NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題12 「ぶーぶだよ」と教えますか、「くるまだよ」と教えますか。

 赤ちゃんにとって興味の向きやすいのは「くるま」よりも「ぶーぶー」だということですが、当の赤ちゃん自身は、どちらも区別して理解することができるようです。
 これは我が家での子育ての経験ですが、三女が生まれたときには正しい言葉をたくさん教えてあげようと思って言葉のカードや歌のカードをたくさん購入して、カードを見せながら「車」「犬」「信号機」などの言葉を教え続けました。まだ0歳の赤ちゃんに対してです。カードだけではなく、スーパーに買い物に行ったときには実物に視線を送りながら「これは大根」「これはニンジン」などと本物を見せながら言葉を教えていました。その効果があったのかどうかはわかりませんが、その後の三女は言葉を覚えるのも使いこなすのも早く、苦も無く本を読む力を身に付けるとともに、いろんなものに興味を持つ好奇心旺盛な子に育ちました。
 でも、これが正しい言葉で教えた成果だとは言えないように思います。やってみて実感したことは「ぶーぶー」か「くるま」かということではなく、話しかける、教える、反応するといったコミュニケーションの大切さです。カードを見せたり、教えたりする時間が子どもと向き合う時間になるので「かかわりが多かった」ということは確かに言えます。しかも苦しい無理なかかわりではなく、自然な楽しいかかわりを重視しました。この点がよかったのではないかということは確かに言えます。

 正司昌子氏は著書の中で「言葉のシャワー」「実況中継」という表現をされています。[34]
「今日は天気がよくて気持ちいいねえ」「信号が青になりました」「桜の花が咲いているよ。きれいだね」
 こうした言葉かけをまるでシャワーのように赤ちゃんに与える。お母さんの行動や目に映ったままのことを実況中継のように話して聞かせる。そのことによって生じる親子のコミュニケーションが愛着形成の上からも大切なのではないかと私も実感できます。

 赤ちゃんに「言葉のシャワー」で話しかける、そのこと自体が大切 

 そういうことではないでしょうか。

 はい。1人目の子育てで力が入っていたのか、話し言葉の教え方までいちいち迷っていたのが今では懐かしい思い出です。ちなみに下の娘には「くるまだよ。ぶーぶー」「いぬだよ。わんわん」と、どちらの呼び方も自然に身に着くように教えています。

【答え】

③どちらでもよい。

出題のポイント

赤ちゃんは区別ができるので「どちらでもよい」ということになります。大事なのは、教えること、話しかけること自体に愛着形成の効果があるということです。

[33]正高信男『子どもはことばをからだで覚える』(中公新書)28-30
[34]正司昌子『授乳時のケータイで子どもは壊れる』(KKベストセラーズ)132-137

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