香里「では、雪村先生。よろしくお願いします」
瑞穂「・・・かたいわねぇ」
香里「えっ?」
私は、香里さんの言動から緊張していることが見て取れた
瑞穂「もっとリラックスしないとうまく気が練れないでしょ?」
香里「・・・はい」
瑞穂「わかったなら、はい、深呼吸♪ 吸って?」
香里「すぅ・・・・」
瑞穂「吐いて」
香里「はぁ・・・・・」
深呼吸をすると、少しは緊張がとれたように見える
瑞穂「うん、だいぶよくなったみたいね」
香里「はい、ありがとうございました」
瑞穂「いいのよ。じゃ、始めるわよ?」
Wind Of Alchemist
〜錬金術師の風〜 課外授業 其の二
瑞穂「じゃあ、まず限界まで気を練ってみて?」
香里「はい・・・」
すぅっと息を吸い込む
呼吸法が気を練る独特なものに変わる
香里「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
どぅっと地鳴りがし香里さんを中心に衝撃が走る
瑞穂「ふむ・・・・次はその気を体内に集束してから出来るだけゆっくり放出して?」
香里「・・・はい」
香里さんは一度気を体内に溜めた後、両手を前に突き出し気を放出し始めるが急に様子がおかしくなる
香里「!」
ドン!
大きな衝撃が香里さんを中心に放射状に放たれる
どうやら、気の放出に失敗したようだ
瑞穂「あらあら、失敗したみたいね・・・」
香里「す、すいません・・・」
瑞穂「う〜ん・・・」
しばらく、唇に人差し指を当て考え込む
香里「先生?」
瑞穂「香里さん? あなたがこれから行う稽古を教えます」
香里「・・・はい」
瑞穂「まず、気を限界まで練る時間をもっと短くしなさい。そうねぇ、最低で一秒良くて一瞬」
香里「・・・」
瑞穂「それから、気の制御をもっと出来るようにしなさい。とりあえずは気を出来るだけゆっくり放出出来るようにしなさい。最低10分良くて1時間」
香里「・・・」
瑞穂「って、どうしたの? さっきから黙っているけど・・・何か質問でも?」
香里「いえ、そうではなくて・・・父と言ってたことが同じだったから・・・」
瑞穂「お父さん?」
香里「ええ、練気術は私の父が教えてくれたものなんです」
瑞穂「なるほどね・・・そうね、今の美坂さんは例えるならホースから水が垂れ流しの状態ね。もっと気の制御が出来るようになるとホースの先ノズルをつけた状態になるのよ」
香里「?」
瑞穂「つまり、気を自由に操ることが出来るということよ。 こんな風にね」
私は手を地面に置き気を放出する
ドン!
大きな衝撃とともに土煙が上がる
煙の中には半径2メートルほどの穴が開いていた
香里「すごい・・・」
瑞穂「それに、垂れ流しの状態だとすぐに気が無駄になってすぐに息切れしちゃうから気を練り直す回数が増える。故に隙が増えるわね」
香里「なるほど・・・」
瑞穂「とりあえず、当面の稽古として『充纏(じゅうてん)』、気を纏っていない『無纏(むてん)』の状態から気を極限まで纏う『極纏(きょくてん)』の練習をしてください。量の稽古はこれが出来た後にしましょう」
香里「はい、わかりました」
早速、香里さんは広場の中央で練習を始める
瑞穂「さてと、あなた達はどうしたいのかしら?」
広場の端っこにいる二人に声をかける
名雪「えっ?」
北川「どうって・・・・」
瑞穂「黙ってみてるだけじゃこの二人に置いていかれるわよ?」
北川「いや、今日のところは見るだけってことで・・・な? 水瀬?」
名雪「う、うん・・・」
瑞穂「そう? 二人とも素質はありそうだから、稽古すればもっとのびると思うけど・・・」
北川「ご、ご心配なく」
瑞穂「まぁ、強制はしないけどね。じゃあ、今日のところはこれで終わりましょう」
祐一&香里「はい」
瑞穂「みんな、気をつけて帰るように」
「「「「はい」」」」
祐一「と、師匠はこれからどうするんですか?」
瑞穂「そうねぇ、今日は真っ直ぐ帰るわよ」
祐一「わかりました」
名雪「私たちは百花屋に行くよ〜」
瑞穂「百花屋?」
祐一「喫茶店の名前です」
名雪「イチゴサンデーが美味しいんだよ!」
あらあら、名雪さんったら嬉しそうね
瑞穂「あまり遅くならないようにね」
名雪「あれ? 瑞穂先生は来ないの?」
瑞穂「今日は遠慮しておくわ」
北川「残念だな、色々美味しいメニューもあるんだけど」
瑞穂「ごめんね」
祐一「じゃあ、秋子さんにはそう伝えておいてもらえますか?」
瑞穂「了〜解」
ガチャ
秋子「お帰りなさい」
瑞穂「うわぁああ!」
秋子「どうしました? 瑞穂さん」
瑞穂「そ、そりゃ、玄関あけていきなり声かけられれば誰だって驚きます」
秋子「あら、それはごめんなさいね」
くすくすと笑いながら謝る秋子さん
あ、でも、確信犯だなこの人
瑞穂「あ、祐くん達、百花屋に寄るそうですよ」
秋子「そうですか。瑞穂さん、これから、夕食の準備を始めるんですけど、もしお暇でしたら手伝ってもらえます?」
瑞穂「ええ、よろこんで。で、何を作るんです?」
秋子「今日は中華にしようかと」
瑞穂「なるほど」
手伝いと言っても料理のほとんどは秋子さんがやってしまい、
私は、雑務をやっていた
夕食の準備が終わった頃に祐くん達は帰ってきた
祐一&名雪「ただいま〜」
秋子「おかえりなさい、夕食の準備は出来ているから着替えたら降りてらっしゃい」
祐一「わかりました」
名雪「うん」
トントントンと階段を上がっていく
しばらくすると、着替えた祐くんと名雪ちゃんが降りてきた
秋子「じゃあ、夕食にしましょうか」
「「「「いただきます」」」」
夕食が終わって私は自分の部屋に戻る
瑞穂「さてと、今はすることがないわねぇ・・・」
はっきり言って暇だった
瑞穂「久しぶりに飛びに行きますか」
私は、暇なときは気ままに空を飛んでいた
理由は、夜の空を飛ぶのは好きだから
ただそれだけ
部屋を出ると玄関に向かうと
秋子「あら、瑞穂さん。お出かけですか?」
瑞穂「ええ、ちょっと飛びに」
秋子「そうですか・・・・」
私が暇な時飛びに行くのはハンター学園の時からで
もちろん秋子さんはそのことを知っている
だから、この会話が成り立つ
瑞穂「そんなに遅くならないと思いますけど」
秋子「わかりました」
瑞穂「では」
玄関を出ると、道の中央に立つ
瑞穂「契約に基づき、大気を流れし風よ、我を運ぶ翼となれ!」
フワッと身体が宙に浮く
瑞穂「よし、とりあえず適当に」
漆黒の空を自由気ままに飛び回る
夜と言うこともあって、何も障害はない
そして、いつの間にか学校に向かって飛んでいた
すると
ドクン・・・
瑞穂「!?」
なに? 今の・・・
身体を何かの鼓動が走った
瑞穂「学校に・・・何か・・・・いる?」
その鼓動が学校から来るものだと悟った
瑞穂「とりあえず、確かめてみなくちゃ・・・」
私は、学校へと向かった
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