NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次 | |||||||
問題26 |
子どもがお菓子の包み紙を道端に捨ててしまいました。こういう時の対応はどうしたらよいのでしょうか。 |
次の三つから選んでください。 |
平成9年に起きた神戸連続児童殺傷事件、別名「酒鬼薔薇事件」の少年Aは生き物を殺すことに快感を覚えていたといいます。その行動を心理士の河合伊六氏は次のように分析しています。[25] |
目の前に昆虫がいる → 殺したい衝動 → 棒で叩いた → 昆虫が死んだ → 痛快だった → 誰からも叱られなかった |
「痛快だった」という気持ちは少年Aにとっての快感です。その快感を手に入れた時に「誰からも叱られなかった」という事実は、その行動を強め、エスカレートさせます。最初は「昆虫を殺したい衝動」から始まった行動ですが、強化のサイクルの中では「痛快だったし、誰からも叱られなかった」という結果が次の行動を生じさせる原因になってしまいます。 |
その行動をとった後の状況が、次の時の行動に影響をおよぼす。 |
このような考え方を行動分析学といいます。この行動分析学を使って問題26を考えてみましょう。 子どもがお菓子の包み紙を道端に捨ててしまったのは衝動です。手に持っておくのが面倒だったのかもしれませんし、あまり深い考えはなかったのかもしれません。いずれにしても、イケナイ行動をとってしまったわけですから、この後の大人の対応が重要になってきます。放っておくと、ごみを捨てたことが快感になって強化される可能性があります。ここは「快」とは反対の気持ちを起こさせなければなりません。「だめですよ!」「いけません!」と短く叱って「快」を断つことも必要でしょう。自分で拾わせるという行為も「快」を断つことになります。優しく対応したり、親が拾って何もしないのは「快」を断つことにはなりませんので強化のサイクルに向かう可能性を持ちます。 |
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