NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題23

明治の頃の父親は子育てに積極的だったでしょうか、消極的だったでしょうか。

 これは記録が残っています。明治になって日本が開国したことで、たくさんの外国人がやって来ました。日本という国自体が珍しかったので、日本中様々な所に出かけて記録を残しています。日本の子育てについての記録もたくさんあります。

 父親は小さい子を抱いて、見るからになれた手つきでやさしく器用にあやしながら、あちこち歩き回り、何か面白いことがあると、それが見えるように、肩の上に高くさし上げる。

 これはイギリスの初代駐日総領事となったオールコックと大森貝塚を発見したアメリカの動物学者・モースが見た日本の様子です。これが特別だったから記録されたのではありません。このような父親と子どもの姿があちこちで見られたから記録されているのです(外国人から見たら特別だったということ)。
 渡辺京二著『逝きし世の面影』の第十章「子どもの楽園」には当時の外国人が描いたスケッチや撮影された白黒写真も掲載されています。子どもを膝の上に乗せて楽しそうに笑っている父親の姿が印象的です(当時の父親の姿は和服にちょんまげです)。[15]

 立派な父親の条件は「子煩悩である」ということでしたが、外国人が見た日本の父親の子育ての姿は、まさに「子煩悩」そのものです。その姿は次のような行動に整理できます。
 @抱く
 Aあやす
 B抱いたまま歩き回る
 C肩の上まで上げて何かを見せる
 D膝の上に乗せる
 E頭をなでる

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