とん・・・

学校の門付近に降り立った私は、先ほどの鼓動の

原因を探すために校内に入ろうとしたが・・・

ガチャ・・・

瑞穂「鍵かかってる・・・」

夜なのだから当たり前だろう・・・
仕方ない、飛び越えるか・・・

瑞穂「よっと」

風の力を利用して、高さ2メートル以上ある門を越えた

ドクン・・・

瑞穂「! また?」

先ほどの鼓動がまた起きた

瑞穂「とりあえず、中に入ってみましょ」

さぁ、入ろうと玄関の扉に手をかけてみると

ガチャ・・・

瑞穂「あ、また・・・」

鍵がかかってた

Wind Of Alchemist 

〜錬金術師の風〜  深夜の出会い


仕方ないので、色々と開いている扉がないか探してふと気づく

瑞穂「普通は全部の扉に鍵かかっているわね」

この学校は宿直というものがないため夜は全ての扉に施錠するとのこと
しかも、それ気づいたときが扉は最後だと思われる職員用の玄関の前

瑞穂「まぁ、最後だしね。ダメもとで試してみようかな」

半分あきらめ加減で扉に手をかけ、引いてみる

ガラ・・・

瑞穂「開いちゃったわね・・・・」

不用心だと思いつつも中に入る


中に入ると、まず違和感が身体を包んだ

瑞穂「なにこれ・・・」

学校の中の空気が昼間と全く違うのだ
まるで刺すような感じの空気

瑞穂「これは・・・」

私は、これが何であるか知っていた

これは、高密度の魔力が充満しているときに起こる現象
でも、通常ではあり得ない
これほどの魔力が充満するには、非常に高い魔力を持つ者が
この空間にいると言うこと

瑞穂「まさか、魔族が転移してきた?」

確かに魔族であればこれほどの高密度の魔力を空間に放出すること
もできるが・・・

瑞穂「いや、それはあり得ない」

私たちと別次元に住んでいる魔族がこの次元に来るには
次元と次元を繋ぐ門(ゲート)を通ってこないとならない
特に、高魔力の魔族になるとゲート
の大きさが半端ではない
しかし、このゲート開くためには多くの条件が必要となる
だから、故意にこちらから召喚しない限り
現れることがないのだ

瑞穂「じゃあ、いったい誰が・・・」

玄関から奥の廊下へ歩いてみる

ガシャン!

不意にガラスの割れる音が校舎中に響き渡る

瑞穂「な、何事!?」

突然のことで、少し驚いたが音の発生源へと走り出す

そして、セカンドクラスの教室の前に来ると
二つ、影があった

一つはどこかで見たことのあるような・・・

「・・・師匠?」

瑞穂「へっ? 祐くん?」

みると、壁にもたれかかっている祐くんを見つけた

祐一「いつつ・・・師匠なにしてるんです? こんなところで」

瑞穂「それはこっちの台詞よ、祐くんこそこんなところで――――!」

祐くんとの話で忘れていたが、もう一つの影が動いた

ガキィン

金属音がした方へ顔を向けると、剣を持った少女が目に見えない何かの攻撃を防いでいた

少女「くっ!」

少女が、力任せに剣を振り抜くと

ズバッという何かを切った音が聞こえる
一瞬、空間が歪むがすぐに元に戻る
しかし、未だに敵の正体が見えない

瑞穂「視覚は出来ないか・・・」

でも、確かに気配は感じることが出来る

どうやら、少女は気配のみで戦っているらしかった

瑞穂「腕はなかなかということかしら」

少女はしばらく、剣を構えていたが気配が完全に消えたことを察したのか

剣を鞘に収め、スタスタと奥に歩いていこうとする

祐一「ちょ、ちょっと待てってば。人が殺されかけようとして説明もなしはないだろう?何で俺が襲われなくちゃならない?」

少女の足が止まる

祐一「い、いや、別に怒っている訳じゃないぞ。だから・・・」

少女「私は魔物を討つ者だから・・・」

そういうと、少女は薄闇の奥に消えていった





瑞穂「大丈夫?祐くん。なにがあったの?」

まだ、壁にもたれかかっている祐くんに問いかける

祐一「実は、名雪に借りたノートを取りに来たんですよ。そしたら、さっきの女の人がいて、ああだこうだ聞いてるうちに、急に何かにはじき飛ばされて壁にもたれかかっているところを師匠が来たんです」

瑞穂「そういうこと・・・で、ノートは?」

祐一「あ、もう取ってきました」

瑞穂「そう、じゃあ帰るわよ。その怪我の手当もしないといけないし」

祐一「・・・はい」

瑞穂「っと、その前に」

私は、割れた窓の前に立つ

瑞穂「直しておかないとまずいでしょ」

錬金術を使って窓を直しておく

瑞穂「さ、行くわよ」
































祐一「ただいま・・・」

瑞穂「ただいまぁ」

名雪「おかえり」

家に着くと、半纏を着た名雪ちゃんが出迎えてくれた

祐一「ほら、戦利品」

祐くんが、ノートを渡す

名雪「ありがとう・・・って祐一、なんか顔腫れてるよ?」

祐一「ああ、実は魔物に襲われたんだ」

名雪「うそ・・・」

瑞穂「ほんとよ、なぜか学校にいたの。で、悪いんだけど祐くんの手当てしたいから秋子さんから薬もらって来てくれないかしら?」

名雪「うん、わかった」

瑞穂「私の部屋にお願いね」

うんと、うなずくと名雪ちゃんは居間に走っていった




瑞穂「さぁ、入って?」

私は、祐くんを部屋に入れる

祐一「うおっ!?」

祐くんが驚きの声を上げる

瑞穂「どうしたの?」

祐一「どうしたのって、どう考えても部屋広くなっているでしょ?」

瑞穂「うん♪」

祐くんが驚くのも無理はない
元は、祐くん達の部屋と同じくらいの広さだったのだが
いろいろと、錬金術の研究をするために
部屋の大きさを3倍にしたのだ

祐一「なにしたんですか?」

瑞穂「なにって、空間を弄って伸長しただけ」

祐一「・・・・」

あ、祐くんが呆れてる

瑞穂「とりあえず、早く入りなさい」

祐くんの背中を押して部屋に入れる

しばらくすると、名雪ちゃんが秋子さんから薬をもらってきた

名雪「わっ、部屋が広いよ」

祐くんと同じリアクションをしていた









祐一「結局、あれ何だったんだろう・・・」

一通り手当てが終わり、落ち着いたところで祐くんが、ぼそっつぶやく

瑞穂「さぁね、ただわかっていることは、あの少女が相手にしているのはかなりの高魔力の持ち主と言うことかしら」

まぁ、もう一つわかっているんだけどね・・・

瑞穂「どういう理由であの子が戦っているのかわかないけど、このまま一人にさせるわけにはいかないわね」

祐一「・・・」

瑞穂「祐くん」

祐一「ん? 何ですか?」

瑞穂「あなた、これから毎晩学校に行きなさい」

祐一「いいですよ」

瑞穂「あら? ずいぶん素直ね」

祐一「俺も、あいつが何をしているのか興味ありますしね」

瑞穂「そう、じゃあ頼んだわよ。鍵は私が麗子に頼んでおくから。私は、あのこの言う魔物の方を調べてみるわ」

祐一「わかりました」

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