NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題6 首がすわっていない赤ちゃんにやってはいけない行為は何でしょう。

 前の問題で首がすわっていない赤ちゃんに対する抱っこの仕方を紹介しました。ポイントは首を固定してあげて、頭がユラユラしないようにすることでした。ではなぜ、頭をユラユラさせてはいけないのでしょうか。最大のポイントはそのことを理解しておくことです。再び、厚生労働省のDVDを見てみましょう(写真)。

 赤ちゃんの頭が揺れるということは、頭の中で脳が揺れるということです。脳は海に浮かぶ船のように行ったり来たりという振動をくり返します。しかし、脳の血管はつながり合っているので揺れません。脳だけが柔らかいので振動をくり返し、血管は揺れを抑えるかのように脳全体を覆っています。揺れが続くとどうなるかは予想がつくと思います。そうです。揺れを抑え切れずに血管が切れてしまいます。しかも、これと同じようなことが眼球の裏側や脳内の神経細胞でも起きて、命にかかわる重大な傷害につながります。「生き残っても3人に1人が脳に障害」という表現は決して大げさなことではありません。インターネットを使える方は、ぜひ、厚生労働省のホームページで「赤ちゃんが泣きやまない~泣きへの対処と理解のために~」というDVDをご覧になってください。

【答え】

②ゆさぶる

出題のポイント

脳は頭の中で揺れても、脳を覆っている血管は揺れないということ。

 ところで、揺さぶり症候群の原因は虐待だけに限りません。赤ちゃんを喜ばせようとして、振り回したり、高く投げ上げたりするのも結果的には危険です。そのほか、長い時間揺れが続く車に乗せてしまったときとか、ゆりかごを何度もゆすっているときなどに、結果的に同じ状態が起きてしまう可能性があります。一番大事なポイントは、「赤ちゃんの脳は揺さぶりに弱い」ということです。このことをお母さんだけではなく、家族全員が知っておくことが重要です。そのことによって、体に合っていないチャイルドシートの危険性も共有できるでしょう。上に兄弟がいる場合は、そのことに気をつけたかまい方もできるようになるでしょう。「知は力なり」です。こうした知識をみんなで共有して赤ちゃんを大切に育てたいものです。

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