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表紙の授業

一年生最初の算数の授業はこれで決まり

実践・作成者:宍戸 威之(北海道・TOSSオホーツク)

 一年生になってはじめての授業。
楽しく、そしてどの子にも成功体験を味あわせたい.

 1年生の最初である。「教科書」という言葉すら知らない子どももいる。
 そう言ったことをしっかり押さえて授業する。

まずは教科書を出すところから指導する。

「『あたらしいさんすう』と書いてある本を出しなさい。」

必ず教科書を手に持ちながら指示をだす。

言葉だけでは理解できない子もいるからである。

もし、机の上にすでに出している子がいたらすかさず誉める。

「えらい。○○さんはもう机の上に出している。」

机の中から探すことができた子がいたらすかさず誉める。

「えらい。ちゃんとおんなじのを出すことができた。言われてすぐできる人は立派だなあ。」

なかなか机の上に出せない子もいる。

出そうとしてあせってしまい、机の下に落としてしまう子もいるかもしれない。

そういった子が悲しい思いをしないために、決してあせってはいけない。

「お隣さんがまだの人は手伝ってあげてくださいね。」

そう言うと子ども達ははりきって手伝う。

「○○さん、ありがとう。とっても助かるよ。」

全員が教科書を出したところで説明する。

「この本を『算数の教科書』と言います。みんなで言ってごらん。」(さんすうのきょうかしょ)

「とっても上手。今度から先生が『算数の教科書を出しなさい』といったらこの本を出すんですよ。」

子ども達、うん、うんとうなずく。

「できるかなあ。」(できる。、できる)

「じゃあ、練習してみるよ。算数の教科書を机の中にしまってください。」

一度机の中に教科書をしまわせる。

「先生が、算数の教科書を出しなさい。って言ったら、さっと教科書を出すんですよ。」

子ども達やる気満万である。

「算数の教科書を出しなさい。」

子ども達さっと教科書を出す。

「わあ、○○さん早い。○○さんも早い。みんな早いなあ。早く準備できる子はお勉強ができるようになります。」

なぜ早く準備するのか、趣意説明も簡単にする。

「もう一度やってみるよ。今度は5秒以内で出すことができたら合格です。」

変化ある繰り返しでもう一度行う。

「うわあ。すごい早い。こんなに早く準備できる1年生見たことない。」

子ども達「もっと早くできるよ。」と言ってくる。

「本当、じゃあ今度は3秒以内。できるかなあ。」

もう一度やってみる。

「うわあ。さすが○○小学校の一年生。みんなとっても立派です。」

教科書を出す練習をしながらたくさん誉める。

今度は表紙を見ながら問題をだす。

「(教科書を見せながら)この中にはある秘密が隠れています。どんな秘密が隠れているのでしょうか。」

子ども達は、食い入るように教科書の表紙を見る。

「見つけた!!ハイ!!」

「ハイ。○○さん。」

「数字が隠れています。」

「すごいなあ。良く見つけたなあ。どんな数字が隠れていますか?」

「ハイ!!」

子ども達は我先にとばかりに手をあげる。

ここで挙手の仕方を指導する。一度手を下ろさせる。

「手を上げるときには『ハイ』といわずに黙って手をあげます。まだ考えている人もいるからです。もう一度

聞きます。どんな数字が隠れていますか?」

思わず声を出す子もいる。そんなときはにっこりと微笑んであげれば良い。間違いは誰にだってある。

黙ってさっと手を上げた子に指名する。

「7です。」

「7.」と言いながら黒板に数字の7を大きく書く。

「すごい。どこに隠れているのかな。指差してごらん。」

「みんな探せたかな?では他にもありますか?」

そうやって1から9までの数を出させる。

子どもの中には「女の子のめがねも8だ」と発見する子もいる。

そういう子は「教科書を良く見ているなあ。教科書を良く見ている子は賢くなる。」と誉める。

黒板には1から9まで順番に数字を書いていく。

「みんなよく見つけましたね。では念のために数字を読んで見ましょう。」

そういって、1から9まで順番に読ませる。

「すごいなあ。じゃあ、これでも読めるかな。」

と言って、数字の三分の一だけ消す。

「よめる、よめる。1,2,3・・・」

子ども達、声をそろえて読む。

「すごいなあ。じゃあ、これは。」

と言って今度は数字の下半分を消してしまう。

「ぎゃあー。でも読める!!」

子ども達、大張りきりである。

「スーパー1年生!!じゃあ、これはどうでしょう。」

といって全部消してしまう。

これも当然全員読める。

「すばらしい。とっても賢い1年生です。」

最後は教科書の後ろに名前がきちんと書いてあるかどうか確認して終了。

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