NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題19 パンツを何度も汚してしまう我が子にどう言うか。

 「子どもって一回でできるわけではないんだなあ」「こんなに何度も失敗して、こんなに長い期間をかけてやっとできるようになるんだなあ」というのが正直な感想です。我が家のトイレ・トレーニングもそうでした。親がトイレの声かけのタイミングを忘れただけでも失敗してしまいます。それが一度や二度なら寛容にやりすごせますが、一日に何枚もパンツを洗う、それが何日も続く事態になると、つい①のように「もう!何回パンツを汚したら気が済むの!」と言ってしまうこともありました。それでも、子どもはパンツを汚したくてやっているわけではないんですね。遊びに夢中で「まだ大丈夫。まだ我慢できる」と行きそびれて汚してしまうのでしょう。子どもは、本当はできることならちゃんとトイレで用を足したいと思っているし、ちゃんと成功して大好きなお母さんにほめてもらいたいと思っているのです。

 出来ない原因は様々だと思います。しかし、原因はあるはずです。そして、いつかは出来るようになるのです。そこで重要になるのが③の対応です。「おしっこはトイレでするんだよ。次はできるようになろうね!」という言葉は二つの要素から成り立っています。「教える+励ます」です。「おしっこはトイレでするんだよ」と教え、「次はできるようになろうね!」と励ます。これが出来ないことを教えるときの基本原則です。

【答え】

③「おしっこはトイレでするんだよ。次はできるようになろうね!」

出題のポイント

③の言葉は「教える+励ます」で成り立っていることをぜひ解説してあげてください。

 佐々木正美氏は『子どもへのまなざし』の中で次のように書かれています。[6]

 子どもの自律というのは、しつけをつうじて育てるのですが、こうしてはいけません、こうしなければいけませんということを、優しく、できるまで繰り返し繰り返し伝えるのです。失敗すれば、また教え伝えるのです。伝えるところまでがしつけでありまして、いつからできるようになるかは、子どもまかせにしてあげるところに、しつけのいちばん重要なカギがあるわけです。

 同じようなことを教育団体TOSS代表の向山洋一氏は次の言葉で表しています。

 教えて、教えて、教える。

 トイレを失敗したら、「おしっこはトイレでするんだよ。次はできるようになろうね!」と教えて励ます。また失敗したら、「おしっこはトイレでするんだよ」と教える。励ます。その繰り返しです。そうやっていつの日にか、出来る日がやって来る。それが「しつけ」の基本原則です。

[6]佐々木正美『子どもへのまなざし』(福音館書店)174

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