VOL.4〜「ガーリィー・ポップ 第3条〜かくも業の深きガーリィ道よ〜

 あ・え・い・う・え・お・あ・お・あ・え・い・う・え・お・あ・お←ノドに力を入れず、下腹部に意識をもってくのがコツです。んが・んげ・んぎ・んぐ・んげ・んご・んが・んご←無声音はこのように意識して発音します。

 …ども。4月から北見へ転勤しました。清野です。今度の顧問は演劇部です。ちなみに部員は1人なので、毎日一緒に発声練習からやってます。人手が足りないので舞台にも出るっぽいです。生まれてこのかた演劇というものに全く興味のなかった自分ですが、人生って何が起きるか本当わかんないもんですね。でも結構楽しいっすよ。あ・め・ん・ぼ・赤・い・な・あ・い・う・え・おー。

 というわけで、まさかこんな状況になるとは夢にも思ってなかった2ヶ月以上も前からずっとひっぱってきたアヴリル・ラヴィーン待望の新譜からガーリィ・ポップ開始です!

 …そうか、こうきたか…。ハリウッドのお客さんは、知ったこっちゃないと思いますが、今回のアルバムは17歳でデビューしたアヴリルの、20代初のアルバムなんですよ。たしか22歳……あ、オマエ今ひいただろ!誕生日知ってんのかよと思っただろ!知ってるよ!1984年9月だよ!!「アヴリル」っていうのはフランス語で4月のことだけど、彼女は9月生まれなんだよ!アヴ好きの常識だからコレ。

 そんなわけで20代突入&結婚(旦那が SUM41 ってとこがアヴ…)という人生の転機を迎えた十代のアイコンはどんなアルバムを出すのか?…まあ恐らくシェリル・クロウ的な枯れた感じになるんだろうなと思ってたわけですよ。ミッシェル・ブランチも結婚&出産を経て(うぅ…好きやったのにぃ…)このあいだカントリー・アルバム出したばっかりだし。


↑このアルバムのあとに…
Michelle Branch 「HOTEL PAPER」(ワーナー)


↑これはないだろう!(左がミッシェル)
Michelle Branch & The Wreckers 「STAND STILL, LOOK PRETTY」(ワーナー)

 しかし、ここまでポップに開き直るとは…。ジャケットからして、ピンクのハートにスケルトン・マークのロゴ。その下にはドットのシャツで金ピカのアクセサリーをつけたアヴリルがピンクのエクステつけて立ってるじゃないですか。もちろん土屋アンナにも影響を与えた(?)ちょいゴス・メイクもそのまま。ここまで女の子が好きなもんを全部集めなくても…と言いたくなるほど「ガーリィー道」に殉じたジャケにまずビックリですが、内容はさらにスゴかった。

 先行シングルM@「Girlfriend」からして、ドンパパ!ドンパパ!と2拍4拍にハンドクラップが入る、ほとんどシャンプー「トラブル」級の陽気っぷり。なんかチアリーダーが踊り出しそうな曲だなと思ったら、プロモ・ビデオはほとんどゴリエ状態。いったいどーしちゃったのアヴリル?とりあえず真ん中に髪のっけるのはやめてくれないか!このビデオは下をクリックで。

http://www.youtube.com/watch?v=cQ25-glGRzI

 …というわけで、今回は男おいてけぼりの、完全に「女の子のためのアルバム」ですね。デビュー当初はブリトニーとかヒラリーとかルックス優先の「アメリカン・アイドル」出身者をボロクソに言ってて、「私は違うのよ!」ってスタンスで女の子の支持を得た人だったのになぁ。実際、昔からのファンで、今回のアルバムは「うーん…」って女の子もけっこういるのでは?(いた)。

 確かにファースト・アルバムは相当イイ出来で(特にMH「THINGS I'll NEVER SAY」、MI「MY WORLD」の流れ!)いまだによく聞きます(あの頃は高音も細い声で良かった…)。なんで同じプロデューサー主導の音楽なのに、R&B系と違って、アイドルは全部ファースト・アルバムで燃え尽きるでしょうかね(ヒラリー・ダフも1枚目は良かった…)、そう考えるといまだにガーリィー現役のカイリー・ミノーグって凄いよなぁとか…また話ズレましたね。


↑00年代のガーリィー・バイブルだったファースト。
Avril Lavigne 「LET GO」(BMG)

 言っちゃえば、このアルバムは17歳で出したデビュー・アルバムよりはるかに拙い。っていうか若い。でも、10代の頃はスケーター・ファッションに身を包んでギターを弾いてた子が、20代になってフワフワ、キラキラの服とスカートはくのってすごくわかる気がする。ガーリィーが年齢的にアウトになる恐怖というのは、男には想像がつかないほどデカいんじゃないでしょうか。「セヴンティーン」や「キューティ」の表紙を飾るキラキラ姿のアヴリルを見ると、女の子にとってのガーリィーとはなんて業の深いものなんだろうと、しみじみします(老けたし…。)。こんだけプロモーションしてれば、日本は間違いなく売れるだろうけど、お願いだからアメリカでセールス的にコケませんように…と祈るばかり。


 …という連想から、いきなり音楽以外の話題になっちゃうんですけど、最近「ガーリィーだなぁ…」と思ったのがこの映画。話の内容もそうだけど、DVD限定版にユナイテッド・アローズのスカーフ付きとか、押切もえちゃんの解説はいらないけど、それもついてたりとか限定グッズの発想もかなりガーリィ。…ところでエビちゃんが天性のガーリィー・スラッガーとして長嶋を連想させるなら、押切もえちゃんはノムさんというか、太宰治が好きですとか、英会話得意ですとか、品川庄司の品川というか、たまに目指してる場所がよくわからない時ってありません?もう話それすぎですねゴメンなさい。

 ストーリーは「キューティー・ブロンド」(この映画めっちゃガーリィー!)の逆パターンというか、初めはファッションに無関心だったアンディ(アン・ハサウェイ)が上司のミランダ(メリル・ストリープ)に認めてもらいたくて、ファッションに目覚めて仕事に対する姿勢も変わっていくという、よくある展開だけど、しだいにオシャレになっていくアン・ハサウェイがとにかく最高すぎなので、それだけでオレ的には大満足っすね。

 しかし、実現する順番は正反対ですが、どちらの映画も「容姿で勝った上で」「やっぱり中身よ!」というオチというかメッセージが、同じなんですよね。逆にいえば、それだけ女の人にとって容姿というのは本当にデカい問題なんだなとか思ったりして。男にモテるかどうかという話じゃなくて、もはや自分が自分の存在に納得できるのかというアイデンティティーに関わるレベルね。


「キューティブロンド」 DVD (20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン)

 だって男って結婚したらオシャレとかどうでもいい人がほとんどじゃん。それって「もう目的(結婚)は達成した」って感じで情けないっちゅうか、単純すぎで、ある意味微笑ましいけど。でも女の人って芸能人じゃなくて普通のお母さんでもオシャレで素敵な人なんていくらでもいるじゃないですか。それって別に「もう一花咲かせたるわ!」とかいう目的じゃなくて、自分が今の自分に納得いくかどうかっていう問題なんだと思うんですよ。だから子持ちのお母さんでも「ガーリィー」な人はいるし、十代の女の子でも「ガーリィー」じゃない子もいる。そう考えると「ガーリィーである」ということは、どれだけ厳しい精神性に裏付けされていることか。男にははかり知れない深遠な世界なんだろうなあ…とか毎月「ガーリィーとはこうだ!」みたいに熱弁してるくせに、いきなり弱気になったぐらいにして。

 …なんか今月しみじみしちゃいましたね。新井さんのライヴ見れなかったからかな…。というわけでだんだんネタ切れの苦しさも見えつつ、もうちょっと続けさせてほしいガーリィー・ポップ。そしたら放課後になったので今月はこのへんでオシマイ(内職できるほど学校にも慣れたので皆さん安心してください)。そしたら発声練習に行ってきまーす。また来月までサヨウナラ〜。


バックナンバー


■2007年2月
VOL.1 「男は誰でも女好き」

■2007年3月
VOL.2 「ガーリィー・ポップ第1条〜出し惜しみはナシでね!〜」

■2007年4月
VOL.3 「 ガーリィー・ポップ 第2条 ガールズ・グループは永遠に不滅です! 」
〜または言ってみりゃ、女3人揃えば悪いものは1枚もナシ〜



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