NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

赤ちゃん編・あとがき

 子育ては、母親一人で行うものではありません。
 母親のまわりに正しい子育ての知識を持った人が増えれば増えるほど、母親の子育てが充実し、幸せな子どもも増えます。そして、この「幸せの子育て」で育った子は、親になった時に「幸せの子育て」を我が子にします。
 このWEBページは次のような方々が利用して下さることを願って作成しました。

 1.「子育ての仕方を知りたい!」という方
 2.「子育ての仕方を誰かと共有したい!」という方
 3.「伝統的な子育ての仕方を次の世代へつなげたい!」という方

 平成26年度に全国の児童相談所が対応した虐待件数は8万件を超えました。
 過去最多、前年度比20%の増加です。
 たとえば、次の事件があります。

 家族構成:父(27)、母(30)、長女、長男の4人暮らし。父は2014年8月中旬、泣きやまない長男(生後5カ月)にいら立ち、自宅和室に置いたブランコの支柱(金属パイプ)で長男の頭をたたき、頭の右側に全治5カ月余りを要する多発骨折や硬膜下血腫の重傷を負わせた。

 これは特別な事件ではありません。新聞などでよく見かけるケースです。
 書かれている虐待の理由は「泣きやまない」から「いら立」ってやったということです。
 「泣きやまない」という言葉を見逃してはなりません。子どもは五カ月です。泣きのピークこそ過ぎていますが、泣くのが当たり前の時期です。
 時刻が書かれていません。夜の八時頃に明るくしていたなら眠れずに泣いていたのかも知れません。
 母親の行動が書かれていません。五カ月目は愛着形成をつくる時期ですから母親の愛情を求めていたのかも知れません。
 父親と母親が泣いた時の基本的な手立て(「ミルクをあげる」「おむつを替える」「抱っこする」など)を知っていたかどうかも書かれていないのでわかりません。
 これらのことはわかりませんが、「泣きやまない」という言葉から両親がこれらのことを知っていなかったのではないかという推測は成り立ちます。
 虐待は命と発達にかかわる問題です。「知らなかった」では済まされません。しかし、知らないでおこなったとすれば社会的な問題ということにもなります。保護者だけを責めても全体の解決にはなりません。子育ての基本を知らずにいる大人がいるとしたならば、そのことを具体的に伝えていく仕組が社会の中に必要であるということです。問題1で敢えて「泣き」を取り上げたのはこのためです。

 繰り返しになりますが、子育ては母親が一人で行うものではありません。
 母親のまわりに正しい子育ての知識を持った人が増えれば増えるほど、母親の子育てが充実し、幸せな子どもも増えます。そして、この「幸せの子育て」で育った子は親になった時に「幸せの子育て」を我が子にします。
 お友だちが結婚することになった時、同僚の方が育児休業に入る時、ご家族にお孫さんが生まれる時など、様々なお祝いの時に このWEBページを広めていただけたらと願います。
 また、そのような節目とは無関係に、日常会話の中で気軽に子育てを話題にするような場面もイメージして構成しました。「これ知ってる?」という形で、子育ての仕方を紹介していただけたら幸いです。
 多くの方々に紹介していただき「幸せの子育て」が次の世代へとつながることを願っております。

水 野 正 司

閉じる