漢字文化の授業 5     字(1年)と名              漢字文化のTOP

                   『これは何という漢字ですか?』

                   「字」、「国」、「風」

                   『どうしてわかったのですか?』

                   「子どもが見えたからわかった」


 『そうです。家の中に子どもがいる様子を表しています。』 
 『家といってもこれは、祖先の霊を祭っている家です。そこに子どもがいるのは、
 子どもを祖霊に報告して承認を受ける儀式をしているのです。その時つけられる
 名前を小字といいます。字はアザナのことです。字をもらって養育が決定されます。
 ですから字には字ふ(やしなう)という意味もありました。』

                    
                     『これは何という漢字ですか?』

                     「名」

                     『すぐわかった。すごいですね。ところで赤いところは
                     何を表していますか?』    

                     「前に聞いたけど忘れた」  



  『これは、祖先に祈るための文書を入れた箱です。青のところはある食べ物を表して
   います。それは何ですか?』

  「ようかん」、「魚」、「肉」

  『正解は、肉です。祖先に肉と祈りの文書をささげているのです。一定の年齢になると
  名前が与えられます。それも祖先の承認が必要でした。その儀式を文字したのが、名と
  という漢字なのです。』

  参考文献 白川静、『漢字百話』、中公新書、18ページ。