向山洋一、『向山式「勉強のコツ」がよくわかる本』(PHP研究所)、77ページにある言葉である。
発問してもあまり反応がないクラスでよく使っている。的はずれな答えでも、一番先に答えたというやる気をほめる。
その時、「最初に大西洋を飛行機で横断したしのはだれ?」と聞かれれば、「リンドバーク」と答えられるが、「二番目に横断したのはだれ?」と聞かれても答えられない。二番目に大西洋を横断したパイロットは、リンドバーグより優秀だったが、その人の名前は忘れられてしまっていることを話す。
それと同じで、一番最初に発言したことに価値がある。そして、その発言がほかの人にいろいろなことを気づかせてくれるきっかけになるのだ、とほめる。
生徒会役員などに立候補しようかどうか迷っている時など、立候補や実行をためらっている生徒に言う。生徒の立候補や行動を勇気づけるほめ言葉。生徒の潜在能力を認めてあげ、ほめるのである。
もちろん「先生もついているし、担当の先生もきちんと指導してくれるから大丈夫。」というフォローをする。
ものを壊したりした時など、正直に言ってきた生徒に言う。素直に正直にものごとを言える生徒は、学級のづくりに重要である。まずは、正直に言ってきたことをほめる。 ただし、これだけだと「報告」しに来ただけである。「謝罪」の言葉がない場合は、その場で指導する
テストを返す時などに用いる。学習の面で努力したかどうかは、おもにテストの結果となってあらわれる。努力しても結果が思わしくない場合もある。そして、結果が思わしくない場合は、生徒の努力不足や、やり方がまずいということになってしまう。
このような時、「もっとがんばりましょう」という言葉は、生徒からすれば、努力不足を指摘されたことになり励まし言葉のことばにならない。この時の生徒の気持ちを察し努力を認め、不足しているものがあることを示すほめ言葉として使う。生徒への注文は、別の機会に話をする。
相手の存在をみとめる感謝の言葉は、ほめ言葉である。「わたしメッセージ」である。これは『教師学』、『親業』で有名なトマス・ゴードン博士に学んだものである。機会があれば「社会に出れば、気配りのできる人間が評価され、成功するんだよ」という話を全体にする。