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第3回

 馬場です。菅野先生の誠実さに微力ながら答えさせていただきます。
 少しでもお役に立てることを祈りつつ。

>>  こんばんは。菅野です。今日の報告をします。
>>
>> 1時間目 算数「かけ算」
>>
>> 「ノートの新しいページに、今日の日付と、ページ数を書きなさい。」
>> 私より早く書き終わった子が3人いた。大いに誉める。
>> 「教科書9ページ□1を指差しなさい。」
>> ぱっと指せない子がいたので、やり直しさせる。
>> 「読みます。1まい20円の画用紙を3まい買うと、だい金はいくらになりますか」
>>全員で連れ読み。 一人にもう一度読ませる。
>> 「だい金とは何ですか。」(いくらかかるか)
>> 「そこに四角く、式を書くところくがあります。」
>> 「はい。だい金を求める式を書きなさい」 「どうなりますか。」
>> (20×3=) (いいです)
>> 「そうだな。答えを書かない時は、=はいら ないです。20×3です。」
>>「はてなマーク。計算のしかたを考えましょう。」
>> 指差しさせるのを忘れた。こういうところで、苦手な子はどこをやっているのか
>> 見失ったりする・・・。
>>「そこに十円玉の絵があります。」
>>「縦に十円玉が2枚ずつ並んでいます。」
>> 「一番、左の2枚を指差しなさい。」
【馬場】多分この「10円玉の絵」は扱わないと思います。なぜか。
    それはこの後の練習を解くための「基本形」になっていないからです。
    なんかゴテゴテするからです。
    一見この絵を使うと子どもが分かりやすいと思ってしまうのですが,菅野
   先生のメールを読んでも逆によどんだ感じが分かります。
    こんな絵は飛ばします。その代わり,その絵の下にある計算式を使います。
    2 ×3=6
    20×3=60
   「その式をそっくりそのまま写しなさい。数字,×,=をしっかりそろえるの
   ですよ」
    写すのもままならない子に菅野先生はいつも気を配っています。
    大変なことと思います。
    途中まで先生が書いてあげても良いと思います。
    「残りをがんばって写してごらん」
    時間のロスも減り,その子も少しずつ「写し方」を知って行くでしょう。
    そして@の問題に入ります。
    心配なら最初の問題はみんなでやる。当然基本形通りです。
    次の2問目を持ってこさせます。基本形通りにできているかどうかを厳しく
   見ます。
    そのすきに遅れがちな子のノートを見てヒント(うっすらと式や答えを書い
   てあげる)を与えて行きます。
    一切の説明,要らぬ問いかけ,余計な指示も無しです。
    以下の展開と比べてみてください。

>>
>>  こういう場面でぱっと反応が出来ない子がまだいる。緊張感が足りない。
>> ぼうっとしていた女の子に指を差すよう言う。
>> 右とか左とか位置関係の理解もままならない様子。隣の子が教えてくれる。
>> 「ありがとう。」と誉める。
>>「まん中の2枚を指差しなさい。」 「一番右の2枚を指差しなさい。」
>> 「十円玉が2枚ずつのかたまりが、いくつありますか。」 (3つ)
>><ここがぱっと伝わらなかった。何度か発問を繰り返したが、毎回、言い方が
>>微妙に違った。どう違ったかは思い出せない。言いながら、まずいぞとは思った。
>> 発する「言葉」の吟味が不十分な証拠だと思った。>
>> 「このことを式に表すとどうなりますか。」
>><これも予想外にぽんと反応が帰らない>
>>「2枚ずつのかたまりが3つあることを式 にするとどうなりますか。」
>> と言い直す。(2×3)
>>「そうですね。これは簡単だ。どうしてですか。」
>> (十円玉が2枚ずつあって、そして・・・、それが3つ・・・)
>>「うんうん。もっと簡単に分かりますよ。教科書のどこかにある。」
>>(ここに書いてる)
>>「そうだね。教科書にはっきり書いてある。どこですか。指差してみて下さい。」
>>「あるな。ありますよね。教科書にはヒントが書いてあります。よく教科書を見る
>> ことです。」
>> 「その式、みんなで読みます。」 (2×3=6)
>> 「はい。2×3=6の2は、何が2枚あることなのですか。」 (10円玉です)
>> 「うん。10円玉が2枚で何円になりますか。」(20円です)
>> 「そうですね。20円がいくつ分ありますか。 みんなで指を置いて数えましょう。」
>> (1, 2, 3)
>> 「このことを式で表すと・・・。」 (20×3)
>> 指で数えさせたのは余計だった。最初に1回、もう指で押さえさせているのだから。
>>  ここは、「20円が3つでいくらですか。」と聞けばすっきりしたと思うのだが。 
>>「これも簡単だ。どうしてかな。」 (教科書に書いてある)
>> 「そうです!!!どこだ。指を置いてみよう。」
>> 「はい。その式をみんなで読みます。」  (20×3=60)
>>「はい。最初に戻ろう。だい金はいくらですか。」(60円です)
>>「ノートに○1と書きなさい。そこの問題を 解きます。教科書と同じようにやります。」
【馬場】やることが多くなれば多くなるほど子どもに時間差や誤りが生じやすくなり
    ます。
    菅野先生のように細かく一つ一つやるのも時には必要でしょうが,細かすぎ
    ると逆にかすかな時間差,遅れ,タイムロスが生まれてしまいます。
    できるだけ教師の言葉を少なくし,授業をシンプルにします。
    子どものすることも少なくシンプルにします。
    それが向山風から向山型への道です。


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