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文を長く書かせる指導(もう一つのドラマ)

 

宍戸威之(北海道・TOSSオホーツク)

 青坂信司氏の「文を長く書かせる指導」を追試しました。青坂信司氏の「文を長く書かせる指導」 1117023
 そのとき、4月当初ひらがながを全く読めなかった子が、はじめて自分の力で作文を書きました。

 

これから先生のすることを、できるだけ長い文にしてもらいます。

そういって、教室を出ました。

教室にはいって電気をつけたり消したりしてから、机にすわりました。

S君も真剣に見ています。

「書きなさい」と指示した後、「先生!!」とS君が私を呼びました。

文を書くときはS君に書きたいことを言葉で言わせ、それを私が赤鉛筆でうすく書いてあげて、写させるようにしていました。

今日は書くのを途中でやめて、「後は自分でかいてごらん」といってやらせてみました。

しばらくしてからまた見に行くと、ノートにつぎのように書いていました。

つくえに大かいおとをだして

私はそれを見て、

「これ自分で書いたの?」と聞くと、

「うん。」

というので、

「すごいじゃない。自分でこんなに書いたの?すごい、すごい。」

といって、三重丸をつけてあげました。そしてCとつけました。

「Cだけど、自分で書いたのはすごい。だから三重丸。」といってもう一度ほめました。

その後、その場を離れるとまた書き始めていました。

しばらくしてからまた見に行くと今度は、

先生のとおかいおとおだ いすにどと大かいとおだした。

と書いていました。

さっきよりも長く書いていました。

「また書いたの?さらに書けているよ。すごい。」

といって大きく2重丸をつけ、Bとつけました。

S君もうれしそうです。

隣の女の子を「S君、すごい。」とほめていました。

さらに、もう一度同じ動作をやって見せて、しばらくしてから見に行くと今度は次のように書いていました。

先生はどわおあけて でんきおつけて いすわて つくえにどとやて おこたかんじだ。  

それを見て、

「うわーこんなに書いたの。すばらしい。」

といって八重丸をつけて、B丸をつけました。

S君大喜びです。

その作文はさっそくコピーしました。  

S君は入学当初、ひらがなを7文字しか読めませんでした。

よめるひらがなは、自分の名前だけでした。

最近になってようやくすべてのひらがなを読めるようになりました。

しかし、自分で文を書くことはまだまだ先だと思っていました。

「文を長く書かせる指導」によって、書けなかった子も書けるようになるドラマが生まれました。

 

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