瑞穂「ねぇ、麗子ちゃん。一つ聞きたいことがあるんだけど」

麗子「何ですか? 先輩」

朝、学校に来て一番に園長室に入り麗子ちゃんに質問をした

瑞穂「校内に魔法生物に放ってる?」

麗子「いえ、そんなことしませんよ。どうかしました?」

瑞穂「ん〜ん。何でもないわよ」

麗子「怪しいですねぇ・・・」

瑞穂「・・・・」

麗子「話してください。悪いようにはしませんから」

麗子ちゃんの目が私を真っ直ぐ見つめる

瑞穂「・・・・そうね。でも、内緒にしておいてもらえる?」

麗子「・・・わかりました」

瑞穂「じゃあ・・・・」

Wind Of Alchemist 

〜錬金術師の風〜  偽りの罪

私は、昨日の夜のことを話した

麗子「そうですか・・・」

瑞穂「その子、ここの制服来てたからこの学校の子だと思うんだけどね・・・」

麗子「先輩、その子の容姿を覚えてます?」

瑞穂「まぁ・・・」

暗闇で、詳しくは見えなかったが見えた限りのことを麗子ちゃんに話す

麗子「その子は・・・・おそらく川澄さんですね」

瑞穂「川澄・・・」

麗子「川澄舞。クラスはサード、使用武器は刀、流派は天翔夢陣流、得意魔法は自然魔法、っとこの子のデータはこんなものですね」

瑞穂「麗子、天翔夢陣流って?」

麗子「川澄家に伝わる剣術です。かなりの歴史があるとのことですよ」

瑞穂「なるほど、それであの時あの身のこなしを・・・でも、なんで川澄さんはハンター学園に?」

麗子「さぁ、よく分かりませんがあの子曰く『守らなくちゃいけないから』とのことですけど。こちらとしても入学に関して不備な点はありませんでしたから許可しましたけどね」

瑞穂「そう・・・でも、とりあえず一人で校内を彷徨かせるわけにないかないでしょ?」

麗子「まぁ、それはそうですけど・・・」

瑞穂「で、提案なんだけどうちの祐くんを川澄さんに付かせたいと思うんだけど」

麗子「相沢くんをですか?」

瑞穂「そう。本人もやりたいって言っているし、もちろんそのときあったことは私に報告してもらうようになっているけど」

麗子「そうですか・・・そう言うことなら、許可しましょう。鍵の件も夜に限っては職員玄関を開けておくことにしましょう」

瑞穂「ありがとう。私はあの子の戦っているモノの正体を調べてみるわ」

麗子「はい、お任せします。・・・あ、先輩」

瑞穂「ん?」

麗子「一つ、お教えしておきます。川澄さんですけど、校内の生徒の間ではあまり評判はよくありません」

瑞穂「え? どうして?」

麗子「先輩がくる前に校内の窓ガラスが大量に割られたということがあったんですけど、その割れたガラスの近くに川澄さんのリボンが落ちてたそうなんです」

瑞穂「まさか、それだけで川澄さんが割ったと?」

麗子「ええ。私は川澄さんが割ったという証拠はありませんからあからさまに信じてはいませんが、生徒会の生徒が川澄さんが割ったと決めてかかっているそうです」

瑞穂「・・・・」

麗子「・・・すみません」

瑞穂「ん? 何で謝るのよ」

麗子「先輩がこういうのを嫌いだと知ってて話したモノだから・・・」

瑞穂「別にかまわないわよ。 でも、早く解決してあげないと川澄さんが可哀想だわ」

麗子「そうですね。私は立場上、表だって行動できませんが協力は喜んでします」

瑞穂「じゃ、そろそろ私は行くわね」

じゃあねと私は校長室を出る









































瑞穂「ん?なにかしらあの人だかりは・・・」

廊下を歩いていると、窓の近くに人だかりが出来ていた

瑞穂「あ・・・」

近付くと理由が分かった

窓ガラスが見事に粉砕されていた

「まただわ・・・」

「やっぱりあの人がやったのかしら?」

「これで何度目だよ・・」

ひそひそと噂声が聞こえる

瑞穂「ふぅ・・・」

根も葉もない噂を聞き、少し気分が悪くなる

瑞穂「ちょっと退いてくれる?」

割れたガラスの周りにいる生徒を退かす

瑞穂「・・・・」

ジジジ・・・

昨日の夜やったのと同じように錬金術で窓ガラスを直す

瑞穂「さぁ、HRが始まるわよ。みんな戻りなさい」

私のやったことに呆気にとられている生徒を促す

瑞穂「朝から厭な気分だわ」

「全くですね」

私の独り言に返答してくる声

瑞穂「誰?」

「これは失礼、雪村先生。私は久瀬浩一と申します」

瑞穂「久瀬くん?」

久瀬「はい。それにしても、いい加減やめて欲しいものですよ、彼女には・・・」

瑞穂「彼女?」

久瀬「おっと、これは失言でした。では、そろそろ私も失礼します」

久瀬と名乗った生徒はスタスタと歩いていってしまった

瑞穂「・・・・」

あの久瀬って生徒なんとなく嫌な感じがするわね・・・













































午前の授業が終わり職員室に戻ろうとしたときに
職員室の前にいる祐くんを見つけた

瑞穂「あら? どうしたの祐くん」

って、隣にいる女の子は誰かしら・・・

祐一「あ、師匠。ちょっと友達を待ってるもので」

瑞穂「そう。で、隣の子は誰かしら?」

祐一「ああ・・・」

「倉田佐祐理と申します」

瑞穂「倉田さんね。それで、誰を待っているの?」

祐一「えっと・・・」

祐くんが倉田さんに聞こえないように私に話しかけてきた

祐一「昨日の夜の女の子です」

瑞穂「ああ、川澄さん?」

祐一「そうです・・・ってなんで知ってるんです?」

瑞穂「なんでって、一応、教師だからね。って川澄さんが何をしたの!?」

佐祐理「あの・・・その・・・」

ふと、職員室をのぞくと川澄さんとおそらくサードの担当教師と朝に会った久瀬くんが立っていた

瑞穂「まさか・・・」

私はガラッと勢いよく職員室の戸を開けズカズカと川澄さんの元に行く

瑞穂「お話し中、失礼ですが」

教師「ん? 雪村先生ですか、今取り込み中で後にしてもらえ――――」

瑞穂「今朝の窓ガラスの件、川澄さんが関与しているとは思えません!」

教師「なぜそのことを?」

瑞穂「その現場を見ましたし、窓ガラスの処理も行いました」

久瀬「雪村先生、窓ガラスが割られたのはこれで3度目。最初に割れたときに彼女のリボンが落ちていたのですよ?しかも、そのときに川澄さんは何一つ話してはくれませんでした。それは彼女になにかやましいことがあるからではありませんか?」

瑞穂「久瀬くんの言っているのは結果だけで過程がありません。リボンが落ちていただけでは彼女が割ったという理由にはなりません。それに今朝の窓ガラスの件でも川澄さんが割ったという証拠はありません。それとも久瀬くんは、川澄さんがガラスを割ったところを見たと?」

教師「・・・・」

久瀬「・・・・」

舞「・・・・」

瑞穂「・・・・」

私は、サードの担当教師と久瀬くんを思いっきり睨んでやった

教師「た、確かに雪村先生の言うとおりだ。分かった、今回は注意と言うことにしよう。しかし、川澄も何か言ってくれないとこちらとしても判断に困る」

舞「・・・・」

瑞穂「寛大な処置ありがとうございました。では、川澄さん行きましょ」

私は川澄さんの手を取って職員室を後にした

久瀬「くっ・・・・」





瑞穂「お待たせ♪」

祐一「あ、師匠・・・舞を助けてくれたんですか?」

瑞穂「私は、事実を言ったまでよ。大体、根も葉もない噂で人を犯人呼ばわりするなんて許せないわ。それに、窓ガラスを壊したのは川澄さんじゃないってのは私も知ってることだし」

佐祐理「先生、ありがとうございました。ほら、舞もお礼言わなきゃ」

舞「・・・ありがとう」

瑞穂「いえいえ、どういたしまして♪ それにしてもお腹空いたわねぇ・・・」

佐祐理「それじゃあ、私たち3人と一緒にお昼にしませんか?」

瑞穂「え、いいの?」

佐祐理「はい、舞を助けてくれたお礼です。それに大勢で食べた方が美味しいですし」

瑞穂「そう? それじゃお言葉に甘えて」

私は、倉田さんの申し出を快く受け取った






























瑞穂「そう、久瀬くんは生徒会の役員なの・・・」

昼食が終わり何となく久瀬くんの話になった

祐一「俺は、ああいう態度のやつは嫌いだな」

瑞穂「同感」

特に自分は他とは違うのだと言うのを鼻にかけているやつは生理的に嫌悪してしまう

佐祐理「でも、今回は舞が何も処分を受けなくてよかったです」

瑞穂「? 今回?」

佐祐理「あ・・・・」

失言だったのだろう、倉田さんはバツの悪そうな顔をして俯いてしまった

瑞穂「よかったら話してくれる? 私、出来る限り川澄さんの力になりたいから」

佐祐理「でも・・・」

ふと、倉田さんが川澄さんに目を向ける
川澄さんは、「私のことは大丈夫」と言ったような視線を倉田さんに送っていた

佐祐理「・・・・最初に、窓ガラスが割られたときに舞のリボンが落ちていたのを誰かが見つけて舞が職員室に呼び出されたんです。」

瑞穂「あ、その話は聞いたわ」

佐祐理「でも、舞は何も言わなくて・・・それから舞は一部の先生達や特に生徒会の人たちから目をつけられるようになったんです。それで、こういうことがあるとすぐに舞が呼び出されて・・・でもやっぱり、舞は何も言わなくてただ先生からお説教受け続けて、下された処分に従うだけ」

祐一「処分?」

佐祐理「前は、停学でした」

瑞穂「・・・呆れた」

祐一&佐祐理「えっ?」

瑞穂「何も言わない舞さんも舞さんだけど、リボンが落ちていたという結果だけを重視して舞さんを犯人にしてしまう教師と生徒会にね」

自分の立場的には学校側なのだが、自分からそうなった気はさらさら無い
ただ、どう見ても教師と、特に生徒会の短絡的思考に憤りすら感じてしまう
あとで、麗子に問いつめて見なきゃ


瑞穂「改めて言うけど、私は川澄さんの味方だから、何かあったらすぐに言ってちょうだい」

佐祐理「はい、ありがとうございます」

舞「・・・ありがとう」

瑞穂「さて、そろそろ時間ね。倉田さん、お弁当美味しかったわよ。今度は私も作ってくるから」

佐祐理「はい、楽しみにしてますね」

瑞穂「じゃあ、みんな時間までに次の授業の準備をしておくようにね」

「「「はい」」」

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