NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題31

人生で「成功する子」と「失敗する子」の分かれ目は、 どこにあるのでしょうか。

出題のポイント

選択肢はありません。突然そんなことを聞かれても答えられないのが普通だと思いますが、経済学的にも、脳科学的にも、科学的根拠は存在します。言わば「知っている人は知っている」「その道の人ならすぐに答えられる」という問題です。問題の内容からして、子どもの幸せにとって、とても重要なことですから、知らないでいるのと知っているのでは大違いです。そこで(重要なことなので)敢えて選択肢を設けませんでした。知っているか、知らないかの二極化問題です。

 @なぐられる、けられるなどの身体的暴力をくり返し受けていた。
 A暴力的な言葉でくり返し心理的な圧迫を受けていた。
 B親に無視されていた(学校に行かせてもらえない、食事をちゃんと作ってもらえないなど)
 C性的な暴力を受けていた。
 Dアルコールや薬物乱用者が家族にいた。
 E母親が暴力を受けていた。
 F家庭に慢性的なうつ病の人がいたり、精神病をわずらっている人がいたり、自殺の危険がある人がいた。
 G両親のうち、どちらもあるいはどちらかがいなかった。
 H家族に服役中の人がいた。

 これは1990年代にアメリカで行われたACEという大規模なアンケート調査の項目です。この調査が注目したのは、アンケートの質問にどう答えたかということではありません。その後の人生がどうなったかという事実と重ね合わせた点にあります。次のことがわかっています。[35]

 4項目以上が当てはまった人:喫煙率2倍、アルコール依存症7倍、がん発症率2倍、心臓病率2倍、肝臓病率2倍、気管支炎率4倍、学校や行動に問題あり17倍
 5項目以上が当てはまった人:ドラック使用率46倍
 6項目以上が当てはまった人:自殺体験率30倍

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