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ビゴー ノルマントン号事件風刺画の真相

TOSSオホーツク・大木敏道
作成日:2001年01月05日(土)
更新日:2002年01月13日(日)

反日フランス人ビゴーの風刺画を読み取る授業です。

指示 教科書156ページのノルマントン号事件の風刺画を指で押さえなさい。

絵を押さえているこを確認したら、生徒を指名し、そのとなりにある解説文を読ませる。

1886年10月,イギリス船ノルマントン号が、紀伊半島の沖で沈没した。西洋人乗組員がほとんど救助されたのに、日本人乗客は 全員死亡した。乗組員が乗客を見捨てたとして非難が高まったが、イギリス人の船長は軽い刑罰ですんだ。これをきっかけに、領事裁判制度をなくそうとする声が盛り上がった。

発問  船長はどこの国の人ですか。

「イギリス」

発問  海に浮かんでいる人はどこの国の人ですか

「日本」

発問  ビゴーはどこの国を批判していますか。

「イギリス」

発問・指示  では、なぜビゴーはイギリスを批判したのですか。理由を予想してノートに書きなさい。時間は30秒

「日本を応援した」

「船長はひどいと思ったから」

出てきた予想をほめる。答えは束ねないで次へいく。

発問 奥に見える船はどこの国の船ですか?

「フランス」 

『そうですね。三色旗が見えます。』 

説明  沈みかけている船はビゴーの母国フランスのメンザレ号だったのです。 この風刺画の題は「メンザレ号の救助」でした。メンザレ号はノルマントン号事件の1年後に 沈んだ船です。それに日本人を浮かべてノルマントン号事件を重ねたのです。

『ビゴーがイギリスを批判したことは間違いないのですが、ビゴーのメッ セージは次のようなものでした。』と言って次の言葉を板書する。

板書 『イギリスがこんなことをするから日本が□□□□を要求するのだ。』  

発問・指示  日本が要求したものを教科書156ページから漢字4文字で書き抜きなさい。

「条約改正」

説明  そうです。実は、ビゴーは、自分の住んでいる横浜で治外法権の特権がなくなる条約改正に反対だったのです。ですから条約改正に前向きのイギリスには批判的だったのです。

付記  その他教科書には、武士の姿の日本人と弁髪姿の中国人が朝鮮という魚をつりあげようとしいてる風刺画やイギリスにおされてロシアの栗を取りに生かされる小さな日本人が描かれた風刺画ある。 反日、反英の立場で描かれていることに注意する必要がある。

参考文献 清水勲編 『続ビゴー日本素描集』、132〜133ページ、岩波文庫、1992年

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