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  第1回 
 
 【馬場】遠回りしています。やらせるべきことを単刀直入にやらせましょう。


>> 今日は、先週の授業で録音したところを書きます。
>
>【青坂】 日常的に私に報告してくれるのなら、またそういうつもりがあるのなら、
     録音しない事です。録音する事に頼っているといつまでたっても、
     再現する事は出来ません。録音するのは、ここぞというときやじっくりと
     分析したいときにしたほうがいいでしょう。


 【馬場】 再現するには「再現するぞ」という自覚が必要です。
      「再現するぞ」となると再現するための授業の準備が必要になります。
      「発問・指示」です。揺れない言葉です。
      無自覚に録音しても明日へつながりません。青坂先生のコメント,
      納得です。


>> (5年生の算数 速さの単元です。)
>> ------------------------------------------------------------
>> 問題 あき子さんはひもを45センチあむのに30分かかり、ひろ子さんは
>>     40センチあむのに25分かかりました。
>>     ひもをあむのが速かったのはどちらですか。
>> ------------------------------------------------------------
>>
>> 「では、教科書33ページマル5番に指を置いてください。」
>> 「では、マル5番読みます。(私が読みました)」
>> 「この問題で聞いていることは何でしょうか。安部君」
>>少し間が空いて、安部君が答える。声が小さくて聞こえない。
>>「みんなに聞こえるようにもう一度。」
>> (あき子さんとひろ子さんでひもを編んでどちらが速かったか)
>>「その通りですね。どちらが速かったか。」
>>「では、それぞれ、1分間あたりどれだけあむか、式を書きたいと思います。

 【馬場】 「マル5番」ということは多分「練習」とか「復習」だと思います。
      子どもの実態としてこの問題は難しいのか、それともまあまあできるの
     か。それによっても展開が変わります。
      しかし大抵速さの問題は難しいので,改めて授業するものとしてコメン
     トします。
      まず,「式を書きたいと思います」て何だ?「書きなさい」です。


>> ノートにはじめ、あき子さんと書いてください。」
>> (黒板に「あき子さん」と書いた。)
>>「書いたと言う人? 早いでしょ。」
>> 「その下、5行空けてひろ子さんと書きます。」 (「ひろ子さん」と板書)
>>「ひろ子さんも書いた? 早い。」(先生、「あき子」って書いたらだめなの?)
>> 「あき子さんと書きます。」 (さんってつけるの?)

>> ・・・・ここ、教師の言った通りに書かせるべきなのか、そんな細かいことこだ
>>わることではないのか、困りました。

>> 「さあ、では、あき子さん、1分間あたり何センチ編んだのか、式を書いたら、
>> 立ってください。」(1分間?)
>> 「1分間あたり」「ノートに式を書いたら、立ちます。」
>> (両方とも?)(あき子?)
>> この間、30秒ほどで、子供たちが立ち始めた。 「早いですね」
>> 「〜さん、式を言ってください。」(45÷30)
>> 「45÷30そのとおり。」
>> 「では、まだ書けてない人写します。」 「書けた人は座ってください。」
>> ・・・・書けていない子は、立たなかったので、座ったまま。
>> 「ひろ子さん、式が書けたら、答えまで出して持ってきてください。」
>> ・・・・ここで言った「答え」という言葉は、問題全体の答えなのか、
>>ひろ子さんの式の答えなのか、これではわからなかった。
>>さらにあき子さんの式は、答えを出すのか出さないのか伝えていませんでした。
>>
>【青坂】 馬場君の出番だよ。コメントしてあげてね。
 【馬場】 「速さを求める式」がありますよね。(速さ)=(距離)÷(時間)とか。
      これが分かっているかどうかが最初の問題です。
      これが分かっていれば代入するだけです。
      問題を読み,「編むのはどちらが速いか,という話」を引き出した所から
     代案を示します。


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 「速さを求める言葉の式を書きなさい」
  教科書にあると思います。書けた子に発表させて,書けていない子は写します。
  45÷30を写すのが大事なのではありません。
  例えば(距離)÷(時間)=(速さ)とします。
 「この場合の『距離』はあんだ長さです。言葉の式の下にあきこさんの速さを
 求める式を書きなさい』
  ほとんどの子はできると思います。しかし,できていない子もいると思います。
 「**さん,言ってください」(45÷30=速さ,です) 
 「書けていない人,書きなさい」
 「速さを求めなさい。答えは『1分間当たり何cm』と書きます」
  答え合わせをします。そして次です。
 「全員起立。ひろ子さんの速さを求める式を書きなさい。
 書いたら座りなさい」
  できた子が起立ではありません。広田さんの「式を書いたら立ってください」
 では,できない子が追い込まれません。
  なぜなら,分からない子は分からないままだからです。
  しかし,この段階なら全員出来なければいけません。ヒントがあります。
  だから「全員起立」です。
  ここまできたら後はひろ子さんの速さを求めさせ,あき子さんと比べるだけです。
  どこで子どもたちに負荷を与えるかは,向山型算数の授業作りにとって重要な
 ポイントになると思います。 
  「練習問題」としてはかなり丁寧に扱った方法です。あくまでも「子どもの事実」
 からスタートしてください。
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  出番があると言うのは嬉しいものです。
  広田先生ありがとう。
  そして青坂先生,ありがとうございました。  


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