NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題22 「立派な父親」の四つの条件とは。

 「夜回り先生」で有名な水谷修氏は、親に次のような行動を呼びかけています。[11]
 @ごみを見つけたら「困った人がいるね。ごみはごみ箱に捨てるんだよ」と言って近くのごみ箱に捨てる。
 A電車でお年寄りが目の前に立ったら「席を譲ろうね、二人で」と言ってゆったり座ってもらう。
 Bお年寄りが重い物を持っていたら「お手伝いしましょうか」と声をかけて手伝う。

 そして、我が子がいっしょに行動してくれたら「いいことをしたね」と言ってほめてあげるというのです。 親が「背中で教える」という言葉がありますが、夜回り先生の呼びかけはそれよりも積極的です。無言で教えるのではなく、「困った人がいるね」という短い趣意説明があったり、子どもといっしょに席を譲ったり、終わったあとに「いいことをしたね」という評価の言葉があったりします。@〜Bはまさに「立派な父親」の姿です。林道義氏は「子どもに何かを教える父親はすばらしい」という一節を次のように解説されています。[12]

 自分の得意なこと、生活技術にしろ、趣味にしろ、また人とのつき合い方にしろ、礼儀作法にしろ、なんでも教えたがる父親は、たいへんすばらしい父である。子どもにいろいろと教えるということは、子どもにとってよかれと願う愛情の表われであり、「子ども思い」の証拠である。

 我が子をアウトドアに連れ出すことを夢見る父親が多いことを前に紹介しましたが、自然体験の中で子どもに何かを教える場面は多いと思います。それと同じ発想で、毎日の生活や社会体験の中でも、子どもに教える場面はたくさんあります。いっしょに電車に乗った時、公衆浴場に入った時、公共のトイレに入った時、親戚の家に出かけたとき、お墓参りに行った時…。大自然の中での自然体験も大切ですが、平凡な日常やちょっとしたお出かけの中にも教える場面はたくさんあります。その機会を逃さず、短い言葉とちょっとした行動で、子どもに何かを教えることのできる父親が「立派な父親」の第三条件です。

【答え】

いろいろなことを教える

出題のポイント

子どもが少し大きくなると、子煩悩な父親は子どもと出かけることが多くなります。その時に、その場に応じて、短い言葉や短い評価で、「何かを教える」というのが三つ目の条件です。「教える」というニュアンスが含まれている答えは正解ということでかまいません。

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