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別 海 町 議 会 
〜海兵隊問題に関する一般質問〜
( 前 半 ) 


2000年3月15日(平成12年度第1回定例議会)・・・

午前11時22分 再開

〇議長(小原長俊君)
休憩前に引き続き、一般質問を再開いたします。
3番中村議員、登壇願います。

〇3番(中村忠士君)
通告に従い、質問いたします。
第1は、海兵隊移転訓練についてであります。
その1は、矢臼別演習場での4年連続の移転訓練が通知されるまでの経過等についてであります。
昨年9月、3回目の矢臼別における移転訓練が行われる際、海兵隊側は2000年度、平成12年度の失臼別演習場での訓練はないとの態度を表明していました。当時新聞報道では次のようになっています。
「米海兵隊の複数の幹部は、矢日別演習場での来年の実弾砲撃訓練は行わない方針であることを明らかにした。」99年9月7日の北海道新聞
「沖縄に駐留する米軍第3海兵隊第12海兵連隊第3団体の広報担当幹部は、6日、来年の米海兵隊による本土移転訓練について、矢臼別演習場では訓練が予定されていないと述べた」同 読売新聞
「米海兵隊側は、来年の演習について、失臼別以外の他の4演習場ですることが決まっているとも述べた。」同朝日新聞。
 こういうことでしたが、ことしになって、2月21日に防衛施設庁は、矢臼別演習場での4回目の移転訓練を6月に実施すると公表しました。不可解なことですし、突然の発表に驚いた町民も多かったのではないかと思いますので、町の説明を求めたいと思います。
 まず、通知に至る経緯と、通知後、町がとられた行動経過をお間さしたいと思います。
 第1は、通知に至るまでの経緯についてです。昨年9月段階の新聞等の報道については、承知しておられましたか。昨年9月から本年2月21日より前の期間に、国、道、または米軍から2000年度の移転訓練について、何らかの説明はありましたか。その間、町は何らかの説明を国、道、または米軍に求めましたか。本年2月の通知を受ける前までの町の認識はどういうものでしたか。
 第2は、通知そのものと、通知後、町はどのようなことをなさつかということです。県道104号線越え実弾射撃訓練の分散実施について、平成12年2月21日、防衛施設庁という文書以外に何か説明はあったのでしょうか。あったとしたらどのような内容でしたか。新聞報道等により、多くの町民がことしの海兵隊砲撃訓練はないと思っている状況が歴然としてある中で、もし、何の説明もなかったとしたら、住民の気持ちを無視した、全く不親切なやり方だと思いますし、町民の代弁者として、町当局は最低限、国あるいは米軍に対し説明を求めるべきと思いますが、そのようなことはなさったのでしょうか。現在までの経緯を含め、町の説明と見解をお間さしたいと思います。

 その2は、本土移転訓練は、沖縄と同質、同量が実施前の約束であったということに関連した問題です。沖縄海兵隊のキャンプハンセンでの砲撃訓練は、沖縄金武町の調べでは、復帰後24年間だけでも訓練回数、延べ180回で4万3,940発の実弾が撃たれたことになつています。これ自体すさまじい数ですが、全国5カ所を使っての移転訓練では、24年間で撃った約4万4,000発の既に30%近くの実弾をたった3年間で撃っています。沖縄で行っていた実弾訓練の2倍ないし3倍の規模であり、さらに、トーマス・ケリー司令官は、5カ所すべてで訓練を行ったあと、次のように語っています。
「すべての演習場で異なったすばらしいメリットがある。矢臼別演習場は広かったので奮進弾という、通常よりも射程が長い弾を使用し、最大射程距離で訓練することができた。また、王城寺原演習場は狭かったが、21世紀に増大すると見られる都市部の紛争を想定し、限られた場所に正確に射撃する訓練を実施した。日出生台演習場は、標高が高く、寒い天候での訓練を経験できた。沖縄では、実施できなかったさまざまな訓練を移転先で行うことが可能になり、大変感謝している。」
 つまり、沖縄で得られない大きなメリットを移転訓練では得ることができると海兵隊司令官みずからが言明しているのであります。沖縄では実施してこなかった夜間訓練も移転訓練では行っています。
 これらの事実は、移転訓練が量、質ともに沖縄での訓練をはるかに超えたものになっていることを浮き彫りにしています。こういう事実を前にしてもなおかつ沖縄と同質、同量と町は言い続けるのでしようか。
 町長は、同質とは155ミリ槽弾砲の実弾砲撃訓練を指し、同量とは年間4カ所、各10日以内を指すと常々おっしゃっていますが、その論理では155ミ横弾砲で10日以内であれば、1日に何千発撃っても問題にしない。演習場内でどんなことが行われようと構わないということになってしまうのではないでしようか。米国の軍事戦略、とりわけ、海兵隊の任務内容、訓練の本質を見据えて調整に当たっていかなければ、海兵隊を引き受けた自治体の行政執行者としては、極めて無責任な立場に陥らざるを得ないと思う次第でありますが、見解をお聞かせ願いたいと思います。

 その3は、4年連続の移転訓練を通知された町の今後の対応についてです。
 とりわけ、情報収集並びに町民の声、要望を海兵隊当局に伝える問題についてであります。まず、今後の対応についての町長並びに町当局の基本姿勢についてお伺いいたします。
 さきの実弾射撃訓練の分散実施についての文書を見ますと、問い合わせ先が防衛施設庁実弾射撃移転訓練実施支援本部となっています。対策本部とか、調整本部ではなく、訓練の実施を支援する。海兵隊をサポートする。つまり、スタンスを米海兵隊の方に置いていますよということを明確にしている名称であり、そういう性格を持った組織であろうと思うのですが、町としては、この組織についてどのような理解をされていますか、まずそれをお伺いします。
 次に、町長並びに当町局は、スタンスを町民の側に置くのか、海兵隊の側に置くのか、基本姿勢としてどういう立場をおとりになるのかお聞きしておきたいと思います。
 さて、今までの町の姿勢を拝呈していて思うのですが、海兵隊その後の、及び移転訓練についての情報を、町独自で収集することについて消極的でありました。反論があればお間さしたいと思いますが、前回私が申し上げました実弾射撃の弾数の問題につきまてしても、騒音震動調査の件につきましても、あるいはNBC訓練実施の有無や内容につきましても、町独自で調査するつもりはないと引き続けてきましたので、そのように思ったというこです。それでは、町民の不安、要望にこたえるべき行政としての責任は果たせないと思います。町独自の情報収集を積極的に行うべきであると考えますが、いかがでしようか。
 本年、2月19日、日出生台で住民組織の代表とデビツド・ケリー中佐との会見が行われました。そこでのやりとりの中で、「住民移転の事実も質問されるまで知らなかった。」「夜間訓練は、自粛をとは言われたが、やめてほしいとは言われなかった。」「ボランティアは強制していない。来てほしくないと言えば行かない」とケリー中佐は述べています。これを見ると、どうも日本政府機関は住民の様子や要望を住民の立場に立って正確に伝えていないのではないかという疑念が生じてきます。こういうことがあったということを前提にしつつ、問題を夜間訓練に絞って質問いたします。
 先ほど申し上げたやりとりを見ていて、防衛施設庁は、夜間訓練の自粛は言うが、中止については、実はきちんと言っていないのではないかという疑念を待たざるを得ないのですが、防衛施設庁は、米海兵隊に対し明確に中止を要請しているのかどうか、その点に関して町はどのように把握されていますか、町として施設庁に確認はしているのでしょうか。あるいは確認するおつもりはありますか。さらに、今後の対応として、町は夜間訓練中止を引き続き要請していくべきであると考えますが、いかがでしようか。
 また、仮に、防衛施設庁が明確に「中止」を言っていないとしたら、町は町民の要請を必要に応じて直接的、かつ、正式に米海兵隊に伝える手だてを講ずる必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしようか。

 海兵隊問題の最後は、在沖縄米海兵隊外交政策部、通称G5についてであります。海兵隊が行う、いわゆるボランテイア、訪問活動について、これが単なる善意によるものでないことは、軍隊の持っている性格からも、また、海兵隊自身が言っていることからも明確であります。
 つまり、98年9月に当時、防衛施設局現地本部長代理であった津田亮帯広防衛施設支局長が「訓練期間中、司令官の許可、命令によって外出するのは、訓練の一環ということです」と述べているところにこの活動の意味が端的にあらわされています。これは単なる善意ではないということでありますが、この点について見解をお聞きしたいと思います。
 同時に、この3年間の様子を見ていて、海兵隊は、この活動にかなりの力をかけているように感ずるのですが、これには在米海兵隊基地司令部内に設けられている外交政策部、通称G5、基地を抱えている市町村との関係改善と若年隊員の教育を主な任務として1997年に設置された機関ですが、この存在が影響しているのではないかと考えています。
そこで、お尋ねしますが、町は、外交制作部についてどのような情報へ、また、どのような認識を持っておられますか、町長並びに町当局関係者が外交制作部、もしくはその関係機関等と接触を持った経過があるのかどうか、あるとすればどういう内容だったのかお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いします。

大きな柱の二つ目でございます。
今、大変大きな問題になっている農業者年金の問題です。

        (途中 略 )

以上で私の質問を終わります。明快な御答弁をよろしくお願いいたします。

〇議長(小原長俊君) 町長。

〇町長(佐野力三君) 中村議員から、大きく2点について質問をいただきましたので、順次お答えを申し上げたいと思います。
 4年連続の移転訓練が通知されるまでの経過と町長の見解について質問をされました。昨年の9月7日の新聞報道について減給されました。米海兵隊の複数の幹部は、失臼別演習場の来年の実弾砲撃訓練は行わない方針という報道がされておりました。ししかし、この当時、防衛施設局から町にこのような連絡は何ら来ておりませんでした。したがって私は、反対に防衛施設局に確認したのであります。その防衛施設局の答えは、今後の日米協議により決定されるというものであって、行わない方針が決まっているものではないと、こういうふうに回答されております。また、昨年11月13日、新聞でケリー中佐、司令官ですけれども、談話が載っておりりました。どの演習場を休止するか、来春に決定すると、ケリー司令官はそのように述べておりまして、どうも報道がふくそうして、個人的見解なのか、米軍の方針なのか、日本の日米の方針なのか、ごちやごちやになっていますけれども、私が確認した日米協議により決定されるというのが正しいと思います。それ以外は個人的見解に過ぎないというふうに承知をしております。
 また、ことし矢臼別演習場で実弾射撃訓練が行われるということが発表されておりますが、日本本土の五つの演習場で年4回実施されるということが一つのルールになっていますから、5年に1度休む演習場が出てくるということになって、4年連続ということはあり得る話で、別に不思議でも何でもないというふうに思っています。
 この訓練を実施することについては、防衛施設庁から防衛施設局を通じて私に町長としての意向を求められました。たしか1月の末だったと思いますけれども、私は、今年度矢臼別で演習を行うことについては、特に問題はないというふうな意向を伝えました。それは、先ほど申し上げたルールに従っているからであります。

 二つ目の本土移転訓練の沖縄と同質、同量という見解ですけれども、これも何回も説明をいたしておりますので、大方の議員の皆さんには理解していただいているというふうに思いますけれども、総量及び弾数規制の必要性については、総量では自衛隊が実施した年間の過去最大日数、これは平成元年ですけれども、170を超えないと。今までは、日数制限は実はなかったのでありますけれども、年間制限日数を条件に組み入れ、確約されたことは、私は大きな前進だというふうに考えております。また、弾数についても、これも何回も申し上げておりますけれども、弾数について町は確認する方法もありませんし、それをを規制を条件としておりませんので、この同質、同量というものに含まれるものではないというふうに理解をしております。米側からの通報によります矢日別演習場による発射弾数は、これは公式に発表されておりますが、平成9年が3100発、平成10年が2650発、平成11年は2000発ちょうどというふうに発表されておりまして、年々増加しているということにはあたらないというふうに思っています。
 今後の町の対応についてでありますが、防衛施設庁実弾射撃移転訓練実施支援本部、先ほどお話がありましたけれども、これは、防衛施設庁の内部組織であるというふうに理解しておりまして、特に問題とされる機関ではないのではないかというふうに思っています。私は、今後も、札幌防衛施設局を通じ、防衛施設庁と連絡、調整を図ってまいりたいと考えております。
 2点目の情報収集並びに町民の要望を伝える問題についてでありますが、政府の専管事項である国防政策について、一目治体として情報の収集や、調査を独自で実施する考えは待っておりませんけれども、町民の安全が阻害されるというおそれが生じた場合においては、行政の責任者として対処しなければならないというふうに考えております。

 三つ目のケリー中佐の発言内容でありますけれども、私は、その内容は承知しておりませんけれども、夜間訓練の実施のあり方につきまして、これも何回も申し上げておりますように、夜間訓練の中止は、受け入れ条件ではありません。夜間訓練がどうしても必要だという回答から、これを条件には飲めないということが当時いろんな折衝の中でありまして、しかし、あえて要望という形で夜間訓練を実施しないようにという要望という項目の中に入っておりまして、これは、条件ではありません。昨年、ケリー中佐が私を表敬訪問されました。そのときにも、私から酪農家は朝が早いために夜早く寝るので時間は10時を超えては困るということを申し上げました。ケリー中佐は、練度維持に欠かせない重要な訓練であり、必要最小限の訓練はぜひ実施させてほしいというお話がありました。したがいまして、昨年の要請は、実施する場合は短日数、短時間とすることという現実的な対応を町として求めた次第であります。今後どうするか、道と4町で組織しております矢臼別演習場関係機関連絡会議において、近々協議することになっておりますので、その際、関係の町あるいは道とも今後の要請事項についてどう取り扱いをするか、議論をいしたいと考えております。

 四つ目に、沖縄海兵隊外交制作部、通称G5について質問がございました。私は、このようなG5が存在しているということは承知しておりません。したがって、接触を待ったこともありません。ただ、ボランテイア活動については、過去2年間老人保健福祉施設水生苑あるいはすこやかの慰問、そして、憩いの森公園遊具のペンキ塗り等を行っていただいております。私は、アメリカ海兵隊の奉仕の精神に基づいた善意のあらわれであり、日米友好関係の増進が図られることと確信しております。よって、今後も申し出があれば、断る理由はないというふうに考えております。
 また、過去に沖縄に訪問した際に、キャンプハンセンがあります金武町の町長がこのように言っておりました。アメリカ、米軍との交流、親善が事件、事故を防止する最大の方策だと言っておりました。私もそうだと思っております。敵視してはいけないというふうに思っております。
 アメリカ海兵隊訓練全般について、いろいろお話もありましたので、この際、全体について私の見解を申し上げたいと思います。県道104号線越え実弾射撃訓練の分散実施については、既に御承知のとおり、平成8年12月定例議会において、議員各位の御英断により条件つき受け入れ容認が決議されました。この決議は、我が国の国防政策を尊重し、沖縄の負担軽減を盛り込んだものであり、町民の意思として重く受けとめ、条件交渉を経て、平成8年12月20日に受け入れを決断をさせていただきました。そして、議員各位並びに町民に対し、いろんな機会に説明をしてまいりました。3回訓練が実施され、3年が経過いたしておりますけれども、夜間訓練も含めているいる何回も質問がございますけれども、私はルールが守られ、規律が確保され、実施されており、何ら問題がないというふうに思っております。私は、日米安全保障条約は、単なる軍事面の協力に限らず、我が国と米国との有効関係が基盤というふうに考えておりますので、今後もアメリカ海兵隊訓練そのものに反対するつもりはありません。そして、国防政策は、政府の専権事項でもあります。基本的に我が国の平和と町民の安全を確保するために、国に協力することは、当然なことではないかと、こう考えているところでございます。
 次に、農業者年金について質問がございました。

            ( 途中 略 )


                   「00年3月議会・海兵隊問題に関する一般質問<後半>」へ続く

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