幕末、ロシアの対馬占領を阻止した対馬の人たちの知られざる歴史を教える授業です。
次のカルタを提示すする。（説明文は提示しない）カルタ１
発問 「防人の歴史を偲ぶ金田城」。これはある島のカルタです。このカルタが 作られた島を予想しなさい。
「佐渡」、「隠岐」、「対馬」
正解が出ても、出なくても、教科書（教育出版）の巻末の地図で金田城を探させ、島を○で囲 ませる。
説明 金田城は、白村江の戦いの敗戦の後、天智天皇が作りました。古代から 対馬は軍事上重要でした。
そして、次のカルタを提示する。カルタ２
発問 この対馬に江戸幕府の末期、１８６１年２月３日ある国の軍艦がやって 来ました。その国を予想しなさい。
「ロシア」、「ろ、と見えている」
発問 カルタの手前に見えるものは何ですか？
「煙突」、「井戸」
説明 これは井戸です。この井戸、ロシアが掘ったものです。小屋も建て ボートで上陸して荒らしまわっていました。
発問 この時対馬藩はどうしたと思いますか。 １．追い返そうと戦った。 ２．かかわらないようにした。
挙手により、分布を確認する。
発問 実は、対馬藩はめんどうなことならないようにと、かかわらないように していました。ところが４月１２日事件か起きます。ボートに乗ったロシア兵が勝手に通行できない 大船越を無理やり行こうしました。番所にいた百姓安五郎（やすごろう）らはどうしたと思いますか １．やめさせようとした。２．かかわらにいようにした。
挙手により、分布を確認する。
説明 どうしたかはカルタ３を見るとわかります。安五郎ら数人はやめさせようと石を投げたり、 ボートに行こうしましたが、安五郎はピストルで殺されてしまいました。でも、 民衆の抵抗は、８月２５日ポサドニック号が去るまで続きました。このようにしてロシアの対馬占 領の野望を打ち砕いたのです。
付記 ロシアの対馬占領を望まないイギリスが東インド艦隊 二隻を派遣し、ロシアに退去を求めるという列強のバランス・オブ・パワーが働いたことが、 ロシア軍艦が去った要因としてある。
参考文献 井上清、『日本現代史 明治維新』、東京大学出版会、１９５１年。 １４５〜１５３ページ。井上氏は「ひとり対馬の人民のみが、最後の血の一滴までも民族の独立 のためにささげる決意と勇気をもつのであった。」と評している。
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