COLUMN > 2008.3








腰まであるパウダースノーをかきわけ、2m間隔で迫りくる木々の間をすり抜けて行く。浮遊感とアドレナリンに満ちた異次元の快楽・・・。

雪、最高っす。2シーズンぶりにスノボーしました。しかも大好きなニセコで。いやいやいや、マジで別格。「ゲレンデが溶けるほど恋した〜い♪」なんて歌ってた人いたけど、溶けていいのはキミの結婚生活だけ〜、溶かされちゃみんな困るんだぁ〜♪ なんて、異次元の雪山天国に昇天しぱなっし、カウパーも溶け出すルンルン♪気分だったのに…・昼前の山小屋BGMを耳にした瞬間一気に冷めてしまった。テレッテレッテ〜〜なんて、気分はまるで没収される仁くん人形。

いつからか正確には覚えてないけど、オサレなカフェから場末のラーメン屋まで、何処へ行ってもジャズっぽいBGMが当たり前な昨今。しかし、まさか白銀の山小屋までやってきてそれとは、正直げんなり。何処へ行ってもそう、それが「なんか解んないけどカッコいいからジャズ」という選択であれば否定はしないけど、「とりあえず右へならえ」的な発想だから、たまらなく気持ち悪く感じてしまう。

せっかくの昇天国から突然現実に引き戻されたようなグッタリ気分を山小屋だけのone & only「カレーライスとラーメンのコラボ臭」で吹き飛ばし、ビールを煽りながらブーツも脱ぎすてしばしの休憩(体力ないのねん)。

プッハー グォェ〜(ゲップね)、なんつって辺りを見回すと、実に客の5割がオーストラリア人!!一昨年くらいから爆発的に増えたとは聞いてたけど、まさかここまでとは想定外。日本であって日本でない感覚…もしかしてアメリカ人にしたらハワイとかってこんな感覚なのかなぁ、なんて行ったこともない常夏の彼の地を、降りしきる粉雪のムコウに想ったりする(ついでに麦汁2杯目オーダー)。

そういえば去年の今頃はこのオージー達のようにおっさんも別世界にいたよな。確か・・・南インド辺りか。。ってことでおなじみ(?)旅の小ネタで今回のコラムもいこうかねぇー。卒業式だなんだと旅立ちの季節でもあるし。。。なんてこじ付けながら勢い余って3杯目をオーダーしてみる(滑ろよ・・・)。

1年半もの間、フワフワと40カ国以上、世界中の様々な国の様々な人々や風土が作り上げた文化や生活習慣が違う世界に独り漂っていると、カルチャーショックを受け価値観が壊される。昨日までいた国・地域では、ものすごく大切にしてたり、逆にタブー視されていることでも、今日来た隣国・もっと言うと隣の街や隣接する他宗教地区ではじぇーんじぇん気にしていなかったりする。例えるならば、常磐町は酒は呑めなく女性も外出禁止だけど、川上町は何でもアリ(パフパフOK)。ついでに旭町は豚を食べてはダメだけど、宮舞町は牛を殺しちゃダメとか(なんか、かえって解りづらいか・・・)。そんな世界を、時には日替わりで体験したりする。

まぁ、なんてことが続くと、 猫の目のように押し寄せてくるカルチャーギャップをその場その場で「好き・嫌い」とか、「損・得」で判断するのも何だか釈然としないし、ましてや「とりあえず右へならえ」でいることは気持ち悪すぎてインポになってしまう。他と比較もシンクロもしない、何処へ行ってもブレる事のない、自分にとってこの世の中の「変わらぬ基準」とは何か…。

髪を切るのも忘れて、そんなことを頭のどこかでフワフワと考えながら感じたこと、それは世界には色々な現実性があるんだという、至極当たり前のこと。

「そんなこと誰だって知ってるっつーの!」なんて一斉にツッコミが入りそうだけど、当たり前と思っていても実際に肌で感じ、匂いをかぎ、触れることで全く違う実感を伴う。体験した者にしか解らないどうしようもない部分であるのも、コレまた真理(だからツッコまないでねん)。

ここは広い世界で、様々な価値観が平行して存在してる。何処かで誰かが生きていて、誰かが何処かで生きている。誰かが起きてて、誰かが寝ている。おっさんの知らないところでみんなペッティングしてて、誰かが知らないところで、おっさんがソロ活動を・・・あ、あぁ、いやいや。。。

当たり前に色々な世界が色々なところにあるんだってことはみんな知っているけど、でも、みんな手の届く世界以外のことは知ってるつもりで意識にない、本当は知らない世界になってしまう。それを体験しろって話ではなく、自分のいる場所が全てではないって、ちょっとでも意識するかどうかの話ってこと。  何処の世界にいたって「とりあえず右へならえ」で生活していれば何も感じないけど、手の届かないところにも世界は存在するんです。考え方一つで世界も生活もどうにでもなるし、何処までいっても「変わらぬ基準」「変わらぬ自分のスタイル」を考えなければ同じなんだと思う。

こんな部屋で少し息をしても、世界の果てで立ち尽くしたとしても、日は沈みまた昇りゆく。何処までいっても、その営みから逃れることは出来ず、その中にしか存在できない。

全ては自分次第 心は何処にもいけない 何処まで行っても何処にも行けない だからこそ 自由なんだと感じます。

新しい学校、職場、街、新たな気持ち・・・皆さん、よい春を。。。

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