NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題25

ある母親の体験です。この場面で母親は、我が子にどんな言葉をかけるのがよいと思いますか。

3歳になった我が子を公園に連れて行きました。砂場には5歳くらいの子どもたちが遊んでいました。「一緒に遊んでいらっしゃい」と言って私はベンチで見ていました。最初は仲良く遊んでいるように見えたのですが、遊びの中で砂をかけられて泣きながら「おかあーさん」と言って私のもとへ戻って来てしまいました。




 場面を変えて小学生で考えてみます。帰宅した子どもが「お母さん!今日ボク先生にほめられたんだよ!」と言って来た時にどんな言葉をかけたらよいでしょう。溝口モーニングショーなどのテレビ番組で活躍されていた故・坂東義教教授は次のように言われました。[23]

 「どうしたの?」「何をほめられたの?」と聞き返す「知の対応」をするお母さんが96%です。「先生にほめられたの!すごいわね!」と受け止める「情の対応」をしてくれるお母さんが愛情深いお母さんなのです。

 まずは子どもの情を受け止める。そのためには、子どもの言った言葉に「の」の字をつけて返してあげる。
 子どもが「痛いよぉ」と言った時には「痛いのぉ」と「の」の字を付けて言って痛がっている気持ちを受け止めてあげるわけです。「どうしたの?」「どこが痛いの?」と質問形式で知識を求める前に、まず、痛がっているそのことを受け入れてあげることが愛情表現であるという主張です。
 坂東先生は次のエピソードでこのことをさらに深く説明しています。[24]

 小学校入学前くらいの女の子が庭先で泥のおまんじゅうを作っていました。女の子は「おかーさん!これ、おまんじゅう!」と言って見せに来ました。母親は「何やってるの!汚いわね!」と言って女の子の頭を軽く叩きました。すると、女の子はワーッと悲痛な叫び声を上げて泣き出しました。それを見た母親は「そんなに 痛くもないのに大袈裟に泣いて!」と怒りました。このお母さんは、ちっともわかっていないということがわかりますか?

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