教師「雪村先生、ちょっといいですか?」
瑞穂「はい? なんでしょう」
職員室に戻るとサードの教師に呼ばれた
教師「申し訳ないんですが、午後からサードの実技の授業やってくれませんか?」
瑞穂「それはかまいませんが、どうかしたんですか?」
教師「ええ、本来であれば私が実技をやる予定だったんですが、急に出張が入りましてね」
ふむ、サードの生徒の実力を知るにはいいわねぇ・・・
瑞穂「なるほど。わかりました、引き受けましょう」
教師「助かります。授業内容は雪村先生に任せますんで」
瑞穂「了解しました」
Wind Of Alchemist
〜錬金術師の風〜 サードの実力
サードの実技の時間はセカンドの時と同じく、模擬戦を行った
開始して数分、二つ目に付くのがあった
一つは川澄さんと佐祐理さんのコンビ
舞「せいっ!」
佐祐理「契約に基づき、全てを燃やす紅蓮の炎よ、我が敵を討て・・・ファイアボール!」
主に接近戦は川澄さん、そして後ろからの援護が倉田さん
二人とも相手の邪魔をしない動きをしている
瑞穂「お互いの実力を引き出しているわね」
さすがサードにいるだけあるわ。申し分なし
で、もう一つは
久瀬「消えろ・・・バーストブレイズ!」
生徒A「うわっ!」
生徒B「きゃあ!」
生徒C「お、おい。こっちまで巻き込まれただろ!」
久瀬「おっと、これは失礼。てっきり分かっているものだと・・・」
あの生徒会長の久瀬くん
実力は確かにあるけど・・・
味方まで巻き込むなんて、少々性格がひねくれているのかしら?
瑞穂「さて、先ほど説明したとおりソウルカウンターの上位者は私と試合を行います」
えっと、カウンターはっと・・・
へぇ、面白いじゃない
瑞穂「同着が3人、川澄さん、倉田さん、久瀬くん」
舞「・・・・」
佐祐理「はぇ〜」
久瀬「ふふん・・・」
瑞穂「ま、いいか。では、3人まとめて行います。試合時間は20分。自分の行動を封じられたものはその場で試合から脱落。いいわね?」
舞「・・・・」
佐祐理「はい」
久瀬「わかりました」
瑞穂「それでは、3人とも準備はいいかしら?」
3人が同時にうなずく
瑞穂「では、始め!!」
久瀬「バーストブレイズ!」
いきなり、久瀬くんが爆発の魔法を使ってくる
瑞穂「よっと」
爆発寸前に飛び退いてかわす
久瀬「エアスラスト!」
今度は真空の刃か
空間の歪みを見極めて紙一重でかわす
久瀬「フリーズランサー!」
無数の氷の槍か・・・バリエーション多彩ねぇ
でも、もうそろそろ止めてあげましょう
瑞穂「雪村神剣流、炎式・爆炎焼波!」
炎を纏わせた剣で前方に熱波を飛ばす
その熱波で氷の槍が全て溶ける
瑞穂「さぁ、私の動きが見えるかしら?」
私はわざとランダムに久瀬くんの周りを動く
久瀬「風の魔法でスピードを上げているだけじゃないか・・・えっ?」
私はさらにスピードを上げる
久瀬くんからすると、私が数人に分裂して見えるだろう
瑞穂「どうしたのかしら? この程度のスピードでもう追えないのかしら?」
久瀬「くっ・・・バーストブレイズ!」
久瀬くんが苦し紛れに魔法を放ってくる
瑞穂「あら? どこに放ったのかしら?」
私は、久瀬くんの背後に回り首筋に剣を当てる
瑞穂「はい、これであなたは脱落ね」
久瀬「くっ・・・」
瑞穂「!」
視界ぎりぎりのところで影が動いた
久瀬くんが脱落するのを待っていたの?
舞「せいっ!」
シュン
横なぎの一閃
まずは飛んでかわす
舞「はっ!」
刀を振り抜いた勢いで身体を回転させ今度は切り上げの一閃
瑞穂「雪村神剣流、無式・閃墜撃」
今度はかわさずに自分の体重を乗せた振り下ろしの一撃を放つ
ギンッ
舞「くぅっ・・・」
瑞穂「っ・・・」
私は、この一撃で川澄さんの攻撃を潰そうとしたのだが
瑞穂「甘かったわね」
そのまま受け止められてしまった
舞「はあっ!」
瑞穂「っ!」
私の攻撃を受け止めていた川澄さんが力任せに剣を弾いてきた
そのままバランスを崩して私は、空中に投げ出される
舞「天翔夢陣流、疾風!」
瑞穂「えっ!?」
目の前に川澄さんがいた
川澄さんは、そのまま横薙ぎの斬撃を放つ
瑞穂「んっ!」
無理矢理身体を捻って紙一重でかわし地面に着地する
そして、次に来るであろう攻撃に備える
佐祐理「契約に基づき、全てを燃やす紅蓮の炎よ、その姿、灼熱の奔流へと変えよ・・・ファイアストリーム!!」
瑞穂「契約に基づき、万物の源なる水よ、我が盾となれ・・・アクアシールド!!」
倉田さんの前方に魔法陣が浮き出し、炎が吹き出す
と同時に私の前方にも水の盾が形成される
バシュッ!
佐祐理「あははーっ、読まれちゃいましたね」
瑞穂「久瀬くんの時からずっと出てこなかったからね、それなりに警戒するわよ♪」
やっぱり、この二人のコンビネーションは侮れない
下手なハンターよりいいかも
瑞穂「でも、このままだと私、防戦一方になっちゃうわね」
では、少し変化を与えてみますか
瑞穂「――我が――影――離れ――敵を――――」
舞「?」
佐祐理(何か、詠唱しているんでしょうか? ここからだとよく聞こえませんね)
瑞穂「さて、今度はこちらから行きましょうか」
私は、川澄さんに攻撃を仕掛ける
佐祐理「あははーっ、先生が何をしたか分かりませんが、どちらかを相手にするともう一方には隙が出来ます。そこを狙え――――」
ドスッ
佐祐理「きゃあっ!」
倉田さんが唐突に吹っ飛ばされた
瑞穂「確かに2対1じゃ分が悪いわね。でも、2対2じゃ問題ないでしょ?」
舞「!」
佐祐理「・・・先生が・・・二人?」
瑞穂「闇の魔法、ダークイリュージョン。自分の能力を持った分身を作り出す魔法よ」
キン
川澄さんが剣を納める
佐祐理「舞?」
舞「・・・私たちの負け」
瑞穂「・・・」
舞「佐祐理と一緒なら何とかなると思ったけど、佐祐理と分散されては勝ち目はない」
佐祐理「・・・舞がそう言うなら・・・」
戦局を読むのは川澄さんの方が長けているわね
瑞穂「そう、じゃあ試合はこれで終了ね。では、本日の授業はこれまでとします」
みんなが戻った後、これから何をしようか考えた
瑞穂「そうねぇ、祐くんは川澄さんに付かなきゃならないからハンター訓練は出来ないし・・・川澄さんの戦っている正体もだいぶ検討ついたし・・・」
そう、川澄さんの戦っているモノ私はその正体を知っていた
知ったと言うより感じたといった方が正しいかしら
魔力というのは人それぞれ波長が違う、指紋や掌紋、網膜の様に・・・
ただ一人として同じものを持つものはいない
私が初めてその魔物にあったとき、感じたこと・・・
それは・・・川澄さんと全く同じ魔力の波長であったこと
つまり、あの魔物は川澄さんが作り出していると言うこと
でも、本人には全く自覚がないようだった
考えられることは、何らかの形で力が暴走しているか、力が独立してしまっているということ
瑞穂「でも、なんで独立してるのかしら・・・もう少し、情報が欲しいわね・・・」
もう一度接触してみる必要があるわね
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