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不審な電話への対応の仕方を教える

 

宍戸威之(北海道・TOSSオホーツク)

不審な電話がかかってきたとき、どう対応するのか。低学年にもきちんと教えておく必要があると思います。
 

 

■特殊学級にあったおもちゃの電話を教室に持ち込んだ。

「今日は変な電話がかかってきたきどうすれば良いのか勉強します。」

そういって一人の子を前に出した。

その子と電話ごっこをして見せる。子どもは興味津々である。

「もしもし。」

それだけで子どもたちは笑っている。

「もしもし。どちらさまですか?」

今ね、K君とってもいいことを言いました.何かわかりますか。そうです。どちら様ですかって聞いたでしょ。

「相手が誰なのかきちんと聞くのはとっても大事なことです。」

そういって黒板に「名前を聞く」と書いた。

「もう一回やってみるよ。」

「もしもし。」

「もしもし、どちら様ですか。」

「私は給食センターに勤めている宍戸というものです。ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな。」

「はい。」

「あのね、今給食のアンケートをとっているんだけど、そのために他の友達の電話番号も知りたいの。お友達の電話番号教えてくれるかな?」

「はい。」

今ね、K君『はい』っていっちゃったけど、これはまちがいです。

そういうと子どもたちは「え?」という顔つきになった。

「あのね、知らない人に電話番号を教えてはダメなんです。どうしてかと言うと電話番号を聞き出して悪いことに使ったりする人がいるからです。」

子どもたちは真剣に聞いている。

そういって黒板に「電話番号は教えない」と書いた。

教えたくないときはどうすればいいのかな。そうだね。『いやです。」ってはっきりいえばいいんだよ。みんなでいってごらん。『いやです』 そうそう、上手。

「じゃあ続きをやってみるよ。」

そういってもう一度やった。

今度は、住所も聞き出そうとした。

それも良くないことを伝え、「住所も教えない」と板書した。

最後に「よーしじゃあ、今から君のうちに行くからね。」と脅した。

そのときもまた「いやです」と言って電話を切ればいいことを教えた。

一通り教えてから、別な子を前にだして、上手にできるか、もう一度はじめからやってもらった。

終わってから「いやです、ってはっきりいえましたね。とても上手です。」

と大いにほめた。

そして、その後、学校から出された不審な電話についての文書を読んで聞かせた。

子どもたちは真剣に聞き入っていた。

【反省点】 上記の実践について、TOSSオホーツクの水野氏から以下のようなコメントをいただいた。

難しいところですね.  大切だとは思うのですが…  他人に対する不信感を育てるのは正の教育とは思えません.  むしろ負でしょう.  ただ,時代がそのような危険な状況になっているので  仕方なく教えているというのが現状ではないでしょうか.  低学年のうちからそのような負の教育をしていくことに悲しさを覚えます. (この実践の良し悪しは別ですよ)  そのような思いがあって,この実践があると思うのです. 論文にそのような雰囲気が出ていれば許せたのですが,  論文には実践したことだけがあります.  そこがひっかかりました.私なら「子ども自身に拒絶を教える」という方法は取らなかったように思います. 「今はおうちの人がいないので答えられません」  というように「大人の判断」を媒介にすることを教えたと思います. そうすれば,子どもの子どもらしいところはまもれ,不審者にも対応できると思います.

確かに「いやです」と言うことを指導したとき、「悪いことをする人もいる」と言った時、違和感を感じた。

低学年には低学年にあった、あるいは小学生にあった言葉や対応を教えるべきである。

 

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