問題3 赤ちゃんは泣くことによって何を確かめているのでしょう。
今、生後6ヵ月の赤ちゃんが泣いているとします。 時刻は朝の9時です。赤ちゃんが泣く直接の原因はそのときによって様々に考えられます。 おなかがすいているのかも知れません。おむつが濡れているのかもしれません。暑がっているのかもしれません。 そのことが原因である場合は、その不快な原因を取り除いてあげれば赤ちゃんは泣き止みます。 しかし、そのような「泣き」とは別に、わざとかどうかは別として、あることを確かめるために泣く場合があります。 このころの赤ちゃんというのは、お世話をしてもらったときに満足すると、「笑う」「見つめる」「アーアーなどの言葉(喃語)を発する」といった赤ちゃんらしい反応をします。母親は、その反応を見るとうれしくなり、「アーアー」とこたえてあげたり、見つめ返して微笑んであげたり、抱きしめてあげたりするようになります。
赤ちゃんは母親と遊ぶことの楽しさを覚えるので、母親が近づいて来ただけで喜んだり、見つめてくれただけで喜んだり、抱っこしてくれただけで喜んだりするようになります。かまってあげると大はしゃぎするようになるのがこの時期です。 ボウルビィというお医者さんは、赤ちゃんと母親のこのような関係を「愛着」(アタッチメント)と呼び、0歳〜3歳くらいまでのこの時期を「愛着形成期」と呼んで非常に重要な意味付けをしました。 「3つ子の魂百まで」ということわざがありますが、3歳までの愛着形成期にたっぷりと愛情を注がれた子どもは、その後の人生において、しっかりと自立への道を歩んでいく力を持つというのです。 大袈裟な話に聞こえるかもしれませんが、それくらい長い間、その子の人生にとって、愛着形成は重要な意味を持つことが多くの研究からわかっています。
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