瑞穂「よっと、え〜っと・・・もうみんな集まっているわね?」

私は、実技訓練場の古城前の広場を見渡し生徒を確認した

香里「はい、すでに準備も完了しています」

初めての事で多少緊張している私の質問に香里さんが答えてくれた

瑞穂「ん、わかりました。それでは、今日の授業は皆さんの実力が知りたいので模擬戦を行います」

祐一「それで、どういう感じにやるんです?」

瑞穂「これから、魔法で作ったモンスターを放ちます。その後20分の間、皆さんは散開し各個にモンスターを退治してください。そうそう、その前に皆さんにこれを配っておきますね」

私は、生徒全員に手のひらに納まる位のブローチなようなものを渡した

名雪「瑞穂先生、これは何ですか?」

瑞穂「これは、ソウルカウンター。魔法生物には必ず、魔力の核があるの。で、その魔法生物を倒すと核が放出されるから、その核をこのカウンターで計測するの。つまり、撃破数を自動的に計測するものだと思って。それじゃあ、5分後全員モンスターの掃討を始めてください」

Wind Of Alchemist 

〜錬金術師の風〜  授業初日

瑞穂「それでは、皆さん。各個にモンスターの掃討を始めてください!」

私の合図とともに生徒全員が広場に散った



数分後




瑞穂「さ〜て、私は上から見させてもらいましょうか。風よ、我が翼となれ!」

飛翔魔法で広場を全部見渡せる位の高さまで飛び上がった

瑞穂「ふむふむ、皆さんそれなりに出来るみたいですね。ん、あそこに居るのは・・・・祐くんに名雪さんに香里さんに・・・北川くんかな?」


















地 上 

祐一「はっ!」

祐くんは剣を使い

名雪「契約に基づき、在りしものを凍てつかし氷よ、縛れ、フリーズ」

名雪ちゃんは魔法を使い

北川「よっと!」

北川くんは祐くんと同じく剣を使い

香里「せいっ!」

香里さんは素手を使い着実にモンスターを撃破していた

瑞穂(ふむふむ、確実に数をこなしているようね)

香里「さてと・・・最後はこいつね」

祐一「これはスライムか・・・」

北川「だったら楽勝だな。悪いがこれは俺がいただくぜ! はっ!!」

瑞穂(あ〜、そのスライム少し厄介よ♪)

スライムに向かって北川くんが持っている剣を振り落とすと
『ズバッ』という小気味よい音が聞こえた

北川「よっしゃ! まずは一匹・・・・」

香里「北川君。よく見てみなさい」

北川「へっ?」

北川くんが香里さんに指摘されてその方向を見る

名雪「なんともないね・・・」

祐一「再生、したみたいだな・・・」

香里「生半可な攻撃だと、すぐ再生するみたいね」

北川「じゃあどうすればいいんだよ」

香里「私に任せて・・・・」

香里さんがすうっと右手を前に出し構える

香里「はっ!!」

気合とともに一気に間合いを詰め拳の打撃を加える

香里「美坂流錬気術、爆炎拳!」

グチャ・・・・

ドン!

打撃と同時に拳から爆発が起こり、スライムは消し飛んでいた

瑞穂(へぇ〜。やるじゃない)

名雪「うわぁ〜、香里すご〜い」

北川「いったいどうやったんだ?」

香里「スライムを構成している核に気を爆発力に変換して吹き飛ばしたのよ。核を分離させればスライムは体が維持できなくなるからね。」

北川「な、なるほど・・・」

瑞穂「ん?もう時間ね・・・は〜い、皆さん! 時間です!! 集合してくださ〜い!!!」


















瑞穂「それでは、モンスター撃破数の一位を発表します・・・・えっと、美坂香里さん」

「おおっ」や「やっぱりな」という声が生徒の間から漏れる

瑞穂「で、突然ですが美坂さん、今の模擬戦を見ている限りあなたは実力を出し切れていない。私としてはあなたの本当の実力を見たいので私と一対一で試合を行いたいんですがよろしいですか?」

香里「えっ?」

祐一「珍しいな、師匠が試合をするなんて・・・」

瑞穂「どうですか? 香里さん」

香里「私はかまいませんが・・・」

瑞穂「そうですか。では、他の生徒はこの試合を良く見ておいてください。これから、この授業の後半はこのようなスタイルになります。」

祐一「まさか、師匠・・・」

名雪「どうしたの? 祐一」

祐一「ああ、師匠の顔が楽しそうだから何かあるなと思ってな」

北川「何かって何だ?」

祐一「さぁな」



瑞穂「それでは、香里さん。始めますよ? あ、全力でかまいませんからね?」

香里「えっ? でも・・・

瑞穂「大丈夫ですよ。伊達にS級ハンターではありませんから♪」

香里「わ、わかりました。では・・・・行きます!!」

香里さんは先ほど、スライムを倒したときと同じ突進で距離を詰めてきた

香里「美坂流錬気術、爆炎拳!!」

ドン!!

大きな爆発音とともに煙が舞い上がる

瑞穂「なかなかいいスピードね」

香里「!?」

さっき私の居た場所からまったく正反対の場所・・・つまり先ほど香里さんが居た場所の辺りに私は移動した

北川「おい、相沢。今の見えたか?」

祐一「ああ、風の魔法を使って移動したんだ」

北川(今のが見えたのか・・・相沢もかなり出来るのか?)

瑞穂「じゃあ、防御はどうかしら? 契約に基づき、全てを燃やし紅蓮の炎よ、走れ!フレアドライブ!!」

私が前方に突き出した両手から生じた炎が地を張って香里さんを襲う

香里「くっ! 美坂流錬気術、風刃裂破掌(ふうじんれっぱしょう)!!!」

香里さんは両手を頭上に掲げ、そのまま振り下ろすと真空波が生じ、地を走る炎を切り裂いた

瑞穂「なかなか・・・痛っ?」

急に私の右腕に痛みが走った
何事かと思い見てみると腕が服ごと切り裂かれていた

瑞穂「出血が少ないところを見るとさっきの真空波か、防御と攻撃を同時にやったわけね」

香里「よし!このままたたみ掛ける!!」

チャンスとばかりに香里さんが私めがけて一気に間合いを詰め
両手に溜めた気を一気に開放した

香里「美坂流錬気術、龍気崩衝(りゅうきほうしょう)!!」

「うわっ?」「きゃあ?」
膨大な気の開放によって生じた衝撃が周りで見ている生徒にも伝わった

香里「はぁ、はぁ・・・こ、これでどう!?」

この技は両手に溜めた気を相手の体内に強制的に送り込み、
内部から衝撃を与える今現在、香里さんが出来る最強の技だった。
大量の気を放出した香里さんは少し眩暈を起こしていたが、すぐに私の居た所に目をやった


瑞穂「すぅ・・・・」

香里「そ、そんな・・・」

私はダメージを受けずに静かにたたずんでいた

瑞穂「なかなか、いい技ね。これが決まれば致命的でした。でも、防がれてしまうとまずいですね。今の香里さんのようにほぼ無防備の状態まで体力が減少しますから・・・」

香里「い、いったいどうやって・・・・確かに気を送り込んだはずなのに・・・」

瑞穂「外気功です。体内の気を香里さんの気が送り込まれてくる場所に集中して盾のように防いだと言う訳です」

香里「・・・参りました」

瑞穂「そんなに落ち込むことはありませんよ♪ 気を抜いていたとはいえ私相手に傷を負わせているんですから♪ そうね、もっと気を使い方が上手くなればあなたはさらに強くなると思いますよ」

香里「はい、ありがとうございました」

瑞穂「はい、今日の授業はここまでとします。各々、速やかに戻ること」





祐一「師匠、一体何を企んでるんです?」


ほかの生徒が魔法陣を使って戻っている最中に祐くんが私に話しかけてきた

瑞穂「あら、祐くん。別に何も企んでいないわよ?」

祐一「俺にウソは通用しませんよ」

瑞穂「本当だってば。ただ、香里さんの実力が知りたかっただけ」

祐一「ふ〜ん・・・まぁ、そういうことにしておきますか」

瑞穂「信用無いのね、私って・・・・」

祐一「で、香里の実力はどうだったんです?」

瑞穂「なかなかよ。あの歳であそこまで気を扱えるのはそうそういないし、気の魔力変換なんかも上手いわね」

祐一「へぇ〜」

瑞穂「潜在能力も高そうだし、これからどう成長するのか楽しみだわ♪」

祐一「それが本音か・・・」

瑞穂「あ゛・・・も、もう次の授業だから行かなくちゃ〜〜♪」

私は逃げるように魔法陣に入った

祐一「・・・次は昼休みだぞ・・・・」

祐くんも呆れながら後に続いた

戻る     次へ