NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題47 「しつけの三原則」を知っていますか?

 それについては森信三を生涯の師と仰いでいらっしゃる寺田一清氏の解説を紹介させていただきます。[42]

 一、あいさつは、前向き、積極性、親近性の表現
 二、ハイの返事は、対応・交流、呼応性の表現
 三、はきものは、自主、自制、自律性の表現

 まず、挨拶は、挨拶をすることが大事なのではなく、自分から先に挨拶すること(行動を起こすこと)が大事だということです。「自分から先に」という行動力に結びつきます。
 次に返事ですが、これは相手が先にあって自分は受け手になります。つまり相手に対して「応じる」素直さに結びつきます。
 最後の「はきもの」や「椅子」は、自分も相手も存在しません。見ている人が「誰もいなくても」やるべきことをやりとげることができるかということです。

 1 「自分から」という積極性
 2 「相手に応じる」という素直さ
 3 「誰もいない場」での自律性

 この三つのことが身につけば、世間を渡って行く基礎を持つことになるというわけです。

 私はこの三つのしつけを実践している幼稚園を参観させていただいたことがあります。埼玉県飯能市にある白鳥幼稚園です。園の子どもたちはとても活発で健康そうでした。おとなしくて、きちんとしているという感じではなく、活発で子どもらしいという印象です。それでいて「三つのしつけ」が身についているのです。静と動がはっきりとしていて、園全体の空気が凛として清々しい気持ちになりました。
 ところで、この「三つのしつけ」をさらに絞り込んでいくと、たった一つのことに集約されます。

 立腰(腰骨を立てること)

 「立腰(りつよう)」を簡単に言うと「姿勢をよくすること」ですが、姿勢をよくするための要点が「腰骨を立てる」ということです。「三つのしつけ」は、この立腰が土台となっています。これを立腰教育と言います。



[41]森信三『家庭教育の心得21』(致知出版社)20‐21
[42]寺田清一『三つのしつけ』(登龍館)41

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