NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題24 運動神経を発達させるために必要なこととは?

 山梨大学の中村和彦教授はスポーツの基礎となる動きを36種類に分解して、その36種類の動きを身に付けると「運動神経がよくなる」と提唱されています。その36種類の動きとは次のものです。[20]

 立つ・起きる・回る・組む・渡る・ぶら下がる・逆立ちする・乗る・浮く・歩く・走る・跳ねる・滑る・跳ぶ・登る・はう・くぐる・泳ぐ・持つ・支える・運ぶ・押す・押さえる・こぐ・つかむ・当てる・捕る・渡す・積む・掘る・振る・投げる・打つ・蹴る・引く・倒す

 どうでしょうか。あなたはこの36種類をすべて経験していますか。子どもたちはどうでしょう。四つん這いになって「はう」経験(感覚)、倒れて来る物を「支える」経験(感覚)、人間同士が力を出し合って「組む」経験(感覚)、…。こういった経験を通過してきているでしょうか。

 中村氏は次のように言います。[21]

 昔の子供たちは、いろいろな遊びから多様な動きをくり返して習得しました。36の動作は、そうした遊びや生活動作で必要な動きから構成されています。

 これらの動きを日常生活や遊び、スポーツに取り入れることで、子供の体力と運動能力を向上させることができます。

 要するに、日常生活や遊びの中で様々な種類の動作・運動感覚を体験することが大切だということです。

【答え】

様々な種類の動作や感覚の体験

出題のポイント

答え方として、「運動」「動作」「感覚」「スポーツ」など様々な表現の仕方が予想されますが、ポイントは「様々な種類の」というところです。

 そして、その様々な種類の動作を体験する臨界期(最適期)が、3歳〜6歳の頃と言われています。モンテッソーリによりますと、この時期が「感覚の敏感期」「運動の敏感期」であり、筋肉運動を調整する運動を遊びの中で自発的に、何度も繰り返しておこなうことを楽しめる時期とのことです。[22]
 強制では駄目です。繰り返し楽しめる環境をつくって運動神経の発達を促してあげることが「父親の出番」として期待されていると思います。

[19]相良敦子『ママ、ひとりでするのを手伝ってね!』(講談社)34
[20]中村和彦『運動神経がよくなる本』(マキノ出版)付録表
[21]中村和彦『運動神経がよくなる本』(マキノ出版)54
[22]相良敦子『ママ、ひとりでするのを手伝ってね!』(講談社)39

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