NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題27

上の子と下の子が同時に「抱っこして!」と泣きだしました。どちらを先に抱っこしますか。

次の二つから選んでください。
@上の子から抱く
A下の子から抱く

出題のポイント

子どもが小さかったり、力の強いお母さんなら二人同時に抱きかかえることも可能でしょう。しかし、それが出来ない場合もあります。この問題はどちらか一方ずつしか抱っこできない場合にどちらを先にするかということです。

 下の子が生まれると上の子が下の子をいじめて困る、という話をよく聞きます。お母さんが産まれたばかりの赤ちゃんのお世話にかかりきりになるのは当然ですし、それを見てお母さんをとられたようなさみしさを感じてつい、下の子をいじめてしまう上の子の気持ちも理解できます。上の子と下の子が同時にお母さんを求めてきた時、どちらを優先させたらよいのでしょうか。

 何人かの先輩お母さんに聞いた話ですが「上の子を優先させるといい」そうです。上の子の「お母さんに甘えたい」という要求を先に満たしてあげることで、上の子は「お母さんは私を(ぼくを)先に可愛がってくれた!」と満足し落ち着きを取り戻すそうです。お母さんの愛情に満足した上の子は必ずと言っていいほど「今度は下の子を可愛がって!」と言ったり、下の子に優しく接することができるようになるそうです。「自分は愛されている」という自信が心の余裕を生むのでしょうか。うまくいく場合が多いようです。

 私の書斎には「子育て」に関する様々な本がありますが、このような問題について書かれた本を見つけることはできませんでした。しかし、現実にはこのような場面があるわけですから、問題として取り上げる価値はあると考えました。そして、経験者からの情報をもとに納得のいくものを「正解」として提示しようと考えました。ここではお母さん方の経験則を正解とさせていただきます。結局は「急がば回れ」で、上の子を先に満足させてあげたら思わぬ効果があったということです。

 今のところ上の子が下の子をいじめて困るということはあまり感じずに済んでいます。この原則を続けていると、どうしても下の子を優先しなければならない場合も出て来ます。でも、そういう緊急の場合でも、上の子が納得して待っていてくれるようになりました。

 たとえば我が家では夜の寝かしつけで私を挟んで川の字で子供二人が寝ていますが、下の子を先に授乳で寝かせようすると、どうしても上の子に背を向けてしまいます。それでは上の子がさみしいだろうなと思い、「赤ちゃんが寝付くまでお母さんは赤ちゃんの方を向かなくちゃならないけれど、寝付いたら必ずあなたの方を向いてあげるから待っていてね。それまでさみしかったら、お母さんの背中にくっついていなさいね」と声をかけます。すると上の子は「うん、わかった」と言って私の背中にくっついて待ちます。そして、下の子がようやく寝付いたらすぐ上の子の方に向き直って「お待たせしました!一緒に寝ようね」と抱きしめてやります。こうして上の子がお母さんを独占できる時間を作っていました。原則さえ守っていれば、こういうことも可能になってきました。

【答え】

@ 上の子から抱く

出題のポイント

このことを基本原則にしていると、上の子が下の子を思いやるようになるという経験則です。

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