といって、全体の前で読み、
「目で見たことを詳しく書いているね。」といって黒板に目の絵を書いた。
作文に見たこと、聞いたことを書いてくる子が増えた。
しかし、まだ「A」はでていない。
しばらくして、次のような文を書いてきた子がいた。
「ぼくは、先生が怒っているのかと思いました。」
私は「すばらしい。」といって「A」をつけた。
またもや「おおー」のどよめき。「A」をもらった子はめちゃめちゃうれしそうな顔をしていた。
先ほどと同じように、作文を読んで聞かせた後、「この作文のいいところは『気持ち』も書いてあるところです。」
といって、黒板にハートマークを書いた。
■そして、
もう一度、さっきとおなじようにやってみますから、今度はさらに長い文を書けるようにしなさい。
といって、もう一度同じことをしてみせた。
子どもたちは熱中して、ノートに書き出した。
A、AAがたくさん出てきた。
1時間の授業があっという間に終わった。
指導により子どもの作文は次のように変化していった。(O君の作文)
1回目 先生がでんきをつけてすわりました。→D
2回目 先生がきょうしつにきて、パチパチとでんきをつけて、ばたんといすをひいて、すわりました。
→B
3回目 ししど先生がきょうしつにはいってきて、「パチパチ」とでんきをつけて、えらそうにあるいて、「バタン」といすをひいてすわりました。ぼくは「おこっているのかな」とおもいました。→A