NPO法人エトセトラ / Qでつなごう!幸せの子育て・目次

問題3 赤ちゃんは泣くことによって何を確かめているのでしょう。

 「泣くことで赤ちゃんは何を確かめているのか」というのが問題でした。
 児童福祉法では満1歳以上は幼児となりますので「赤ちゃん」には含めないこととします。
 そうしますと1歳未満が「赤ちゃん」です。表の中にある「母子分離不安」というのは、お母さんと離れることを怖がる現象です。ほんの少しの間でも母子分離不安は生じます。目の前からお母さんがいなくなっただけで泣き叫ぶことは少なくありません。お母さんがトイレに行っただけで泣いてしまうくらいです。
 ただし、母子分離不安が最も強く表れる時期は1歳〜2歳頃なので、この問題の答えには含めないことにします。
その他の愛着行動で「泣き」に関係してくるのが「泣いたら来てくれる」という部分です。それを短い言葉で表現したのが答えです。

【答え】

お母さんの愛情(愛着)

 泣いたらお母さんが来てくれて、抱っこしてくれることによって愛着は強まります。つまり、赤ちゃんはそのことのくり返しでお母さんの愛情を確かめているのです。答えは「愛着」または「愛情」です。 ただし、赤ちゃんがわざと泣いているかどうかはわかりません。わざとではなく本能的に、どの赤ちゃんもそうした行動をするようになっているのかもしれません。その意味で「確かめている」という表現はちょっと違うかもしれません。
 でも、結果的には、赤ちゃんとお母さんのそうした行動の積み重ねが、両者の絆を強め、赤ちゃんが成長していく上での安心の土台となることは間違いありません。

出題のポイント

愛着行動の発達段階を知っていると赤ちゃんへの理解が格段に違って来ます。赤ちゃんとのコミュニケーションも増え、お母さんのストレスも軽減されます。ぜひこの問題を広げて下さい。

[9]片岡直樹『テレビを消したら赤ちゃんがしゃべった!笑った!』(メタモル出版)
[10]内田伸子「愛着・対人関係や学習の機能的準備系」より「ボウルビィによる愛着行動の発達段階」を3考に改変

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