NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題30 初めてのシャワー洗髪、気を付けることは?

 3歳3カ月を過ぎた頃でしょうか。父親がシャワーで頭をすすいでいるのをじっと見つめていた息子が「ぼくもシャワーやってみる!」と言い出したのです。親としては嬉しいやら驚くやらドキドキしてしまいました。せっかく息子が言い出した前向き発言です。何が何でも成功させなくてはなりません。「すごい!じゃあ、やってみようね」とチャレンジしました。息子が下をむいて両手で顔をかくします。「いいかい?」と聞くと「いいよ」と覚悟ができたようです。そこで、ほんの数秒だけ、ちょびっとだけシャワーをかけてやりました。「はい、終わり!」とタオルを渡します。「すごい!泣かなかったね。どうだった?」と聞くとタオルで顔を拭きながら「うん!大丈夫だった!」と息子。「やったね!お父さんみたいにかっこよかったよ!シャワーで頭をすすげるなんて大人だね!」とほめるとまんざらでもない様子でした。

 パパもさすがですね。学校で行う水泳指導と似ていますね。水につかるのが怖い子には、「あごの下まで」とか「くちびるの下まで」とか段階をおって水に慣れさせていきます。最初から全部を求めるのではなく、「ちょっとだけ」で成功体験を持たせることが「急がば回れ」なのですね。

 次の日のお風呂の時間。今日はどうするのかなあと思いつつ、黙って一緒に入りました。前日の体験を思い出したのでしょう。息子は「ぼく、今日もシャワー、頭からかけてみる」と言いました。もちろん、ここでも成功させることが優先です。今日も「また成功した」という経験こそが自信につながると思ったのでシャワーはやはり短めにしました。ただ昨日より少しだけ長くシャワーをかけてやりました。「どうだった?」と聞くと「平気だった!」。「すごいね!昨日より長くシャワーしたけど、大丈夫だったね!ずいぶんお兄ちゃんになったなあ!」と感心してみせると「うん!」と嬉しそうでした。このシャワーすすぎの件については、親として子どもが自分からやると言い出すまで「待つ」ことができたのがよかったかなと思います。なかなか「待つ」ことのできない私が親として少しは成長できたかなと思う出来事でした。そして、子どもが「やる」と言い出したら、何が何でも成功させてあげること、成功体験の積み重ねが子どもに自信をつけさせるのだと思いました。

【答え】

B 洗うことよりも、「やってよかった!」と思わせること

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