午前中の授業が終わり、お昼休みに2階の踊り場付近を歩いていると
祐くんと川澄さんと倉田さんを見つけた
何か話しているみたいだけど・・・
瑞穂「何を話しているのかしら?」
ちょっと気になったので近付いて聞いてみる
祐一「あ、師匠」
佐祐理「あ、雪村先生も一緒にどうですか?」
そういって、倉田さんが重箱に入ったお弁当を差し出す
瑞穂「ん〜、じゃあ、お邪魔しようかしら?」
佐祐理「はい」
Wind Of Alchemist
〜錬金術師の風〜 舞踏会への誘い
瑞穂「で、何を話していたのかしら?」
祐一「いや、舞踏会に舞と佐祐理さんを誘って出てみようと思いまして」
舞踏会か・・・、ここで川澄さんをアピールできればイメージアップには良さそうね・・・
瑞穂「いいんじゃないかしら?」
祐一「ほら、佐祐理さん。師匠もああいってるし」
佐祐理「でも佐祐理ドレス持ってませんし」
祐一「そうか、残念だな。佐祐理さんのドレス姿、見たかったのに」
佐祐理「いえいえ、佐祐理のような平凡な女の子には似合いませんからーっ」
瑞穂「そう? そんなこと無いと思うけど・・・」
ただでさえ、お嬢様な雰囲気を漂わせている倉田さんにはピッタリだと思った
佐祐理「それにしても、舞がドレスを持っているなんて知りませんでした」
舞「・・・・持ってない」
瑞穂「はい?」
祐一「ドレスも持ってないのに舞踏会に参加するのか?」
舞「・・・言ってな――――」
祐一「困ったやつだなぁ」
ははあ、祐くん。強引に川澄さんを舞踏会に参加させようとしているのね
それにしても、ドレスねぇ。
私が調達できればいいんだけど・・・
佐祐理「分かりました。ドレスは私の方でなんとかします」
祐一「なんとかって?」
佐祐理「知り合いに、そういう方がいるのを思い出したんです。多分大丈夫だと思います」
祐一「本当に?」
佐祐理「やっぱり、佐祐理も参加することにしました。舞との思い出をいっぱい作りたくなったんです」
瑞穂「よかったじゃない、祐くん。なんとかなって」
祐一「はい」
佐祐理「いっぱい思い出作りましょうね? 祐一さん!」
祐一「はい?」
突然の申し出に祐くんが素っ頓狂な返事をする
佐祐理「祐一さんも一緒に参加するんですよね? 舞踏会」
祐一「え・・・あ・・・その・・・おれは・・・」
あら、祐くん。自分のことはすっかり考えていなかったみたいねぇ
佐祐理「大丈夫です。祐一さんの分の正装も用意しますから」
瑞穂「ほら、倉田さんもああ言ってるし」
祐一「・・・わかったよ」
倉田さんと私に押されて結局祐くんは参加することになった。
まぁ、言い出しっぺだしねぇ。参加しないわけにはいかないでしょ
それにしても・・・
瑞穂「・・・う〜ん・・・これって私も出れるのかしら?」
ぼそっとつぶやいてみる
祐一「えっ? 師匠出る気なんですか?」
瑞穂「なによ、これでもハンター学園にいたときはよく舞踏会に出たのよ?」
祐一「見えない・・・」
ボカッ!
瑞穂「殴るわよ・・・」
祐一「もう殴ってる・・・」
佐祐理「あははーっ、でも、先生が出てくれると佐祐理も楽しいと思います」
瑞穂「そう? ・・・あ、もしかしたら、監視役という名目で出れるかも。あとで麗子に聞いてみるわ」
佐祐理「楽しみだね、舞?」
川澄さんは何も言わず黙々とお弁当を食べていた
午後の授業が終了したので暇つぶしに錬金学室に行くことにした
そういえば、麗子に案内されたっきり行ったこと無かったわね
ガチャ
瑞穂「失礼しますよぉ?」
ドアを開けて中に入ると
香里「あ、雪村先生」
ガサッ!
美坂さんが居たのだが、なぜかとっさに本を隠そうとする
でも、見えてしまった
瑞穂「ん? 魔法薬の本?」
香里「ええ、まぁ・・・」
瑞穂「何を作る気でいるの?」
香里「いえ、ただ勉強していただけです。じゃあ、私はこれで・・・」
瑞穂「美坂さん?」
香里「失礼します」
美坂さんは、何かを隠すように練金学室から出て行った
瑞穂「ふ〜む・・・」
先ほど美坂さんが見ていたであろう魔法薬の本を開いてみる
すると、最後のページに折り目を見つけた。
そこは・・・
瑞穂「・・・・エリクサー・・・・」
エリクサーは別名、賢者の石
錬金術において目的となる物質
これを使えば、鉄、銅などの卑金属は金に
生き物に使用すれば不老不死になるとさえ言われている
もちろん、使いようによってはあらゆる病に効果のある万能の霊薬としても使える
瑞穂「一体、何に使うつもりかしら・・・」
すこし、引っかかりを感じつつも私は練金学室の設備の確認を始めた
瑞穂「う〜ん、なかなかいい設備だけどここじゃ賢者の石の生成は難しいかしら・・・」
まぁ、ハンターで使う程度の魔法薬の生成ならここで十分だけど
瑞穂「美坂さん、何か隠してるわね・・・・」
先ほどの美坂さんの行動を思い出しながら、ふと時計を見ると
瑞穂「あら、もうこんな時間」
時計は4時を回っていた
瑞穂「・・・明日、美坂さんに聞いてみましょう」
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