NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題36 「朝ご飯」でもっとも大切な栄養素はどれ?

 では、ブドウ糖を補給するためにはどんな食事がいいのでしょうか。
   A ごはん、パン、果物
   B スナック菓子、ケーキ、カップ麺
 AとBにはどちらも炭水化物または糖類が含まれています。炭水化物や糖類が分解されてブドウ糖となるので、どちらも脳のエネルギー源です。しかし、AとBでは消化・吸収のされ方が違います。
   A ゆっくり消化・吸収される
   B 消化・吸収が早い
 Aは少しずつブドウ糖が補給されるので長持ちします。Bは速効性がある反面、長く持ちません。給食時間まではもたないので4時間目には集中力が切れるようなイメージです。また、Bは急激に血糖値が上がるので、それを抑えるためにインスリン(血糖値を下げるホルモン)が働き、逆にブドウ糖が足りなくなることもあります。

 かつてアメリカ国内で数百万人の規模で青少年が荒れた時期がありました。アメリカ政府は国家の大事ととらえて国をあげて解決に乗り出しました。そして、ある小児科の医師団がその原因を突き止め、改善に大きな成果をあげました。アメリカの青少年が荒れた原因は「砂糖や清涼飲料水」でした。糖分を大量にとることで急に血糖値が上がり、それを抑えるためにインスリンが分泌され、低血糖症が起きていたのです。低血糖症は脳にエネルギーが行ってない状態です。そのため集中力がなくなり、イライラしたり、すぐにカッとなったり、精神状態が不安定になります。[10]

 朝ご飯を食べることは大切ですが、問題はその中身です。効率のいい食事は思わぬ落とし穴があるものです。早寝早起きをして、時間をかけた朝食で様々な食品をとり、学校生活の中心となる午前中の活動を充実したものにさせてあげたいものです。

[9]「早寝早起き朝ごはん」全国協議会 http://www.hayanehayaoki.jp/
[10]向山洋一『心を育てる家庭学習法』(主婦の友社)17-21

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